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5G(第5世代通信)とは?どこよりもわかりやすい簡単解説!特徴や技術的なしくみ

2022-3-23

2020年に商用サービスが始まった5G。本記事では、5Gの技術的なしくみやメリットについて、わかりやすく解説します。

 

5Gとは

5Gとは、「5th generation mobile network(第5世代の移動通信網)」です。前世代の4Gを拡張したもので、特徴は「高速大容量・高信頼、低遅延・多数同時接続」です。

 

要求される水準については、国際電気通信連合(ITU)によって取りまとめられており、国際的に統一されています。

5Gまでの移動通信システムの歴史

5GのGは世代(Generation)のことです。「携帯電話などの通信ネットワーク」はどの世代でも共通ですが、世代ごとに通信網の用途が異なっています。

 

世代 通信網の主な用途
1G 音声通話
2G ショートメッセージ
3G 画像付きメール、モバイル用のサイト閲覧
4G 動画視聴、SNS、ゲーム、各種アプリ

 

世代を経るたびに、通信網に要求される通信容量は増大しています。

5Gに求められる機能

5Gの要件は、国際電気通信連合(ITU)が「IMT-2020」として規定しました。主要な要件は次のとおりです。

 

・高速大容量通信(eMBB:enhanced Mobile Broadband)

・高信頼・低遅延(URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communications)

・多数同時接続(mMTC:massive Machine Type Communication)

 

1つ目の「高速大容量通信」については、どの世代においても求められます。今回、5Gでは「高信頼・低遅延」と「多数同時接続」に力点が置かれています。

 

ただ2022年2月現在、上記3つを満たしたフルスペックの5Gはまだ提供されていません。最初に大容量・高速化が行われ、低遅延と多数同時接続数については段階的に要件を満たしていくと予測されます。

 

次の章から、3つの特徴について詳しく見ていきましょう。

高速大容量通信

高速大容量通信の特徴

 

 

5Gの通信速度は下り最大20Gbps、上り最大10Gbpsです。これは4Gの20倍のスピードです

高速大容量通信が使われる分野

高速・大容量通信は、エンターテイメント分野で活用されると思われます。多数の視点からのコンサート映像やスポーツ中継の配信や、超高解像度のゲームの提供が可能になるでしょう。VRやARにも活用が期待されます。

高速大容量通信のメリット

高速・大容量通信がもたらすメリットは、超高解像度の動画をストレスなく送受信できることです。エンターテイメント業界においては、新たな顧客体験を提供できるきっかけになるでしょう。

高速大容量通信を支える技術

5Gが高速化できる要因は、主に2つあります。1つ目は「高周波数の電波を使うから」です。

 

電波には「時間あたりに発生する波の数が多いほど、よりたくさんのデータを載せられる」という特徴があります。「1秒間に発生する波の数」を「周波数」といい、Hz(ヘルツ)という単位で表します。

 

5Gで使われる電波は4Gよりも高い周波数が特徴です。たくさん振動する電波を利用することで、高速・大容量通信を実現しています。

 

高い周波数の電波には、「遠くまで届きにくい」という弱点があります。

 

そのため4Gで使われる周波数帯の電波を、5Gに転用するキャリアもあります。無線基地局をより密に設置するには、コストがかかるからです。転用する場合、4Gよりも速い速度は出るものの、本来出るべき5Gの速度には達しません。

 

2つ目の理由は「広い帯域幅」です。帯域幅が4Gよりも広いので、一度にたくさんのデータを送ることができます。

 

帯域幅とは、利用できる周波数帯域における、最も高い値と低い値の差のことで、たとえば3600~3700MHzを利用できるとき、帯域幅は100MHzとなります。

 

NTTドコモの場合、4Gの帯域幅は最大でも20MHzですが、5Gの帯域幅は3.7GHz帯と4.5GHz帯で各々100MHz、28GHz帯では400MHzあります。

参考:NTTドコモ

高信頼・低遅延

高信頼・低遅延の特徴

遅延とは「要求したあとサーバーから応答がくるまでの待ち時間」のことです。5Gにおける遅延の要求水準は1ミリ秒(0.001秒)と、極めて高いものになっています。

高信頼・低遅延性が使われる分野

 

 

低遅延性は、ロボット操作や自動運転など、極めて精密な動作が求められる分野に使われると予測されています。

高信頼・低遅延性のメリット

極めて精密な操作が求められる分野においては、機械の操作を行うため、作業する人を現場に行かせる必要がありました。ですが移動通信網を使っても、現場で作業するのと変わらない程度に操作できるのであれば、現場に赴く必要はなくなります。

 

人を場所の制約から、また危険作業から解放してくれるでしょう。

高信頼・低遅延性を支える技術

低遅延を実現できると期待されている技術のひとつに、「エッジコンピューティング」があります。

 

簡単にいえば「サーバーを近くに置く」という技術です。サーバーまでの距離を短くすると、データのたどる経路長が短くなるため、レスポンスが速くなります。したがって、インターネット網よりも手前にサーバーを設置することで、レスポンスが速くなると期待されています。

多数同時接続

多数同時接続の特徴

5Gの多数同時接続の対象は、センサーです。5Gは、多数のセンサーが接続するネットワークとして使われることが想定されています。

 

5Gにおける多接続の要求水準は、「1平方キロメートルあたり100万台」です。1平方メートルで換算すると1000台なので、かなり高密度なことがおわかりいただけると思います。

 

そもそもなぜセンサーに移動通信網が必要なのかというと、物理的な距離から解放されるからです。移動通信網はほぼ全国どこでもつながるので、センサーの設置場所を問いません。

 

またセンサーで取得した情報をAIが活用・判断することにより、私たちはこれまでより最適な選択ができるようになるでしょう。

多数同時接続の使われる分野

センサーネットワークとしての利用が期待される5Gですが、実は4Gでも同様の機能があります。

「LPWA」という規格で、あえて帯域幅を狭くし、消費電力を抑えて通信できるというものです。

 

このLPWAは、定期的な検針業務を自動化する「スマートメーター」の通信網として、すでに使われ始めています。

 

5Gではこのスマートメーターの用途も取り込み、身の回りのあらゆるモノがネットワークに接続する「スマートシティ」のインフラとして使われる予定です。

スマートシティでは、たとえば街全体に多数のセンサーを設置することにより、鳥獣被害を防いだり、最適な防犯対策を立てたりできます。

 

個人においても、スマートウォッチを介して日々の健康情報をかかりつけ医と共有できるようになり、最適な医療を受けられるようになるとされています。

多数同時接続のメリット

センサーを利用するメリットは、効率化と省人化です。わざわざ現地に足を運ばなくても、環境状況を把握できますし、さらにAIを使えば判断さえ行う必要がありません。

 

少ない人数でこれまでと同じ量の業務を行えるでしょう。

 

多数同時接続を支える技術

センサー類はスマートフォンの通信とは異なり、あえて低速・低頻度の通信を行うしくみが必要です。なぜならセンサーを設置する場所は農場や街の中など、電力供給の難しい場所が多いからです。

 

端末の用途に応じて、仮想的にネットワークを切り離せる「ネットワークスライシング」という技術を使うことで、多接続を実現できるでしょう。

5Gを積極的に活用しよう

Netflixが動画配信サービスを開始した2007年、移動通信サービスは3Gの時代でした。現在Netflixが動画配信業界で大きなポジションを取れているのは、通信速度が高速化することを見込んでいたからです。

 

能動的に5Gを活用していく企業こそ、5G時代の勝者となるに違いありません。5Gをビジネスに活用する方法を、今から考えておく必要があるでしょう。

 

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