
RPAを、より広範な業務プロセスに適用させることをハイパーオートメーションといい、ハイパーオートメーションを取り入れることで、競合他社に圧倒的な差をつけられます。
本記事では、ハイパーオートメーションの概要やメリット、RPAとの違いについてわかりやすく解説します。
INDEX
- 1.ハイパーオートメーションとは
- 2.ハイパーオートメーションを構成する技術
- 2.1.BPM/iBPM(ビジネスプロセス管理)
- 2.2.プロセスマイニング
- 2.3.ケースマネジメント
- 2.4.ローコード開発ツール
- 2.5.RPA
- 2.6.AI(人工知能)
- 2.7.ML(機械学習)
- 2.8.自然言語処理
- 3.ハイパーオートメーションとRPAの違い
- 3.1ビジネスプロセスの最初から最後までを自動化する
- 3.2.人間の判断が必要なプロセスも自動化できる
- 3.3.複数の技術を組合せて実現する
- 4.ハイパーオートメーションのメリット
- 4.1.プロセス全体を可視化できる
- 4.2.手作業によるミス・不正の撲滅
- 4.3.作業のスピードアップ
- 4.4.生産性の向上
- 5.ハイパーオートメーションの導入ステップ
- 5.1.目標を明確にする
- 5.2.推進チームを結成する
- 5.3.全社のビジネスプロセスを洗い出す
- 5.4.ツールを選定する
ハイパーオートメーションとは
ハイパーオートメーションとは、機械学習やAIなど、さまざまな技術や自動化ツールを組み合わせて活用し、複数の業務を連動させて自動化することです。
たとえば、
・見積依頼の受領/送付(営業部門)→発注依頼の受領・発注(購買部門)→請求書送付・入金確認(総務部門)
といった、複数の部門にまたがる一連の業務プロセスを自動化します。
RPAとさまざまな先進技術を複合的に活用することで、より広範なプロセスを自動化できるようになりました。
ハイパーオートメーションを構成する技術
ハイパーオートメーションは、さまざまな技術を融合することによって実現するシステムです。
ここでは、ハイパーオートメーションに利用される技術と、その内容を説明します。
BPM/iBPM(ビジネスプロセス管理)
BPMとは、すべての業務フローを把握し、改善するためのツールです。BPMを利用することで、業務フロー内のボトルネックとなっている箇所を特定でき、プロセスそのものを見直せます。

プロセスマイニング
プロセスマイニングは、ITシステムのイベントログから業務プロセスを把握するための技術です。
BPMを支援する技術であり、正確な作業時間を抽出し分析できるようになります。
ケースマネジメント
ケースマネジメントは、例外的な処理や非定型業務を管理する技術であり、BPMと連携するものです。
ケースマネジメントを利用することで、例外的な事象が発生したときであっても、柔軟に対応できます。
ローコード開発ツール
業務ソフトと業務ソフトの間を橋渡しするプログラムは存在しないため、多くの場合、開発が必要になります。
ローコード開発ツールは、コードをほとんど記述せずにプログラムを作成できる技術でプログラミング言語を習得していない一般の方でもアプリ開発が行えます。
アプリケーションの開発・実装までを迅速に行えるようになるでしょう。
RPA
RPAは、明確なルールがある反復的な作業を自動化するためのツールです。
手動で行う作業をソフトウェアボットに記憶させ、作業を再現させることで自動化します。
AI(人工知能)
AIは、人間の脳を模倣する技術です。
AIを利用することで、コンピュータがこれまで認識できなかった形式のデータも認識できるようになりました。

たとえば、
・電子メール
・音声
・画像データ
・動画
・SNSのコメント
などです。
上記の情報をコンピュータが理解できる形式に変換したり、習得した知識に基づいて判断したりします。
ML(機械学習)
MLとは、膨大なデータを使用して「機械」が学習することで、データの背後にある共通するルールやパターンを発見することです。MLはAIを支援するための技術です。
自然言語処理
自然言語処理とは、日常的に使われる話し言葉を、コンピュータが正しく認識したり出力したりするための技術です。
SNSやメール、音声などから話し手の意図を読み解くことが可能になります。
自然言語処理技術が発展することによって、AIの言語認識能力は大きく向上しました。
ハイパーオートメーションとRPAの違い
オートメーション(自動化)というと、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ハイパーオートメーションとRPAは、次の点で大きく異なります。
<ハイパーオートメーションとRPAの違い>

