
WiFiと言うと、自宅に引く光回線や飲食店やゲームセンターなどに用意されているフリーWiFiをイメージするかもしれません。
ですが、「持ち運べるWiFi」ことポケット型WiFiと呼ばれるものもあります。
今回は、持ち運ぶことができるポケット型WiFiについて仕組みなどを解説していきます。
INDEX
- 1.ポケット型WiFiとは
- 2.ポケット型WiFiでインターネットに繋がる仕組み
- 2.1.SIMカードを使用する理由
- 3.ポケット型WiFiのメリット
- 3.1.WiFi環境を自宅から持ち出せる
- 3.2.工事不要
- 3.3.プロバイダの個別契約が必須ではない
- 3.4.月額料金が安い傾向にある
- 4.ポケット型WiFiのデメリット
- 4.1.通信量による通信制限が存在する
- 4.2.通信速度は光回線より劣る
- 4.3.ルーターのバッテリーに気をつける必要がある
- ①.過充電に注意
- 5.最新情報2021年度版5G対応ポケット型WiFi比較
- 5.1.5G(ファイブ・ジー)とは
- 5.2.ミリ波とSub6
- ①.Sub6とは
- ②.ミリ波とは
- 5.3.5G対応ポケット型WiFi比較
ポケット型WiFiとは
ポケット型WiFiとは、冒頭でも簡単に触れたように持ち運べるWiFiです。
通常、自宅などに開通させた光回線配下に設置するWiFiルーターは、インターネット回線からのケーブルを差し込む必要があるので簡単に動かすことができません。動かせたとしてもコンセントに届く範囲程度であり、外に持ち出すことは不可能でしょう。
ですが、ポケット型WiFiはそういったケーブルが不要なルーターを使うようになっており、どこにでも持ち運ぶことができるのです。
ちなみに、元々は「モバイルWiFiルーター」という名称で呼ばれていて、ポケット型WiFiの正式な名称でもあります。
ですが、ポケット型WiFiという名称のほうが親しみやすいからか「モバイルWiFiルーター」ではなく「ポケット型WiFi」として呼ばれることが徐々に多くなっていったという背景があります。
ポケット型WiFiでインターネットに繋がる仕組み

ポケット型WiFiはインターネットに繋ぐためのケーブルを使用しないにも関わらず、インターネットに接続することができます。
ポケット型WiFiとして使用されるルーターは外部の電波を送受信できる機能が備わっているのですが、その機能を用いて基地局から発せられる電波を受信します。
この基地局から発せられる電波の送受信でインターネットに接続できるようになっており、ケーブルを使うことなくインターネットに接続することができるのです。
例えばスマートフォンでインターネットを介してウェブサイトに接続するのであれば、
「スマートフォン⇔ポケット型WiFi⇔基地局⇔インターネット網⇔ウェブサイト」
という流れで通信が行われます。
SIMカードを使用する理由

ポケット型WiFiはSIMカードというICチップを使用しています。
スマホでも使用されているSIMカードですが、なぜポケット型WiFiでSIMカードが必要なのか知っていますか?
SIMカードを使用する理由は1つ。ポケット型WiFiを利用する方がポケット型WiFi加入者かどうかを判別するためです。
SIMカード本体には基地局から電波を受信してWiFiの電波を飛ばす機能は備わっていないのですが、利用者を識別するための情報がSIMカードに埋め込まれており、その情報を使ってポケット型WiFiを使った通信を許可するかどうか判定できるようになっています。
ポケット型WiFiルーター本体は市販されている・中古で売り出されているものを購入すればすぐに手に入るのですが、実際にポケット型WiFiを使ってインターネットを利用するには有効なSIMカードが必要になるという仕組みです。
簡単にまとめると通行許可証のようなもので、通行許可証がない場合は当然利用できませんし、有効期限切れ(解約済み)の通行許可証も利用できません。
最近はSIMカードを利用しないクラウドSIMという仕組みを利用したポケット型WiFiも出てきています。これは、ポケット型WiFi本体内にはSIMカードを持たず、クラウド側からSIMカードをアサインし、通信をできるようにするという新しい仕組みです。
ポケット型WiFiのメリット
ポケット型WiFiには、光回線などの固定回線にはないメリットが多数用意されています。
特に抑えておきたいメリットは以下の4つ。
・ WiFi環境を自宅の外に持ち出せる
・ 工事不要
・ プロパイダ契約が必須ではない
・ 月額料金が安い傾向にある
WiFi環境を自宅から持ち出せる
ポケット型WiFiの一番のメリットでしょう。
ポケット型WiFiルーターはバッテリー駆動式であるため、バッテリー残量さえあればコンセントがない環境でも利用できます。山奥・インターネットが普及していない離島など圏外になるような場所を除けば、ほとんどの場所でWiFi接続することが可能です。
もちろん、ポケット型WiFiは外でしか使うことができないという制約もないので、自宅にいるときは自宅で充電しながら使うことも可能です。
工事不要
ポケット型WiFiは工事不要です。
工事不要であるため、インターネットを利用できるまでの期間も短く、ポケット型WiFiの提供開始までがスピーディーなサービスだと、わずか数日でポケット型WiFiが利用できるようになることもあります。
工事不要であるため、光回線を引くことができない(工事できない)賃貸マンションでも好きなように契約できることも大きなメリットの1つでしょう。

