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厚生労働省の働き方改革のガイドラインとは?概要をわかりやすく解説!

2021-8-24

働き方改革のガイドラインとは?概要や関連するガイドラインを解説

日本では生産性向上や労働者個人の事情に応じた様々かつ柔軟な働き方を選択できるようにする社会の実現に向けて働き方改革が実施されています。

その働き方改革の内容を取りまとめたガイドラインが発行されており、働き方改革を知る上で欠かせない資料です。

今回は、働き方改革のガイドラインとは一体どのような資料か、そして各種ガイドラインの概要などを解説していきます。

働き方改革のガイドラインとは

働き方改革のガイドラインとは、働き方改革実行計画に基づいて制定されたガイドラインであり、働き方改革の実現に必要な物事が取りまとめられています。

働き方改革実行計画の内容の中には法改正が必要なものもあるため、法改正が必要なものは働き方改革関連法という枠組みで法改正を実施して働き方改革の実現を目指しています。

働き方改革の関連法の概要

働き方改革関連法では現状のままでは働き方改革の実現が難しくなっている、企業に強制力を持たせることが難しい法律に対する変更が主になっている法案です。

具体的には以下のような法改正が働き方改革関連法に含まれています。

時間外労働の上限規制

(出典:厚⽣労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 時間外労働の上限規制わかりやすい解説より)

 

過労死に陥るほどの重労働・長時間労働が問題視され続けていることから、残業時間に対する強制的な制限力を持たせるために法改正が行われました。

  • ・時間外労働が年720時間以内
  • ・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
  • ・複数月の1ヶ月あたり80時間以内
  • ・時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月が限度

 

2020年4月1日以降はこの制度がすべての企業に適用されています。

年次有給休暇の時季指定

所定の要件を満たした労働者は有給休暇が与えられるようになっていますが、年間の有給休暇のうち5日間は労働者と相談の上で使用者(企業などの雇用する者)が時期を指定することが義務化されています。

そのため、労働者が有給休暇を使う意思がなかったとしても消化した有給休暇が年間5日未満だった場合は、使用者が有給休暇を消化させる義務があります。

フレックスタイム制の制度変更

フレックスタイム制度における労働時間の調整が可能な清算期間が1ヶ月から3ヶ月に変更されました。

これにより局所的な繁忙期などの理由で1ヶ月のみ法定労働時間を30時間超えていたとしても、翌月の労働時間を短く調整することで割増賃金を支払う必要がなくなるほか、労働者も所定労働時間を働いていない月に欠勤扱いされなくなります。

高度プロフェッショナル制度の導入

専門スキルを持つ方がより自由な働き方をしやすくするために、高度プロフェッショナル制度が新しく設立されました。

収入や職種など特定条件が合致した場合に限り、本来ならの法律で定められているはずの労働時間などの規定が適用されない働き方が可能になります。

この制度は労働時間の制約などが無効化されることから導入条件がかなり厳しく、労使委員会の決議・所轄労働基準監督所長への決議の提出・労働者本人の同意手続きが必要です。

さらに、休日をどのように確保させるかについてのルール化などの対策も求められるため、使用者が都合よく採用できない(労働者を酷使できない)制度になっています。

雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

アルバイト・パートが正社員と同じ働きをしているにも関わらず、雇用形態が違うという理由だけで給料が大きく変わってしまうことは今もなお問題視されていることのひとつです。

この問題について同一労働同一賃金制度が制定されており、2020年4月から施行されています。

ただし、より多くの給料を得ている社員と同等の働きをした場合に適用される項目がほとんどなので、「仕事そのものは忙しいが、担当する仕事は異なる・求められる責任が異なる」という場合は、同一賃金にする必要はないもの(職務相応の給料を支払う)とされています。

働き方改革の主なガイドライン

働き方改革にて制定されたガイドラインは同一労働同一賃金のガイドラインが有名ですが、他にもいくつかのガイドラインが制定されています。

働き方改革において制定された主なガイドラインは以下の5つ。

  • ・同一労働同一賃金ガイドライン
  • ・雇用型テレワークのガイドライン
  • ・非雇用型テレワークのガイドライン
  • ・副業兼業の推進に向けたガイドライン

 

それぞれ順番に見ていきましょう。

同一労働同一賃金のガイドライン

同一労働同一賃金のガイドラインでは、以下のようなことが定められています。

    • -  基本給  -

能力や経験などが同じであれば正社員と同一の賃金を支給

    • -  ボーナス  -

会社の業績などへの貢献度が同じであれば正社員と同一を支給

    • -   手当   -

役職の内容が同じであれば正社員と同一の手当を支給(職務手当) 不合理な待遇差の解消が求められる(退職金)

    • -  福利厚生  -

正社員と同一の利用・付与を求める

    • -研修(教育訓練)-

現在の職務に必要なスキル・知識の習得のための研修・教育訓練において、正社員と同一の職務内容であれば同一の研修・教育訓練を実施する

 

業務内容が同一である場合は、これらの待遇差を与えてはならないものとガイドラインにまとめられています。

ただし、業務内容が同一であった場合に適用されるものであり、職場が同じであれば無条件に同一労働同一賃金とみなされるわけではありません。

雇用型テレワークのガイドライン

事業者と雇用契約を結んだ労働者の自宅などで働くテレワークにおけるガイドラインが制定されています。

雇用型テレワークのガイドラインでは、労働時間の適正な把握やフレックスタイム制の活用など、リモートワークを実施した実績のない企業がテレワークを導入しやすくするための資料がまとめられています。

長時間労働対策や労災の扱い・業務評価や業務にかかる費用(光熱費など)などの扱いにおける注意点なども記載されています。

同一労働同一賃金のガイドラインとは異なり、常に雇用している労働者をテレワークに移行するためのアドバイスをまとめた資料に近いものとなっています。

非雇用型テレワークのガイドライン

業務委託・クラウドソーシング先の労働者のテレワークにおけるガイドラインも制定されています。

非雇用型テレワークのガイドラインは現在急成長しているクラウドソーシングを対象にしている内容が多く、発注者・受注者間でのトラブル事例やトラブルを回避するためのガイドラインなどが定められています。

副業・兼業の推進に向けたガイドライン

働き方改革などの影響で多様な働き方を選ぶ方が増えてきており、本業とは別で副業・兼業を始める方も急激に増加しています。

それら副業者の雇用において守らなければいけないこと、副業・兼業に係る制度(健康保険・厚生年金・労災保険など)などを労働基準法などの法律から抜粋し、ガイドラインとしてまとめられています。

時間外労働の扱いなど通常の本業とは異なる対応が必要な項目も多数存在するため、それらに関する注意事項・推奨事項などのアドバイスも記載されています。

ガイドラインは随時更新されている

同一労働同一賃金のガイドラインなどの各種ガイドラインは、随時更新されています。

定期更新というわけではありませんが、働き方改革に関する議会を通して変更が発生した場合は、それに合わせてガイドラインの方も変更が加えられます。

そのため、最新の働き方改革のガイドラインを知っておくには厚生労働省が発行しているガイドラインを直接読む必要があります。

働き方改革の実施はガイドラインを参考に行おう

まとめ

働き方改革を実行に移す際、これまで自社で行って来なかった取り組みをすることになります。 ノウハウがない状態からのスタートになるため、働き方改革の取り組みを自社でも行いたい場合は厚生労働省が発行している各種ガイドラインを参考に働き方改革を実施してみてください。

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