ビジネスプロセスの最初から最後までを自動化する
ハイパーオートメーションは業務全体を自動化することをさし、データを収集し、取捨選択して分析し、その結果をまとめる業務の自動化を、複数のツールや技術を組み合わせて使用し業務フローの「最初から最後まで」を自動化させる取り組みです。
RPAは主にコンピューター上の定型的な操作・作業を、自動化ツールが行ってくれるもので、業務フローのうち「手作業で行われている反復的な作業」のみを自動化させるものです。
ハイパーオートメーションではプロセス全体を見ますが、RPAは局所的なプロセスのみに焦点を当てています。
人間の判断が必要なプロセスも自動化できる
ハイパーオートメーションでは、これまでのRPAでは実現できなかった、人間の判断が必要なプロセスも自動化できます。
AIを連携させることで、電子メールや画像、音声、動画といった「非構造化データ」を処理できるようになります。
複数の技術を組合せて実現する
ハイパーオートメーションは、RPAと複数の技術を融合して実現します。
RPAは、ハイパーオートメーションに比べると、含まれている技術は少ないといえるでしょう
ただRPAツールも進化しており、AIやローコード開発ツールなど、ハイパーオートメーションに求められる技術を併せ持つRPAツールも存在します。

ハイパーオートメーションのメリット
ハイパーオートメーションを利用するメリットについて解説します。
プロセス全体を可視化できる
ビジネスプロセスの最初から最後までの工程が可視化されます。
プロセスを見直すことができ、無駄なプロセスを削減できるでしょう。
手作業によるミス・不正の撲滅
工程のほとんどがソフトウェアによって自動実行されるため、手作業による人為的なミスがなくなります。
オートメーション化されたプロセスはすべて記録が残されるため、不正も撲滅できます。
作業のスピードアップ
プロセスのほとんどを自動化することにより、一連の工程にかかる時間が短縮されます。
また24時間365日稼働し、スピードが速く、操作ミスがないため顧客の要望へ素早く対応できるようになり、顧客満足度がアップするでしょう。
業務効率の大幅な向上が狙えます。
生産性の向上
業務をより少ない人数で行えるようになります。
以前まで人間の手が必要だった事務的業務をハイパーオートメーションが肩代わりするようになればアイディアの創出など、人間にしかできない生産的な仕事に人材を充てられるでしょう。
レポートするビッグデータなどをもとに分析結果から、経営判断や新たなビジネスアイデアに結びつける流れも可能になるでしょう。
ハイパーオートメーションの導入ステップ
ハイパーオートメーションを導入するための手順を見ていきましょう。
目標を明確にする
最初に、ツールの導入によって実現したいことを明確に定義しましょう。
たとえば、利益率の向上や顧客への新しい体験の提供、新製品開発力の向上などです。
目標を明確に定義することで、ハイパーオートメーションで実現したい具体的な価値が定まります。

推進チームを結成する
ハイパーオートメーションでは、複数の部門にまたがる業務プロセスを自動化します。
それぞれの部門において調整が必要となるため、各部門の人員から構成される推進チームを作る必要があるでしょう。
全社のビジネスプロセスを洗い出す
それぞれの部門ごとに、手作業で行っている作業を洗い出し、部門間でどのように情報がリレーしているのかを把握します。
例外的な処理や利用している情報システムの種類、作業にかかっている時間についても、書き出しておきましょう。
ツールを選定する
書き出した業務プロセスを元に、ツールを選定します。
書き出したプロセスのうち、優先順位の高いものをシステムベンダーに伝え、適切なツールを選定してもらうとよいでしょう。
まとめ
米ガートナー社は、ハイパーオートメーションを、オプションではなく企業が生存するために必要なツールと位置づけています。 ハイパーオートメーションによる自動化を実現できれば、企業の業務効率化を飛躍的に進めることができるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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