分析に特化したソフトウェアであるBI(ビジネスインテリジェンス)ツール。
本記事ではBIツールの特徴やメリット・デメリット、導入成功の秘訣についてわかりやすく解説します。
INDEX
- 1.BIツールとは
- 2.BIツールが重要な理由
- 2.1.組織横断でデータを分析できる
- 2.2.Excelではデータ分析を充分に行えない
- 2.3.顧客のニーズを深く理解できる
- 3.BIツールの特徴
- 3.1.異なるデータソースを統合できる
- 3.2.データを視覚化できる
- 3.3.原因を深く分析できる
- 3.4.分析したい人が自らレポートを作成できる
- 3.5.最新のデータに自動更新される
- 3.6.BIツールの利用シーン
- 4.BIツールを導入するメリット
- 4.1.レポート作成時間が短縮される
- 4.2.これまで気づかなかった課題や顧客のニーズを発見できる
- 4.3.改善策をスピーディーに実行できる
- 5.BIツール導入のデメリット
- 5.1.データの準備に膨大な時間と人手が必要
- 5.2.使いこなせるまでに時間がかかる
- 6.BIツール導入のステップ
- 6.1.現在出力しているレポートの洗い出し
- 6.2.どのようなレポートがほしいかヒアリングする
- 6.3.共有する範囲
- 6.4.BIツールを選定
- 7.BIツール導入を成功させる3つの条件
- 7.1.データを活用する文化が根付いていること
- 7.2.内製すること
- 7.3.情報システム部門にリソースを投入すること
BIツールとは
BIツールとは、データを軸とした経営判断(データドブリン経営)をサポートするツールです。
さまざまなソースからのデータを分析し、ビジュアライズ化されたビューを提供します。
企業が持つさまざまなデータを分析・見える化し、経営や業務に役立てるソフトウェアのことで、 BIはビジネスインテリジェンス、つまり、ビジネスの意思決定に関わる情報という意味です。
企業のITビッグデータ活用が拡大し、経営に役立てる動きがますます高まっている中、データを用いて、迅速かつ精度の高い意思決定を行うためには、BIツールという道具の活用が欠かせません。ビッグデータ分析において、BIツールのシェアは飛躍的に高まっています。
BIツールが重要な理由
データを分析するソフトウェアといえば、Excelを真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
BIツールの目的・役割は、膨大なデータから必要な情報を引き出し、経営や売り上げ拡大に活用するために、分析してレポーティングすることであり、誰にでも利用できることに意味があります。
そのためExcelで手集計する必要がなくなり、知りたいことが浮かんだときに、パッとデータを集計し、分析結果が表示されれるため非常に便利です。
意思決定にはスピードが求められるため、例えば「ところで、あのデータ集計の結果はどうなった?」と業務に追われる集計担当者をせかす必要もなくなります。
組織横断でデータを分析できる
そもそも、多くの企業では部門ごとに異なるソフトウェアが導入されており、データが部門ごとに点在しています。
組織横断でデータ分析するときにExcelを使用する場合、分析するたびにそれぞれのデータのフォーマットを合わせる必要があり、手間がかかります。
BIツールはさまざまな基幹ソフトからデータを取り込み、一元で分析が可能なので、組織横断でデータを活用できるのです。
Excelではデータ分析を充分に行えない
Excelに分析機能はありますが、多くの企業でその機能を充分に活用できていない可能性があります。
たとえば昨年との売上実績の差異が大きかったとき、その原因を過去のデータからきちんと追い求められているでしょうか。
そもそも分析は、多数のデータを組み合わせたり切り口を変えたりなど、非常に時間がかかる作業です。仮に分析を行っていたとしても、頻繁に行うのは難しいのが実状です。
BIツールは分析に特化したツールのため、Excelよりも短時間かつ頻回の分析が可能です。
問題の発見までの時間が短縮され、仮説検証のサイクルを高速に回せるようになります。
顧客のニーズを深く理解できる
多くの企業において既存のビジネスをそのまま継続しているだけでは、人口減少とともに市場が先細りしてしまいます。
つまり多くの企業は顧客のニーズを把握し、新たなビジネスを創出する必要に迫られているといえるでしょう。
BIツールは、顧客のニーズを深く理解するのに役立ちます。
顧客を理解するためのデータを戦略的に収集し、BIツールで可視化することによって、新たなビジネスの創出につなげられるでしょう。
BIツールの特徴
さまざまなメーカーからBIツールが提供されています。
ここでは各BIツールにおける共通点や特徴について触れます。
異なるデータソースを統合できる
1つ目の特徴は、異なる形式のデータであっても統合できることです。
メーカーによってサポートする形式の種類は異なりますが、たとえばMicrosoft製のPower BIの場合、Excel形式やJSON形式、XML形式を取り込むことが可能です。
さまざまな形式に対応しているので、複数のプラットフォームを使っていても、一元的に分析できます。
データを視覚化できる
2つ目の特徴は、データをビジュアライズ化できることです。
たとえば、
・棒グラフ
・折れ線グラフ
・世界地図へマッピング
などの形式で、誰が見てもひと目でわかるように図示できます。
原因を深く分析できる
データはビジュアライズされているので、傾向や外れ値を簡単に見つけられます。
また傾向や外れ値が発生している原因を、細かい要素まで掘り下げることにより、深く分析できるでしょう。
たとえば昨年よりも売上の減少した月があれば、商品ごとの詳細ビューを見ることで、売上減少の原因となった商品を突き止められます。
分析したい人が自らレポートを作成できる
多くのBIツールでは、専門知識がない一般社員であっても、さまざまな切り口のレポートを作成できる機能(セルフサービスBI)があります。
情報システム部門へ依頼する必要がなく、タイムリーにレポートを作成できます。
最新のデータに自動更新される
