
オリジナルコンテンツを生成できる「生成AI」が注目を集めています。本記事では、生成AIの仕組みやメリット・デメリット、そしてビジネス活用法について、わかりやすく解説します。
INDEX
- 1.生成AIとは?
- 1.1.生成AIが注目されたきっかけ
- 1.2.これまでのAIとの違い
- 2.代表的な生成AIサービス
- 2.1.ChatGPT
- 2.2.Gemini
- 2.3.Copilot(旧Bing Chat)
- 3.生成AIのしくみ
- 3.1.ディープラーニング
- 3.1.1.言語モデルの場合
- 3.2.モデル
- 4.生成AIの背景にある技術(文章生成AI編)
- 4.1.トランスフォーマーモデル
- 4.2.大規模言語モデル
- 4.3.言語モデル
- 5.生成AIの背景にある技術(画像生成AI編)
- 5.1.敵対的生成ネットワーク(GAN)
- 5.2.拡散モデル
- 6.生成AIのメリット
- 6.1.作業時間の短縮
- 6.2.質の向上
- 6.3.クリエイティビティの拡大
- 6.4.ビジネスでの活用
- 7.生成AIのデメリット
- 7.1.情報の正確性(ハルシネーションが発生する)
- 7.2.著作権
- 7.3.犯罪への悪用
- 7.4.情報漏洩リスクが高まる
- 7.5.指示を与えるのが難しい
- 8.生成AIの導入パターン
- 8.1.自社用の生成AIを開発
- 8.2.生成AIが搭載されている業務アプリを利用
- 8.3.コンシューマー向け生成AIの利用
- 9.生成AIのビジネス応用例
- 9.1.書類作成
- 9.2.プログラムコードの作成
- 9.3.アイディアの創出
- 9.4.資料を要約してもらう
生成AIとは?
生成AIとは、「Generative AI:ジェネレーティブAI」とも呼ばれ、ユーザーの指示に従って、オリジナルコンテンツを生成できる人工知能(AI)です。従来のAIが決められた行為の自動化が目的であるのに対し、生成AIはデータのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成することを目的としています。
既存の膨大なデータから学習し、その学習を基にして新たなコンテンツを創出する能力に優れており、自然言語処理、画像生成、音声合成などの分野でここ数年で急速に発展しています。
生成AIが生み出せるコンテンツには、以下のようなものがあります。
- ・文章
- ・画像・動画
- ・音声・音楽
- ・プログラムコード
生成AIが注目されたきっかけ
生成AIブームの火付け役となったのは、2022年11月に公開された米OpenAIによる対話型AI「Chat GPT」です。
それ以前にも文章を作成できるAIは存在していましたが、Chat GPTは以下の点でそれまでのAIよりも圧倒的に上回っており、大きな注目を集めました。
- ・プログラマーではない一般の人でもかんたんに利用できるインターフェイス
- ・ユーザーとの間で本格的な会話が成立する高度な言語処理能力
これまでのAIとの違い
AI技術において、生成AIが登場以前は、「識別系AI」という概念が主流でした。
事前に答えを学習させておくことで、新たな情報が入力された際に、それが正しいかどうか判断するタイプが識別系AIです。
従来の識別系AIと生成AIの違いは次のとおりです。
生成AIと識別系AIの大きな違いは、創造が可能かどうかです。
識別系AIは、データを使った学習を通じてパターンを習得し、そのパターンに基づいた判断や予測を行います。たとえば、以下のような用途に使われます。
- ・製品ラインのカメラ画像から不良品を検出する
- ・需要を予測し在庫を最適化する
- ・ユーザーの購買履歴を分析しておすすめ商品を提示する
- ・特定の人物のみを識別して通過を許可する


生成AIも識別系AIと同様に、学習を通じてパターンを習得しますが、そのパターンを使ってコンテンツを作成します。生成AIが利用される主なシーンは次のとおりです。
- ・文章を要約する
- ・テーマを与えてアイディアを出してもらう
- ・画像や動画を生成する
代表的な生成AIサービス
ここでは、代表的な文章生成AIサービスを紹介します。
それぞれのサービスについて、詳しく見ていきましょう。
