
クラウドSIMの仕組みについて詳しく解説します。
本記事を読むことで、クラウドSIMがどのような仕組みで提供されているのかがわかります。
INDEX
- 1.クラウドSIMとは
- 1.1.SIMカードを必要としない
- 1.2.割り当てられるキャリア回線は状況に応じて変更される
- 1.3.uCloudlink社が特許をもつ
- 2.クラウドSIMの特徴
- 2.1.1つの端末でマルチキャリアを利用できる
- 2.2.通信障害に強い
- 2.3.100ヶ国以上の海外で利用できる
- 3.クラウドSIM技術を構成するもの
- 3.1.SIMカード
- 3.2.SIMバンク
- 3.3.クラウドSIM対応端末
- 4.クラウドSIMの仕組み
- 4.1.クラウドSIM対応端末がサーバーへリクエストを送信
- 4.2.SIMバンクが適切なSIMデータを送付
- 4.3.SIMデータをもとにモバイル回線へ接続する
- 5.クラウドSIMのメリット
- 5.1.広いエリアを同じ端末で使える
- 5.2.キャリアの通信障害があっても接続し続けられる
- 5.3.キャリア回線よりも費用が安い
- 6.クラウドSIMのデメリット
- 6.1.完全無制限プランはない
- 6.2.通信速度はそこまで速くない
- 6.3.自分で回線を選べるわけではない
- 6.4.過去に通信トラブルがあったイメージがある
- 7.クラウドSIMのデメリット
- 7.1.安定した通信を求める人
- 7.2.さまざまな地域でデータ通信を利用したい人
- 7.3.海外へ頻繁に行く人
- 8.法人向けクラウドSIMならDoRACOON
- 8.1.運営がNTTグループだから信頼できる
- 8.2.通信端末のバリエーションが豊富
クラウドSIMとは
そもそもクラウド(クラウド・コンピューティング)とはなんでしょう。
「クラウド」とはインターネット経由で私たちにITリソースや、アプリケーションソフトウェアなどのサービスを提供してくれる形態のことです。

またSIMに入った情報と顧客情報がリンクされることで電話番号や通信の送受信が可能となっています。
そのクラウドとSIMの2つが組み合わさったものが、SIMカードを装着しない状態でモバイル回線へ接続できる技術を「クラウドSIM」と言います。
クラウドSIMに対応した端末は、モバイル回線に接続するための認証データを、クラウド上にあるサーバーから取得し、利用時に端末の電源を入れると利用が可能になります。
物理的なSIMカードを不要とし、電源を入れるだけでクラウドサーバー上のSIM情報を読み込みインターネットに接続できるため、大手キャリア回線を利用できる点が大きな特徴です。
SIMカードを必要としない
一般的な通信端末がモバイル回線に接続するためには、SIMカードを本体に装着する必要がありますがクラウドSIMの場合は、SIMカードを必要としません。
割り当てられるキャリア回線は状況に応じて変更される
サーバーから認証情報を取得するというと、eSIMを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
ですがクラウドSIMはeSIMとは異なり、端末に割り当てられ通信キャリアは自動で状況に応じて変更されます。
たとえば、あるときはA社回線につながり、あるときはB社回線につながります。
uCloudlink社が特許をもつ
クラウドSIMは、中国のuCloudlink社が特許を持つ技術です。
国内でクラウドSIMサービスを提供している事業者は、uCloudlink社から技術提供を受けています。
クラウドSIMの特徴
クラウドSIMの特徴を見ていきましょう。
1つの端末でマルチキャリアを利用できる

一般的に1つの通信端末は、契約した1つの通信キャリアにしかアクセスできません。
たとえば端末にA社のSIMカードが挿入されていれば、アクセスできるのはA社の回線だけです。
ですがマルチキャリア対応のクラウドSIMでは、1つの通信端末で複数キャリアの回線を利用できます。
通信障害に強い
キャリアの枠を超えて通信できるため、通信障害に強いことが特徴です。
たとえば1つのキャリアに障害があったときは、正常に通信できる別のキャリアに切り替えることができます。
1つのキャリアで通信障害があったときも、お仕事を止めることがなく安定した通信環境を利用できます。
100ヶ国以上の海外で利用できる
クラウドSIM対応端末は、100以上の国で利用できます。
海外でデータ通信するときの面倒な手続きは必要ありません。
現地に到着した後、通信端末の電源を入れ直すだけで、その場所で利用できるSIMが割り当てられます。
クラウドSIM技術を構成するもの
クラウドSIM通信で主要な役割を担うものは、主に次の3つです。

クラウドSIM技術における、それぞれの役割を見ていきましょう。
SIMカード
SIMカードとは、モバイル回線に接続するための認証情報が入った小さなチップです。
一般的にはスマートフォンやWi-Fiルーターに装着して使いますが、クラウドSIMの場合は「SIMバンク」に装着されます。
SIMバンク
SIMバンクとは、SIMカードを集中管理できる機器です。
クラウドSIM技術におけるSIMバンクはクラウド上にあり、クラウドSIM運営事業者によって管理されています。
SIMカードのデータ残量等を管理でき、「端末の要求に応じて、多数のSIMカードの中から適切なSIMカードを割り振る」機能を持っています。
クラウドSIM対応端末
クラウドSIM対応端末は、主に以下の3タイプがあります。
・モバイルルーター
・据え置きルーター
・スマートフォン
SIMバンクから送られてくるSIMデータをもとに仮想のSIMを作成し、そのSIMをもとにモバイル回線へアクセスします。
クラウドSIMの仕組み
クラウドSIMでモバイル回線へ接続する流れは、次の3ステップです。
STEP1.クラウドSIM対応端末がサーバーへリクエストを送信