プロバイダの個別契約が必須ではない
光回線などの固定回線を契約する際、回線事業者とプロバイダの2つの契約をすることになります。
- ・回線事業者:
インターネットに接続するためのアクセス回線(光回線など)を提供
契約者が希望する設置場所住所に対して光回線等の敷設工事を行い、回線工事費と回線利用料を徴収する
- ・プロバイダ:
インターネットに接続する仕組みをサービスとして提供
契約者が光回線等を利用してインターネットに接続するために必要な接続先情報、ID/PWを払い出し、開通事務手数料とサービス利用料を徴収する
光回線サービスによっては初めからセットになっていて個別契約が不要になっているプランが増えてきていますが、ポケット型WiFiはそもそもプロバイダとの契約が不要なケースがほとんどです。
ポケット型WiFiはそもそも工事が不要であるため、事実上回線事業者が不要です。
その関係でプロバイダと回線事業者に関する契約周りについて区別されておらず、「ポケット型WiFiの契約→プロバイダとの契約も内包されているようなもの」という状態となっています。
そのため、ポケット型WiFiとは別でプロバイダを選んで個別契約しなければならないということはありません。
月額料金が安い傾向にある
固定回線である光回線と比較するとポケット型WiFiは月額料金が安い傾向にあります。
そのため、毎月の固定費としてのしかかってくるインターネット料金を節約したい方は、ポケット型WiFiにしたほうが安く済ませられるケースが多いです。
ただし、契約プランや利用するオプションの数によっては光回線よりも高くなってしまうことがあるので、しっかりプランを選ぶことが大切です。
ポケット型WiFiのデメリット
メリットがある物事はほぼ例外なく何かしらのデメリットが存在し、ポケット型WiFiも例外ではありません。
ポケット型WiFiにおける主なデメリットは以下の3つです。
・ 通信量による通信制限が存在する
・ 通信速度は光回線より劣る
・ ルーターのバッテリーに気をつける必要がある
通信量による通信制限が存在する
ポケット型WiFiは光回線と異なり、データ通信量による通信制限が存在します。
スマホのキャリア回線などのモバイル回線と同じように月間通信量などの上限通信量が設けられていることが多く、この通信量を超過すると通信速度を大幅に制限されてしまいます。

そのため、毎日何時間も動画を再生する方や大容量のファイルのダウンロード・アップロードを繰り返す方は通信制限に陥ってしまう可能性が高いです。
ポケット型WiFi(モバイルWiFi)の中にはWiMAX2+という月間通信量無制限(通信制限条件が別で用意されている)のサービスもあるため、自分に合ったサービス・プランを契約することが大切です。
通信速度は光回線より劣る
物理的なケーブルでインターネットに接続する光回線に対して、ポケット型WiFiは各地の基地局と無線通信を行ってインターネットに接続しているため、どうしても通信速度は光回線より劣ります。
都市部など地域によっては100Mbpsを超えるレアケースも存在しますが、ほとんどの場合は10~30Mbps程度の速度しか出ないことが多いです。
そのため、数GBに及ぶファイルのダウンロード・アップロードなどはかなり時間がかかってしまう可能性が高いです。
ルーターのバッテリーに気をつける必要がある