BIツールで作成したレポートは、作成した後であっても、データが最新の状態に自動的に更新されていきます。
最新の情報に書き換える必要のあるExcelと比べると、作業工数を簡素化できます。
BIツールの利用シーン
・営業分析・売上分析
・人事データ分析
・残業分析
・予算管理システム
・データ集計
・人事データ分析
BIツールを導入するメリット
BIツールを導入することによって、収集した社内外のあらゆるデータを活用し、より迅速かつ精度の高い意思決定の助けになります。状況を正確に把握できるのはもちろん、その背後にある様々な原因や問題・課題を深堀りできるメリットがあります。
ここでは、BIツールのメリットを3つご紹介します。
レポート作成時間が短縮される
1つ目のメリットは、レポートの作成時間を短縮できることです。
異なるソースのデータを一元的に扱えるので、手間がかかりません。
定形のレポートであれば、一度作れば最新の状態に自動的に更新されるため、レポートを作成する作業自体が不要になります。
これまで気づかなかった課題や顧客のニーズを発見できる
BIツールを使えば、さまざまな切り口でデータを深く分析できるようになります。
データを深く分析することで、これまで気づかなかった現状の課題や顧客の要望などを発見できるでしょう。
改善策をスピーディーに実行できる
BIツールによってリアルタイムのデータがグラフに反映されるようになるため、異常値を素早く発見できるようになるでしょう。
課題発見までの時間が短縮され、改善策の実行もスピーディーに行なえます。
BIツール導入のデメリット
多くのメリットをもたらすBIツールですが、デメリットも存在します。
BIツールは使いこなせることで初めてその効果を実感できますが、使い方がわからないと導入する意味がありません。
ここではBIツールを導入する上での課題・デメリットについて触れます。
データの準備に膨大な時間と人手が必要
BIツールは、稼働前のデータ準備に膨大な時間と人手が必要です。
データの抜け漏れがあればデータの入力作業が必要ですし、各々のデータソースのフォーマットを整える作業も必要になるでしょう。
使いこなせるまでに時間がかかる
BIツールの管理者は、使いこなすまでさまざまな知識を習得する必要があります。
ツールの使い方はもちろん、統計の知識や見やすいビジュアルの配置方法、プログラミングなど、普段の業務ではあまり使わない知識が求められます。
一般社員は専門知識なしで扱えますが、それでも利用するためのトレーニングは必要になるでしょう。
BIツール導入のステップ
BIツールを導入する場合、BIツールで何をやりたいのかを明確にすることが重要です。
目的を明確にしないまま導入してしまうと、「結局何に使えばよいのかわからない」といったことになりかねません。
ここでは、企業がBIツール導入で行うべきステップについて解説します。
現在出力しているレポートの洗い出し
1つ目に、定期的に出力されているレポートを洗い出します。
現在も出力されているレポートは、多くの場合BIツールで置き換えが可能になるからです。
次の項目についてまとめておくとよいでしょう。
・データ項目
・データの参照元
・利用する部門
・レポートから判断すること
・出力の頻度
・作成にあたり困っていること
どのようなレポートがほしいかヒアリングする
2つ目にどのようなレポートがほしいかを、各部門の現場にヒアリングしてみましょう。
ただ、いきなり「どんなグラフがほしい?」と言われても、現場担当者はなかなか思いつかないかもしれません。
「どのようなことを知れたら、自身(または部門)の目標を効率的に達成できるのか?」という質問にし、ある程度期間を設けてじっくり考えてもらうといいでしょう。
共有する範囲
3つ目に出力されたレポートをどの範囲まで共有するのかも、確認しましょう。
なお全社でデータ活用の意識を向上するためには、公開範囲を限定しないほうがベターです。
BIツールを選定
1~3の要件をまとめ、BIツールのベンダーに相談しましょう。
・自社の要件を満たしているか
・管理者における使いやすさ
・管理者以外のユーザーにおける使いやすさ
・サポート体制
・予算
といったことを軸に、複数のBIツールを比較しましょう。
BIツール導入を成功させる3つの条件
BIツールを導入しても、結局うまくいかないケースがあります。
ここでは、BIツールの導入を成功させるための条件について解説します。
データを活用する文化が根付いていること
経営者から末端の社員まで、「データを活用して課題を見つけよう」という意識をもっていることが大切です。なぜならBIツールが活用される状況は、「データを活用したい」と思う社員がいてこそ成り立つからです。
自分の仕事だと思っていない人は、タスクが増えたと感じ、BIツールを積極的に活用しようとはしないでしょう。せっかくBIツールを導入しても、データを活用しようとする人がいなければ、BIツールは使われません。
内製すること
BIツールの導入は外注せず内製化し、自社の社員が活用できるようにしましょう。
なぜなら現場を知らない外注先にとっては、そのデータ項目がどのような意味をもつのかがわからないからです。
外部にお願いするのは、使い方のレクチャーまでにとどめておきましょう。
情報システム部門にリソースを投入すること
情報システム部門にリソースを投入することも大切です。
なぜならBIツールは稼働するまでに膨大な時間と作業が必要であり、単純に人手が必要になるからです。
またBIツールの導入は、多くの企業において「データを経営の軸」とする大きな方針転換となります。
情報システム部門は経営戦略に直接携わる重要な部門となるため、部門のトップには、経営戦略に携わる役員クラスの人材を据えるべきです。
まとめ
BIツールの導入は外注せず内製化し、自社の社員が活用できるようにしましょう。 なぜなら現場を知らない外注先にとっては、そのデータ項目がどのような意味をもつのかがわからないからです。 外部にお願いするのは、使い方のレクチャーまでにとどめておきましょう。
2023-9-20
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