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GIGAスクール構想第2期における取り組みと展望をわかりやすく解説

2024-8-29

GIGAスクール構想は、教育のデジタル化を推進するための政府のプロジェクトです。

 

2019年12月に始まったこの構想は、まもなく5年目を迎えます。

 

本記事では、GIGAスクール構想の概要と第2期の取り組みについてわかりやすく解説します。

GIGAスクール構想の概要

GIGAスクール構想とは、2019年12月に学校におけるICT技術の活用を促進するための政府の取り組みです。このプロジェクトでは、日本全国でクラウドの活用を前提とした児童生徒への1人1台端末と高速通信ネットワークの整備・利活用し多様な子どもたち全員に対し、個別最適化された学びを持続的に提供することをめざしています。

GIGAスクール構想第1期の取り組み

GIGAスクール構想の第1期では、小中学校の児童生徒一人一人に対しタブレット端末が配布され、校内のインターネット接続環境が整備されました。これにより、デジタル教材の活用やオンライン学習が可能となり、双方向的な学びの実現や教育の質の向上が図られました。

GIGAスクール構想第2期とは

GIGAスクール構想の第2期は、第1期で導入した端末の更新に加え、第1期で発覚した問題点の対応や高速大容量の通信ネットワークの整備をさらに発展させるフェーズのことです。

 

GIGAスクール構想第2期では、ICT技術のさらなる活用やより高度な教育コンテンツの導入が期待されています。

GIGAスクール構想第2期の取り組み

GIGAスクール構想第2期で行われる主な取り組みについて解説します。

次世代の校務デジタル化

さまざまな校務に関する事務処理機能が統合された「統合型校務支援システム」は86.8%(2023年3月時点※1)の学校で導入されていますが、以下のような問題が存在します。

  • ・システムがインターネットに接続されていないため、自宅や出張先、災害時に利用が困難
  • ・学習系、教育行政系、福祉系のデータと連携できない
  • ・自治体ごとにシステムが異なるため、転校や進学時の引き継ぎが困難であり、教職員が人事異動した際は使用方法を習得し直す必要があるなど負担が大きい

 

出典:次世代の校務デジタル化推進実証事業(令和6年度実施):文部科学省 (mext.go.jp)

 

また、校務の中でも、教職員と保護者、児童生徒間の連絡においては、デジタル化が進んでおらず依然として紙や電話でのやりとりが主流です。

 

<校務のデジタル化率(全国平均)>

 

出典:校務DXの取組に関するダッシュボード|デジタル庁 (digital.go.jp)

 

表のように一部業務でDX化は進んではいるもののネットワーク構築などの問題があり、まだまだ進んでいません。

 

この問題を解決するために、以下のような取り組みが必要です。

 

  • ・クラウド型校務システムの導入
  • ・セキュアなネットワーク環境の構築

 

インターネット経由で利用できるクラウド型システムに切り替えることで、場所にとらわれずにアクセスできるようになります。保護者や児童生徒への連絡にも利用可能であり、連絡作業の事務負担を軽減することができるでしょう。

 

ただし、第三者がアクセスできないよう、個人情報の漏洩を防ぐための強固なセキュリティ対策の導入が必須です。

 

また、異なるシステム間でデータの連携を容易にするには、アプリ開発業者によるデータの標準化が求められます。

 

上記の取り組みによるネットワーク環境の見直しやセキュリティ対策の強化によって、校務支援システムの利便性を高めることが可能です。

 

教職員の働き方改革という視点においても、校務のデジタル化の推進は重要になります。

 

(※1)参考:次世代の校務デジタル化推進実証事業(令和6年度実施):文部科学省 (mext.go.jp)

デジタル教科書の本格導入

2024年4月より、小学校5年生から中学3年生を対象に、英語の学習用デジタル教科書が無償で提供され始めました。

 

これまでも、紙の教科書と併用してデジタル教科書を利用することは可能でしたが、主に主体的・対話的で深い学びを行う授業や、特別な配慮を必要とする児童生徒の学習上の困難を低減する目的に限られており、その費用は学校や自治体が負担していました。

デジタル教科書の本格的な導入により、すべての児童生徒がデジタル教科書の利点を享受できるようになりました。

 

  • ・文字の拡大や音声読み上げ機能の利用
  • ・動画や双方向的なコンテンツの利用
  • ・検索が簡単にできる

 

2024年8月時点では、無償化の対象は英語の教科書に限られていますが、今後、段階的に「算数・数学」のデジタル教科書も無償化される予定です。

先端技術の利活用の検証

学校現場において先端技術を活用する実証実験が行われます。実証実験を通じて、学校が抱える教育課題の解決をめざします。

 