ポケット型WiFiは持ち運びできるようにバッテリー駆動式になっています。
当然ながらバッテリー切れになるとWiFiルーターとして使えなくなってしまうので、ポケット型WiFiを持ち運ぶ際はバッテリー残量に気をつけるようにしましょう。
・ 就寝時に充電して一日はバッテリーが持つようにしておく
・ モバイルバッテリーを一緒に持ち歩く
このような工夫をしておけばルーターのバッテリー切れに悩まされることが少なくなるでしょう。
過充電に注意
自宅にいる間は常に充電させ続ければいいと思うかもしれませんが、何ヶ月も充電し続けたまま放置していると過充電によってバッテリーが膨張する可能性があります。
また、光回線の代替としてポケット型WiFiを利用するケースもあるとおもいますが、その時も過充電によってバッテリーが膨張には注意し、定期的に充電アダプターを抜いて放電させることをお勧めします。
最新情報2021年度版5G対応ポケット型WiFi比較
日本において「5G」を使った携帯通信サービスが2020年3月から開始され、1年以上が経過しました。スマートフォンでは5G対応機種が増え、5G通信を利用できるエリアも少しずつ広がってきました。2021年9月時点の5G対応ポケット型WiFiについて見ていきたいと思います。
5G(ファイブ・ジー)とは
5Gとは「5th Generation(第5世代移動通信システム)」の略で、次世代の通信規格です。 現在主流のLTE(4G)の高速・大容量通信がさらに進化し、更なる高速・大容量通信が可能になりました。それに加えて低遅延、多数接続の特徴を持った通信です。
5Gが普及すれば、携帯電話ユーザーだけでなく、機械、物、デバイスの接続性についても向上させるメリットがあり、ネットワークに接続するIoT(Internet of Things)が拡大し、生活のあらゆるところで通信が行われると予測されています。これまでの技術が大きく進歩し、新しいサービスが生まれることで、社会全体がより便利かつ快適になると言われています。

(出典元:楽天モバイル)
ミリ波とSub6
5Gの特徴として挙げられるのが、従来の4G向けと比べて非常に高い帯域=高周波数帯が用いられていることです。日本では5G向けに、Sub6帯と呼ばれる3.7GHz帯と4.5GHz帯、ミリ波と呼ばれる28GHz帯という3つの周波数帯が割り当てられています。
Sub6とは
5Gといえば「Sub6(サブシックス)」という言葉もよく聞きます。Sub6は6GHz帯未満の電波を指す用語です。
ミリ波と比べると、Sub6は遮蔽物や雨に強いという特徴があります。それゆえに、特に3.5GHz帯以下の周波数帯は、従来の携帯電話はもちろん、その他の無線通信でも多用されています。また、帯域を広く取りづらい(=速度を増しづらい)という課題があります。
そのため、5Gでは「Sub6で通信エリアのカバーを、ミリ波で高速通信を」といった使い分けがなされる傾向にあります。
ミリ波とは
「ミリ波(mmWave)」は、一般的に30GHz帯から300GHz帯の電波のことを指します。この周波数帯の電波には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- メリット:一般の用途ではあまり使われていない→帯域を広く取りやすい
- デメリット:直進性が強い→遮蔽(しゃへい)物や雨(水蒸気)に弱い
この長短を鑑みた結果、従来のミリ波は主に「見通しが完全に効く場所における1対1の無線通信」や「レーダー」などに使われてきました。一般的な移動体通信(携帯電話など)では使われてこなかったのですが、帯域を広く確保しやすいということから5Gではミリ波も通信に使うことになりました。
しかし、2021年の9月現在でミリ波の基地局設置は局所的で、スタジアム(サッカー場や野球場)や周囲に遮蔽物のない広場など、エリアはSub6以上に“ピンポイント”です。

(出展元:ドコモ公式サイトエリアマップ)

(出展元:au公式サイトエリアマップ)
5G対応ポケット型WiFi比較
2021年9月時点のドコモ、au、ソフトバンク等のスマートフォンのキャリアから提供されている5G対応のポケット型WiFiについてまとめました。
各社、前章で触れたミリ波に対応した5万円以上の高価なポケット型WiFiとミリ波非対応でリーズナブルなポケット型WiFiをラインアップしています。ミリ波については前章で触れた通り提供エリアがピンポイントなため、5G対応のポケット型WiFiを検討する際はミリ波非対応でリーズナブルなモデルを採用の中心に検討を進めてもいいでしょう。
また、一部2020年モデルのポケット型WiFiは既に公式オンラインストアでの販売が終了しているものがあるので注意が必要です。

まとめ
2021年9月時点のドコモ、au、ソフトバンク等のスマートフォンのキャリアから提供されている5G対応のポケット型WiFiについてまとめました。 各社、前章で触れたミリ波に対応した5万円以上の高価なポケット型WiFiとミリ波非対応でリーズナブルなポケット型WiFiをラインアップしています。ミリ波については前章で触れた通り提供エリアがピンポイントなため、5G対応のポケット型WiFiを検討する際はミリ波非対応でリーズナブルなモデルを採用の中心に検討を進めてもいいでしょう。 また、一部2020年モデルのポケット型WiFiは既に公式オンラインストアでの販売が終了しているものがあるので注意が必要です。

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