ChatGPT
ChatGPTは米OpenAIによる対話型AIで、2022年11月に公開されました。OpenAIが開発した大規模言語モデル「GPT」をベースとしており、2024年5月に公開された最新版の「GPT-4o(オムニ)」を利用できます。
オフィス文書、PDF、画像ファイル、テキストファイルに対応しています。有料プランでは、GPT-4oの出力制限が緩和され、画像生成機能も提供されます。
Gemini
Geminiは、2023年11月にGoogleによって公開された対話型AIです。画像や音声、動画などの複数のファイル形式の入力に対応しています。
YouTubeやGoogleマップと連携し、文章での細やかな検索に対応しています。有料版では、最新版言語モデルの利用に加え、Gmailの要約やGoogleドキュメントの文書生成が利用できます。
Copilot(旧Bing Chat)
Copilotは、マイクロソフトが提供する対話型AIで、ベースはOpenAI社の大規模言語モデル「GPT」です。オフィス文書やPDF、画像、音声ファイルなどの入力が可能です。
Web検索の「Bing」と連動し、回答に情報源のURLを表示することが特徴です。また、画像生成機能も搭載されています。
有料プランまたはMicrosoft 365のビジネス版を利用している場合、各アプリから生成AIの機能を利用できます。
生成AIのしくみ
ここでは、生成AIのしくみについてかんたんに説明します。
ディープラーニング

ディープラーニングとは、ディープニューラルネットワーク内にある人工ニューロンに対し、適切な「重み」と「しきい値」を設定するための学習方法です。
問題と正解がセットになったデータを学習データとして使用し、学習を大量に繰り返します。学習を通じて、出力された結果と正解の誤差が小さくなるように、「重み」と「しきい値」が自動的に調整されます。
言語モデルの場合
言語モデルで使われる学習データは、文章の穴埋め問題です。
例えば、「今日はとても暑いので、私は( )に行きます。」といった問題です。
類似の問題を大量に解くことで、言語モデルは文脈や文法を理解し、適切な単語やフレーズを生成できるようになります。
モデル

ディープラーニングを実行することで作成されるのが「モデル」です。モデルにデータを入力すると、内部で複雑な処理が実行され、結果データが出力されます。
文章生成AIでは、ユーザーが入力したプロンプトに対し、次に生成すべき単語の確率が出力され、その確率を基に文章が生成されます。
画像生成AIでは、除去すべきノイズ値が出力され、そのノイズ値を基に画像が生成されます。
生成AIの背景にある技術(文章生成AI編)
文章生成AIを発展させた技術について解説します。
トランスフォーマーモデル
従来の言語モデルでは、文章を作る際に単語を頭から順に処理していたため、離れた場所にある単語同士の関係性をうまく考慮できませんでした。
しかし、2017年に発表されたトランスフォマーモデルは「自己注意機構」を用いることで、距離が離れている単語間の関係性を捉えることができます。
トランスフォーマーモデルによって、単語同士の関係性を捉え、文脈に合った自然な文章を生成できるようになり、文章生成AIの性能が飛躍的に向上しました。
大規模言語モデル
大規模言語モデルは、トランスフォーマーを使用した言語モデルのなかでも、特にモデルの規模が大きいものを指します。以下の要素を大幅に増加させることで、言語モデルの精度が飛躍的に向上しました。
- ・モデルをトレーニングするための学習データ量
- ・モデルのパラメーター数(AIが調整できる項目数)
- ・計算量(訓練するための計算資源)
大規模言語モデルの先駆けとなったのは、米OpenAIが2018年に公開したGPT-1です。その後、バージョンが更新されるにつれて、モデルの規模はますます大きくなり、精度も向上しています。
言語モデル
言語モデルとは、テキストデータを学習して、次にどんな言葉がくるのかを予測するモデルです。言語モデルは、入力された文章の文脈に基づいて、次に出現する言葉の確率を計算します(予測変換機能など)。
たとえば、「むかしむかし、」というフレーズの後には、出現する確率が高い「あるところに」が続きます。
生成AIの背景にある技術(画像生成AI編)