検証される最先端技術の例は、次のとおりです。

 

  • ・画像認識
  • ・音声認識
  • ・メタバース
  • ・AR(拡張現実)
  • ・VR(仮想現実)
  • ・生成AI

 

参考:令和6年度予算のポイント (mext.go.jp) P.13

MEXCBT(メクビット)の活用促進

MEXCBT(メクビット)は、文部科学省が提供する公的CBTシステムで、オンライン上で学習や試験を行えるプラットフォームです。

 

現時点でほぼすべての小・中学校がMEXCBTに登録しており、GIGAスクール構想第2期においては、内容のさらなる充実や活用の推進が図られる予定です。

 

2024年4月に実施された全国学力・学習状況調査では、「児童生徒質問調査」にMEXCBTが活用されました。

2025年度以降は、MEXCBTの活用範囲がさらに拡大される予定です。

 

  • ・2025年度:中学校の理科の学力調査をMEXCBTで実施予定
  • ・2026年度以降:MEXCBTを利用した学力検査の対象教科を中学校で拡大予定

 

参考:令和7年度以降の全国学力・学習状況調査(悉皆調査)のCBTでの実施について (mext.go.jp) P.2

学習用端末の更新

1人1台端末の利活用が進む中で、端末の故障や4~5年程度とされているバッテリーの耐用年数が問題となり、端末の計画的な更新が求められています。

文部科学省による補助事業と補助金について

文部科学省は、当初2024年度の概算要求に1台45,000円を上限に、児童・生徒全体の3分の2の端末の更新、および予備機の整備の補助を目的として端末費用148億円を含めていました。

 

しかし、新たに2023年度の補正予算案に「GIGAスクール構想の推進〜1人1台端末の着実な更新〜」と題した事業に2,661億円を計上し、端末の更新および予備機の整備に対する補助額を1台55,000円に引き上げました。

 

2024年度補正予算案では、端末更新に対する国の補助が以下のように定められました。

 

  • ・補助基準額:1台あたり5.5万円
  • ・予備機:15%以内
  • ・補助率:3分の2

 

文部科学省は2024年4月に端末の最低スペック基準を公開しており、この基準をもとに共通仕様の作成が推奨されています。端末の最低スペック基準については、以下のリンクを参照してください。

 

GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータ最低スペック基準(令和6年4月17日) (mext.go.jp)

端末の更新費用の支出方法

GIGAスクール構想第2期では、各都道府県に設けられた基金から端末更新が支出されます。

 

文部科学省は、2028年度までに第1期で導入された端末を更新するよう求めており、2024~2028年度の5年間の端末更新計画を公式HPで公表するよう各自治体に通知しています。

 

参考:公立学校情報機器整備事業に係る各種計画の策定要領(令和6年4月26日) (mext.go.jp)

調達方式の変更

第1期では自治体ごとに端末を調達していましたが、第2期では、原則として都道府県域全体での共同調達に変更されました。この変更には、以下の目的があります。

 

  • ・市町村の事務負担の軽減
  • ・スケールメリットによるコストの低減
  • ・同型式の端末を利用することでのノウハウの共有・業務改善

 

参考:GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータの調達等ガイドライン(令和6年4月17日) (mext.go.jp) P.5

 

端末の共同調達を円滑に進めるため、都道府県域全ての自治体が参加する「共同調達会議」の設置が義務付けられました。

ネットワーク環境の改善

学習用デジタル教科書の活用やオンライン学力調査を行うためには、安定したネットワーク環境が必要です。

しかし、2023年12月に実施された調査によると、必要なネットワーク帯域を満たしている学校は約2割程度にとどまると推計されています(※2)。

 

(※2)参考【資料2-2】学校のネットワークの現状について (mext.go.jp) P.3

 

文部科学省は、「教育DXに係る当面のKPI」において以下の目標値を掲げ、ネットワーク環境の早急な改善をめざしています。

 

  • ・2024年度:すべての学校で回線速度を計測・把握する
  • ・2025年度:課題を抱えるすべての学校でアセスメントを実施し、必要なネットワーク速度を確保する

 

出典:【資料3-1】次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ取りまとめ(案)(概要) (mext.go.jp) P.16

 

ネットワークに問題を抱える学校では、専門業者による現状のネットワークを分析・診断(ネットワークアセスメント)を行い、原因を特定することが求められます。その上で、機器の入れ替えや設定の変更、回線契約の見直し等の対策を講じる必要があるでしょう。

まとめ

GIGAスクール構想第2期では、学習用端末の更新をはじめ、さまざまな取組が実施される予定です。これらの取り組みにより、子どもたちの学びがますます充実し、教育の質が向上すると期待されています。

※記載している内容は、掲載日時点のものです

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