
本記事では、RPAのしくみや導入するメリット、RPA化できる業務についてわかりやすく解説します。RPAが自社にとってどのように役立つのかがわかります。
INDEX
- 1.RPAとは
- 2.RPAと従来の自動化(VBA)との違い
- 2.1.プログラミングスキルの必要性
- 2.2.実行範囲
- 3.RPAのしくみ
- 3.1.操作を記録する
- 3.2.必要なタイミングでボットを呼び出す
- 4.RPA化に向いている業務
- 4.1.資料・レポート作成
- 4.2.データ入力
- 5.RPAが苦手な業務
- 5.1.判断や意思決定が必要な業務
- 5.2.画像や手書き書類に対する業務
- 6.RPAを導入するメリット
- 6.1.人的ミスを防げる
- 6.2.作業時間が短縮される
- 6.3.コンプライアンスが向上する
- 6.4.生産性が向上する
- 6.5.既存のシステムを変更する必要がない
- 6.6.プログラミング知識が不要
- 7.RPAのユースケース
- 8.RPAの導入状況
- 9.RPAにAIを統合する効果
- 9.1.RPAとAIの違い
- 9.2.RPA×AIの効果
- 10.RPAのクラス
- 10.1.RPA(Robotic Process Automation)
- 10.2.EPA(Enhanced Process Automation)
- 10.3.CA(Cognitive Automation)
- 11.RPAの将来
- 11.1.市場規模が拡大
- 11.2.高度な判断が必要な業務も自動化できるようになる
- 12.RPAを導入するときの注意点
- 12.1.自動化する業務を洗い出す
- 12.2.業務プロセスの変更やシステム更新のタイミングを把握する
- 12.3.セキュリティに配慮する
- 13.RPAと作業を分担して業務を効率化しよう
RPAとは
RPAとは、「Robotic Process Automation」の略語で、
人の操作を模倣して、パソコンで行っている事務作業を自動化できるソフトウェアロボット技術のことです。
人が日常的に行っているマウス操作やキーボード入力などの操作手順を記録し、それを高速で正確に実行することができます。
・決まった手順の定型業務
・繰り返しおこなうルーチンワーク
などの自動化が得意で、主にPC上でおこなう事務作業の分野で導入が進んでいます。
RPAの利用によって処理が自動化されることで、業務効率が向上し、人的リソースをより価値の高い業務に割り当てることができます。
顧客へより速く回答できるようになり、顧客体験の向上も見込めるでしょう。
企業の競争力を向上させる上で、RPAは欠かせないツールとなっています。
RPAと従来の自動化(VBA)との違い
VBAとは、簡易的なプログラミングを利用することで、Microsoft Office製品内において、複雑な処理を自動化できる機能です。
RPAもVBAも、プログラムを用いて業務プロセスを自動化するという点では同じです。
ですが以下の2つの点で異なります。

プログラミングスキルの必要性
VBAとは、Visual Basic for Applicationの略称で、Microsoft Office製品のプログラム言語です。VBAを利用するにはプログラミングの知識が必要であり、一般的な従業員にとって、活用するハードルは高いといえるでしょう。
一方RPAはプログラミング技術を必要とせず、ツールの使用方法さえ学習すれば、誰でも使用できます。
実行範囲
VBAが実行できる範囲は、Microsoft Office製品内に限定されます。
一方RPAはMicrosoft Office製品を含む複数のアプリケーションやシステム、Webサイトで実行できます。
RPAのしくみ
ここでは、RPAのしくみについて解説します。
操作を記録する
RPAを利用するときは、最初に作業の手順を一つひとつRPAツールに記録していきます。
部下に仕事をしてもらうため、どのような仕事を、どのような手順で行うのかを教えるイメージです。
たとえば、Webサイト上のテキストをExcelに転記する作業があるとしましょう。このとき、作業を一つひとつ順番にRPAツールに記録します。
・Webサイトにアクセス
・テキストの抽出場所を指定
・テキストをコピー
・出力するExcelファイルを指定
・セルの場所を指定
上記の作業を記録することで、まったく同じ手順で作業を行うRPAボットが完成します。
必要なタイミングでボットを呼び出す
一度ボットを作成すれば、あとは必要なタイミングでボットを呼び出すだけで、作業が自動で実行されます。結果を見れば、きちんと作業できたかどうかを確認できます。
これまで作業に当てていた時間を、別のことに利用できるようになるでしょう。