クラウドSIM対応端末に電源が入ると、端末はクラウド上のサーバーと接続します。
サーバーに対し、SIMデータのリクエストを送信します。
STEP2.SIMバンクが適切なSIMデータを送付
SIMバンクが端末のリクエストを確認すると、SIMバンクの中にある複数のSIMカードの中から、当該端末に最適なSIMを選択します。
選択されたSIMカードの認証情報が、端末に送られます。
STEP3.SIMデータをもとにモバイル回線へ接続する
端末はサーバーから送られてきた認証情報を受け取り、端末内で仮想的なSIMを生成します。生成されたSIMを使い、そのSIMの発行元であるキャリアのモバイル回線へ接続します。
クラウドSIMのメリット
クラウドSIMのメリットを見ていきましょう。
広いエリアを同じ端末で使える
通信キャリアの壁を超えて利用できるので、広いエリアで通信が可能です。
日本全国はもちろん、海外でも利用可能となっています。
キャリアの通信障害があっても接続し続けられる
通信障害があっても、データ通信を利用し続けられます。
1つのキャリアで通信障害があった場合は、他のキャリアの回線へ切り替えられ、通信を継続できます。
キャリア回線よりも費用が安い
キャリア回線を使ったデータ通信料金よりも、クラウドSIMのほうが安く利用できます。
大手キャリア回線のデータ通信料金は月約4,000円~程とプラン料金は高めですが、個人用のクラウドSIMは月2,000円~程度から利用できます。
しかし、月間データ量や契約期間などの条件、サービス提供会社によってプラン料金は異なります。

クラウドSIMのデメリット
クラウドSIMのデメリットについても触れていきます。
完全無制限プランはない
登場当初は「データ容量無制限」のプランが基本でしたが利用するユーザーが想定より多かったことやテレワークの普及により利用者が急増、通信障害が起こったことで無制限プランはなくなりました。
通信速度はそこまで速くない
システム上は通信速度が速い電波を優先して拾うよう作られていますが、クラウドSIM内蔵の通信端末は、一般的なモバイルルーターに比べると最大通信速度が速いとはいえません。
必ず最速の電波に接続してくれるというわけではなく、通信速度の遅い3G回線に接続されるとも少なくありません。
たとえば「DuoTurbo」という端末では、最大通信速度が150Mbpsとなっています。
最新機種の通信速度は1.2Gbpsですので、差はありますが、150Mbpsでも動画やSNSは十分利用可能です。
自分で回線を選べるわけではない
クラウドSIMのキャリア回線は自動で割り振られるため、自分で選ぶことはできません。
利用する場所に応じて接続するキャリア回線を自動で切り替えるためA社回線を使いたいと思っても、仕組み上選択できないようになっています。
通信速度が低下した場合は再起動をして電波の最適化をする必要があります。
過去に通信トラブルがあったイメージがある
2020年にクラウドSIMの一部の業者において、接続しづらくなる現象が発生し、クラウドSIMに良い印象を持たない方が増えました。
原因は、一部のキャリアが当該運営事業者に対し、SIMカードの供給をストップしたこと。
ユーザーに十分なデータ容量が供給されなくなり、通信制限が発生しました。
ただこのトラブルは、運営事業者の取引上の問題が引き起こしたものです。
クラウドSIM自体に問題があるわけではありません。
クラウドSIMがおすすめの人
クラウドSIMはどのような方に向いているのかを見ていきましょう。
安定した通信を求める人
クラウドSIMは、キャリアに通信障害があっても、他のキャリア回線に切り替えてデータ通信を維持できます。安定した通信環境を求める方に向いているといえるでしょう。
さまざまな地域でデータ通信を利用したい人
さまざまなエリアでデータ通信を利用する方に向いています。
1キャリアの電波しか届かないような山間部であっても、お仕事を止めません。
海外へ頻繁に行く人

海外へ頻繁に行く方にもおすすめです。
端末の場所に応じて、100ヶ国以上の通信キャリア回線が自動で割り振られるからです。
現地のSIMカードを購入したり、海外用のモバイルルーターを準備したりする手間がかかりません。
法人向けクラウドSIMならDoRACOON
NTTグループが提供する「DoRACOON」は、法人専用のクラウドSIMサービスです。
ここでは、DoRACOONが法人におすすめの理由について解説します。
運営がNTTグループだから信頼できる
DoRACOONはNTTグループが運営しているので、信頼性が高く安心して利用できます。また、最低利用期間・違約金がないのも特徴です。
通信端末のバリエーションが豊富
DoRACOONは、他のクラウドSIM事業者に比べて取り扱い端末が豊富です。
同時接続台数やLANポート搭載有無等から端末を選択できるので、業務に適した端末を選べるメリットがあります。
まとめ
クラウドSIMは、1つの端末でさまざまなキャリア回線を利用できる通信端末です。 通信障害時も通信が止まらず広いエリアで接続できる点は、一般的なWi-Fiルーターにはないメリットといえるでしょう。

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