画像生成分野では、以下2つの技術が生成AIの進化に大きく影響を与えました。
敵対的生成ネットワーク(GAN)
敵対的生成ネットワーク(GAN)とは、2つの役割をもつニュートラルネットワークを対戦トレーニングするようにしてその中から本物に近いデータを学習させるしくみです。
ジェネレーターとディスクリミネーターが対戦を繰り返すことで、それぞれのニュートラルネットワークの精度が向上します。最終的には、ジェネレーターが本物と見分けがつかないほどの高品質な画像を生成できるようになります。
GANによって、画像生成AIは驚くほどリアルな画像を生成する能力を持つようになりました。
拡散モデル
拡散モデルは、「ノイズまみれの画像から徐々にノイズを除去していくことで、生成したい画像に近づけていく」モデルです。このモデルは、画像にどのようなノイズが乗っているかを予測し、画像からノイズを取り除くプロセスを繰り返します。
ノイズまみれの画像からユーザーが入力した条件に基づいてノイズ除去を繰り返し、指定された画像に仕上げていきます(画像加工など)。
拡散モデルは、GANに比べて高精細な画像を生成しやすいというメリットがあり、近年の画像生成AIに標準的に使われるようになりました。
生成AIのメリット
生成AIを利用するメリットを解説します。
作業時間の短縮

生成AIは、労働集約的なタスクを効率化します。たとえば、要点を伝えるだけで、レポート作成や文章要約、指定の様式に従って日報や報告書のまとめ、さらに複数の生成AIを活用することで提案書のパワーポイントも作成してくれます。
これにより、従業員はより価値の高い仕事に時間を割くことができるようになります。
質の向上
生成AIは、質の向上にも役立ちます。たとえば、「この文章に対して意見をください」とAIに入力し、AIが出力する意見を取り入れることで、文章の質を向上させることができます。生成AIは文法のチェックも得意なため、文章をより読みやすく仕上げることが可能です。
また、生成AIはテーマを与えることで複数のアイディアを瞬時に出力します。企画を考える際に「他にどんな視点がありますか?」と質問することで、多角的な視点からのアイディアを得ることができ、これまで考えつかなかったような斬新なアイディアを見つけることができます。
クリエイティビティの拡大
新たなテキスト、画像、音声などを自動生成できるため、アートやエンターテインメントの表現の可能性を広げます。
ビジネスでの活用
広告素材やゲームのビジュアル制作、プロモーション、eラーニングコンテンツ制作など、ビジネス分野でも活用されています。

生成AIのデメリット
非常に便利な生成AIですが、さまざまなデメリットもあります。
情報の正確性(ハルシネーションが発生する)
生成AIは、誤情報も含まれるWEBの膨大な情報からも学習しています。そのため、あたかも整合性の取れた情報を、誤りがあるとも知らずに生成してしまうことがあるため、正確で信頼性のある情報を得る必要がある場面では、生成AIを使用しないほうがよいでしょう。
もし使用する場合は、出力された情報が正確であるかどうかを必ずチェックしましょう。
著作権
日本では、著作権法上、情報解析や情報処理のために著作物を利用できるとされています。このため、AIの学習データの中に他人の著作物が含まれていても、直ちに問題になることはありません。
しかし、生成AIで作成されたコンテンツが他人の著作物と類似しており、それを商用利用した場合、著作権を侵害するおそれがあります。とくに、利用者が「〇〇風」などプロンプトを入力し、既存の著作物を基にコンテンツ生成した場合、「依拠性(既存の著作物を基にしたかどうか)」が認められやすくなります。
利用者がその著作物を知らず、特定のプロンプトを入力していない場合でも、出力されたコンテンツが他人の著作物と類似している場合は、商用利用することは避けたほうがよいでしょう。
犯罪への悪用

生成AIの技術が悪意のある目的で使用される懸念があります。
生成AIでは、技術的に詳しくない一般の人でもかんたんにプログラミングコードを生成できるため、悪意のあるマルウェアを作成する人が出てくる可能性があります。
また、生成AIは、実際には存在しない映像や音声を作り出す「ディープフェイク」も提供します。これが詐欺行為に使われる懸念もあります。