RPA化に向いている業務
RPAに向いている業務は、手順が決まっているルーチンワークです。
資料・レポート作成
複数のExcelファイルやWebサイトからデータを収集し、転記できます。
決まった形式のレポートを定期的に作成している場合に役立ちます。
データ入力
手作業で大量のデータを入力する作業がある場合、RPAで自動化できます。
たとえば、顧客からの受注データを発注システムに転記する作業を、RPAで自動化できます。
RPAを利用することで、入力ミスの削減や処理スピードの向上が図れるでしょう。

RPAが苦手な業務
判断や意思決定が必要な業務
RPAは決まった手順のある業務の自動化は得意ですが、判断や臨機応変な対応が求められる業務には対応できません。
画像や手書き書類に対する業務
特定の形式に基づいて整理されたデータは問題なく処理できますが、画像や手書き書類など、そのままでは処理が難しいデータの場合は自動処理が困難です。
これらの非構造化データを扱うには、OCR(文字認識)処理をかけたり、機械学習をかけたりすることによって画像を判断するなど、複数の技術を組み合わせる必要があるでしょう。
RPAを導入するメリット
人的ミスを防げる
人が作業するよりも正確なため、作業ミスによる手戻りの時間が削減されます。
またRPAは設定したルールに従って動くため、人的ミスは起きません。内容を逐一確認する手間が減るうえに、常に一定の業務品質を担保できます。
作業時間が短縮される
人が作業するよりも圧倒的にスピードアップします。
同じ業務内容をより少人数で行えるようになり、人材不足の問題を解消するでしょう。
手作業で一つひとつの業務をこなすよりも、RPAを使えば圧倒的にスピーディに処理できます。
コンプライアンスが向上する

行われた作業がすべて記録されるため、コンプライアンス向上に寄与します。
人手を介さないため、従業員による情報漏洩事故も防げます。
生産性が向上する
作業時間が短縮されることで、人間にしかできない創造性のある仕事に注力できるようになります。従業員は単純作業から開放され、モチベーションがアップするでしょう。
単純作業に割いていた時間を、戦略立案や分析などのコア業務にあてられます。これにより、一人あたりの生産性向上が期待できます。
既存のシステムを変更する必要がない
RPA導入の際にシステムを新しくしたり、改修したりする必要はありません。
既存システムのままRPAを導入できるため、導入コストは低いといえます。
プログラミング知識が不要
RPAは、プログラミング知識のない人でも利用できます。
ツールの操作方法さえ覚えれば一般社員の方でもボットを作成できるので、外注したりプログラミングがわかる人材を確保したりするコストは不要となるでしょう。
RPAのユースケース
すべての企業においてPC上のルーチンワークは存在しますが、その作業内容は企業によって大きく異なります。
そこで多くの企業で共通するルーチンワークを、部門別に以下の表にまとめました。

上記のタスクは、多くの企業でルーチン化されている作業でしょう。
RPA化する業務が思いつかない場合は、上記のタスクを参考にしてみてはいかがでしょうか。
RPAの導入状況
国内企業におけるRPAの利用状況を見ていきましょう。

出典:RPA国内利用動向調査 2021(2021年1月調査)-MM総研
ご覧のとおり、年商50億円以上の大企業においては、約4割が導入しています。
しかし一方で年商50億円未満の企業では、導入率が10%と低い状態です。
RPAにAIを統合する効果
近年では、RPAにAI(人工知能)を組み合わせることで、より高度なタスクの処理が行える製品も誕生しています。
ここでは、RPAとAIを組み合わせた場合の効果について解説します。
RPAとAIの違い
まず、RPAとAIの違いを見ていきましょう。

