コロナ禍をきっかけにワーケーション事業が始動
──ワーケーションの取り組みを始めたきっかけは?
佐城様:
2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークに対する社会の認識が一変しました。
コロナ禍以降、実際にテレワークを行う人が増え、リモートでも、ある程度業務が行えることがわかったのです。
そこで、新しい生活様式に適応した理想のワークライフバランスを実現していただくため、2020年9月頃に「働く場所にとらわれない働き方」をテーマにした、ワーケーション推進事業の検討を始めることになりました。
──事業を始めるにあたり、課題となったことはありましたか?
佐城様:
具体的には、首都圏や大阪に住んでいながらも、「兵庫県の多自然地域で仕事ができる」ことを紹介すれば、潜在的なニーズを引き出せるのではないかと考えました。そこで、「すぐに働く場所として提供できるのはどこなのか?」を検討した結果、通常、観光や宿泊に使用されている施設が候補となったのです。
とはいえ、対象とした地域が県内の主要エリアから外れていることもあり、どれくらいのニーズがあるのか不明でした。
荒井様:
一番ネックとなったのはインターネット接続環境です。ある程度の期間、兵庫県に滞在してもらう場合には、仕事ができる環境が必要です。
一般的なホテルであれば、無線LANをはじめ、インターネットの接続環境は整っています。しかし、県の施設の場合は、インターネット接続環境があるとは限りません。そこで、この課題を解決することが急務となりました。
ボタンひとつで簡単に接続できる「DoRACOON」を導入
──「DoRACOON」を選んでいただいた理由は何でしょうか?
佐城様:
各施設にインターネット接続環境を整えるには、光ファイバーなどの有線がいいのか、Wi-Fiなどの無線がいいのかを調査したいと考えました。そこで、NTTメディアサプライに相談させていただいたところ、「DoRACOON」の導入で無線のインターネット接続環境が整えられることをご提案いただいたのです。
「DoRACOON」を採用した最大理由としては、マルチキャリアに対応しており、利用場所に応じて、快適な回線を自動で選択して接続できる点です。これにより、ひとつのキャリアに障害が発生したとしても、安心して使っていただける環境が用意できる点が魅力でした。
荒井様:
有線を見送った理由としては2つあります。ひとつは、光ファイバーなどを敷設した場合、無線の5倍から10倍の費用が必要である点。もうひとつは、敷設するには期間が必要という点です。
今回の事業を行うにあたって、急速な需要の高まりに対して迅速にインターネット接続環境を整える必要があった、機器を設置するだけで済む「DoRACOON」は、ニーズに合っていたのです。
──「DoRACOON」を使った感想はいかがでしょうか?
中井様:
導入調査の際に機器を貸し出していただき、実際に使ってみました。印象としては「ボタンひとつでつながる」という感じで、とても簡単に使用できることに驚きました。例えば、パソコンから接続する際にも、面倒な設定は一切なく、ポップアップメニューで「DoRACOON」を選べばすぐに使えます。これであれば、どなたでも簡単に利用できると感じました。
この簡単につながる仕様は、本事業において重要な要素のひとつでもあります。それは、県の職員から機器を貸し出すのではなく、施設の管理者などから貸し出すため、初期設定などのサポートができない可能性があるからです。特に、今後は施設管理者のいない空き家を提供する可能性もあるため、このように簡単に接続できる仕様が有効であると考えています。
現在は、インターネット接続環境のない3つの施設に、1部屋1台の割合で合計15台導入しています。
短期間のお試し移住をテーマにしたキャンペーンを実施
──具体的には、どのようなワーケーション事業を行っているのですか?
荒井様:
「“ひょうごで暮らす!”体験キャンペーン」を、2020年11月中旬よりスタートさせました。このキャンペーンは、お試し移住をテーマにしており、1泊2日などの短期ではなく、長期滞在により兵庫県を体験してもらおうというものです。そのため、対象は4泊5日以上となっております。
佐城様:
このキャンペーンにご参加いただくと、「宿泊費の半額補助」と「居住地からの交通費等を半額補助」という、2つのメリットがあります。各施設には、「DoRACOON」などを利用したネット環境もあるので、あまり金銭的な負担がかからず、仕事をしながらの長期滞在を実現しやすくしております。
──インターネット接続環境以外の設備はどのようなものがあるのでしょうか?
中井様:
家具・家電は一式そろっています。ですから、数日分の着替えを持ってくれば、そのまま生活できるようになっています。
自然に溶け込むようなウッド調のコテージやロッジの中に、ウイークリーマンションが入っているようなイメージです。
荒井様:
ほかには、自炊ができる設備もあります。これは、本キャンペーンが中長期滞在をターゲットとしているため、自炊ができる施設を選択しているからです。
──とても楽しそうですが、具体的にはどのような施設を選べるのですか?
中井様:
ひとつは「西はりま天文台 家族用ロッジ」です。この天文台には、口径2mを誇る日本国内最大級の「なゆた望遠鏡」が設置されています。元々は、星を見ることが好きな方にご利用いただいているロッジとなります。
佐城様:
「いこいの宿 新たんば荘ログハウス」は、観光地として人気の丹波篠山にあります。そのため、日中に観光するも良し、「DoRACOON」を利用して仕事をするも良し。まさに「ワーク」と「バケーション」を両立した、ワーケーションを実施できる施設となるでしょう。
中井様:
「ロッジ波賀の郷」は山の中にある施設で、バーベキュー場なども併設されているファミリー向けの施設ですね。
「但馬長寿の郷ロッジ」は研修施設としても使われており、1棟の中に寝室が5部屋あります。この施設を準備した背景としては、個人ではなく企業単位でのワーケーションもできると考えたからです。「DoRACOON」のネット環境を使って、企業がグループ単位や部署単位ごとに、多自然地域で働けることを想定しています。
──最後に、本キャンペーンについてのアピールなどがあれば教えてください。
荒井様:
宿泊費用については、施設によって1名単位であったり、1棟単位であったりします。いずれにせよ、「宿泊費の半額補助」がありますので、長期滞在をしやすいキャンペーンになっております。
「“ひょうごで暮らす!”体験キャンペーン」は、2021年3月10日(最終宿泊日)でいったん終えますが、4月以降、再開する予定です。
「DoRACOON」を使えば、ワーケーション環境を作りやすいので、今後はさらに対象施設を増やしていけるでしょう。ぜひご検討ください。
「DoRACOON」で構築されたワーケーション環境で多自然地域を楽しもう
今回のキャンペーン内容を聞いて、「DoRACOON」があれば兵庫県の多自然地域でも仕事ができることがわかり、星空の明りで芝生に寝ころびながら仕事をする姿を想像しました。
コロナ禍で自宅待機をしいられてテレワークをするのであれば、自然にふれながらワーケーションを楽しむというのも、選択肢のひとつとしてあるのではないでしょうか。