たとえば、有名人になりすまして信用を得ることで詐欺を行ったり、企業の重役になりすまして銀行口座への送金を指示したりすることが考えられます。
情報漏洩リスクが高まる
サービスを利用する際に、企業の機密情報を入力してしまうとその情報が学習データとして再利用される可能性もあります。結果、第三者がサービスを利用した際に、自社の情報が出力結果に現れることも考えられます。
顧客や従業員の個人情報だけでなく、入力データにも注意が必要です。
指示を与えるのが難しい
人間が行う指示の意図やニュアンスを完全に理解できるわけではありません。ニュアンスをくみ取れないため指示の仕方によっては、意図しないコンテンツが生成される場合があります。
そのため適切な指示を与えるためには指示パターンを理解する必要があります。
しかし2024年7月現在、有志の方たちが無料でプロントを公開しているサイトが複数ありその中から出したい指示に合うプロントを入力すれば誰でも質の高い生成が可能になります。
生成AIの導入パターン
企業が生成AIをビジネスに取り入れるパターンは、次の3種類があります。
自社用の生成AIを開発
1つ目は、ベンダーやプラットフォーマーが提供する生成AIサービスを利用して、自社専用の生成AIアプリを開発する方法です。社内向けのマニュアルや書類を学習させることで、自社だけがもつ知識データを活用した生成AIを構築できます。
たとえば、チャットボットが顧客からの問い合わせに対応したり、定型業務のレポートを自動で作成したりすることが可能です。
生成AIが搭載されている業務アプリを利用
2つ目は、生成AIが搭載されているアプリケーションを利用する方法です。一部の業務アプリにはすでに生成AIが組み込まれており、それを利用することで生成AIの機能を活用できます。
たとえば、生成AI搭載のCRMを利用してトレンドやインサイトを抽出したり、オフィスソフトで対話しながら要点をまとめたりすることができます。
コンシューマー向け生成AIの利用
3つ目は、コンシューマー向けの生成AIを活用する方法です。初期投資を抑えながら、生成AIをすぐに利用できるメリットがあります。
たとえば、画像生成AIを使ってウェブサイトやSNS用のビジュアルコンテンツを作成したり、マーケティングチームがコピー案を作成したりすることが考えられます。
ただし、セキュリティの懸念があるため、機密情報の入力は避けるべきです。
生成AIのビジネス応用例
ここでは、生成AIを実際の業務に活用する例を見ていきます。
書類作成
生成AIは、ビジネスメールや報告書などの書類作成に利用できます。テーマを与えるだけで自然な文章を瞬時に作成できるため、作業時間を大幅に短縮できます。
プログラムコードの作成
生成AIは、文章だけでなくプログラムコードの作成にも適しています。手順や行いたいことを伝えて「プログラムコードを書いて」と入力するだけで、コードが瞬時に出力されます。反復作業の自動化などに便利です。
アイディアの創出
生成AIは、テーマや条件を入力して「アイディアを2~3個挙げて」と指示するだけで、アイディアを提案してくれます。また、自分のアイディアに対する意見を聞くことで、アイディアを補強することも可能です。
資料を要約してもらう
大量の資料を読み込む必要がある場合、生成AIに要約を依頼すると便利です。資料を添付して「要点を3つにまとめて」と指示すれば、端的にまとめてくれます。情報収集にかかる時間を大幅に短縮できます。
録音アプリと上手く併用することで会議の議事録も簡単にまとめられます。
まとめ
生成AIは、文章や画像、音声、プログラムコードなどのコンテンツを生成する技術で、対話型AI「ChatGPT」によって特に注目を集めました。扱うには正確性や著作権に注意する必要がありますが指示プロントなどを活用したりすることでビジネスにおいても、作業効率の向上や新しいアイディアの創出に役立てましょう。
※記載している内容は、掲載日時点のものです
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2025-11-13
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