RPAは、シナリオに基づいてタスクを実行する、いわば手足のような存在です。
一方AIは、機械学習を通じて独自のルールを作成し、そのルールに基づいて入力されたデータを判断します。人間でいえば頭脳の部分といえるでしょう。
RPA×AIの効果
RPAにAIを組み合わせることで、一部に人の判断が必要だった領域のタスクについても、自動化できるようになります。
たとえば請求書を見て、必要な項目を基幹ソフトに入力していく作業があったとしましょう。
請求書は発行する会社によって様式が異なるため、RPAでは請求金額や契約IDを抽出できません。
ですがAIは、機械学習を行うことで、画像から「請求金額」と「契約ID」を抽出することが可能です。
画像から必要な項目をテキストに変換してRPAへ渡し、RPAは渡されたテキストを基幹ソフトに転記していきます。

このように作業の一部に人の判断が必要だったルーチン作業も、AIを組み合わせることで自動化できるようになります。
RPAのクラス
RPAは、自動化のレベルに応じて次の3つのクラスに分類できます。

参考:RPA(働き方改革:業務自動化による生産性向上)-総務省
RPA(Robotic Process Automation)
多くのRPAが対応しているクラスで、単純な作業を自動化するものです。
たとえば、以下のような業務を自動化します。
- ・システム間でのデータの転記作業
- ・請求書や注文書の自動作成
EPA(Enhanced Process Automation)
そのままでは利用できない形式のデータについて、自動化を実行するものです。
画像やテキスト、PDF文書などの形式化されていないデータを利用するために、加工処理が施されます。
対応する業務例は、次のとおりです。
- ・PDF文書を文字認識(OCR処理)し必要なデータを抽出する
- ・受信したメールの要約を自然言語処理で作成する
CA(Cognitive Automation)
通常では人間の判断が必要になる業務も自動化できるようになります。
このクラスでは、機械学習やAI、自然言語処理などの先端技術が使われます。
業務の例は、次のとおりです。
- ・画像認識による品質管理
- ・自然言語処理による音声データの解析
RPAの将来
市場規模が拡大
GRAND VIEW RESERACHによるとRPAの市場は拡大していくと予測されています。
RPAのグローバル市場は2022年に約23億ドルとなっており、2030年までに年平均39.9%の割合で成長していくでしょう。
高度な判断が必要な業務も自動化できるようになる
機械学習やOCR、分析機能などの最新テクノロジーがRPAに統合されることで、高度な判断が必要な業務についても自動化できるようになります。
RPAを適用できる業務が拡大することで、業務をよりいっそう効率化できるようになるでしょう。
RPAを導入するときの注意点
自動化する業務を洗い出す
業務プロセスを洗い出し、自動化する業務種類を明確にしておきましょう。
RPAの導入によって、どのような効果があるのかも算出しておくことが大切です。
業務プロセスの変更やシステム更新のタイミングを把握する
業務プロセスが変更になると、RPAで作成されたボットについても変更作業が必要になります。
システム更新の予定や業務プロセスが変更されるタイミングを把握しておきましょう。
ボットの変更作業する予定を事前に把握しておくことで、メンテナンスの管理が容易になります。
セキュリティに配慮する
認証が必要なシステムを利用する場合、ボットにパスワードなどの認証情報を記憶させる場合があります。ボットに設定した認証情報が流出しないよう、アクセス権の設定には十分配慮しましょう。
RPAと作業を分担して業務を効率化しよう
RPAの導入を検討する場合は、自社のルーチンワークを見直し、自動化できるタスクを選定するところから始めましょう。
もしすでに自動化したいタスクがある場合は、RPAツールのデモ版を試してみるのもおすすめです。


2023-5-31

2023-5-24
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