UTM (統合脅威管理) の代表的なメーカーの特徴を比較し、UTMを選定するときに確認すべきポイントについて解説します。UTMの比較・導入を検討している担当者の方は、本記事を読むことで自社に合ったUTMを選べるでしょう。
INDEX
- 1.UTMメーカー8社の特徴・比較
- 1.1.Fortinet (フォーティネット) /FortiGate (フォーティゲート)
- 1.2.Sophos (ソフォス) /SG UTM
- 1.3.WatchGuard Technologies(ウォッチガード・テクノロジーズ)/Firebox
- 1.4.CheckPoint Software Technologies (チェックポイント ・ソフトウェア・テクノロジーズ)/Quantumセキュリティ ゲートウェイ
- 1.5.トレンドマイクロ /Cloud Edge
- 1.6.富士フイルムビジネスイノベーション/beat
- 1.7.NTTスマートコネクト/クラウド型UTM
- 1.8.テクノル/MRB-Cloud
- 2.PC10台未満の事業所向けUTM比較表
- 3.PC10~50台の事業所向けUTM比較表
- 4.UTMを選ぶときにチェックすべき3つのポイント
- 4.1.HTTPS通信のセキュリティチェックを行えるか
- 4.2.トラブル時の保守体制
- 4.3.事前負荷試験を行なう
- 4.4.UTM比較は保守体制や運用管理の手間も検討
UTMメーカー8社の特徴・比較
主要なUTMメーカー8社の特徴をご紹介します。
Fortinet (フォーティネット) /FortiGate (フォーティゲート)
米Fotinet社のFortiGateは、日本で最も導入されているUTMです。導入台数が多いこともあり、導入ガイドなどの書籍も充実しています。
FortiGateのUTMラインナップは26製品と業界トップクラス。中~大規模事業所向けの製品が揃っています。
Fortinet (フォーティネット) /FortiGate (フォーティゲート)
Sophos (ソフォス) /SG UTM
英SophosのUTMの特徴は、柔軟な導入形態です。ハードウェア、ソフトウェア、仮想化環境、クラウドの種類から選択可能です。
シンプルで直感的に操作できる管理画面なので、使いやすさも問題ありません。WAFやVPN、SSLインスペクション機能なども搭載されており、万全のセキュリティ対策を実施できます。
WatchGuard Technologies(ウォッチガード・テクノロジーズ)/Firebox
WatchGuard Technologiesは、アメリカのシアトルに本社を置くセキュリティのグローバル企業です。不正侵入検知 (IPS)やURLフィルタリング、アンチウイルス、アプリケーション制御、アンチスパム、クラウド型サンドボックスなど高機能のUTMを展開しています。
小~大規模な事業所まで対応する、幅広い製品ラインナップを誇っています。
WatchGuard Technologies(ウォッチガード・テクノロジーズ)/Firebox
CheckPoint Software Technologies (チェックポイント ・ソフトウェア・テクノロジーズ)/Quantumセキュリティ ゲートウェイ
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズはイスラエルに本社をおくセキュリティーベンダーです。
小規模事業所向けの製品であっても、脅威対策や電子メール セキュリティ、ゼロデイ攻撃対策などが可能。エンタープライズ向け技術の詰まった高機能・高性能な製品が特徴です。
CheckPoint Software Technologies (チェックポイント ・ソフトウェア・テクノロジーズ)/Quantumセキュリティ ゲートウェイ
トレンドマイクロ /Cloud Edge
トレンドマイクロの「Cloud Edge」は、PC台数100台までの中小企業を対象としたUTM製品です。管理画面がわかりやすく、UTM製品に慣れていない方でも設定しやすいことが特徴です。
富士フイルムビジネスイノベーション/beat
富士フイルムビジネスイノベーションの「beat」は、UTMの構築から運用管理までをアウトソーシングできるサービスです。
ソフトウェアのアップデートは専用センターによって自動的に行われ、故障時には全国をカバーするカストマーエンジニアが現地対応します。
NTTスマートコネクト/クラウド型UTM
NTTスマートコネクトの「クラウド型UTM」は、UTMの設置と運用・保守管理を完全にアウトソーシングできるサービスです。
企業はUTM製品を自社に設置する必要はありません。ユーザーは閉域網を通じて、UTM機器が設置されているデータセンターにアクセスします。
プロによって運用されるため専任の管理者をおく必要がありませんし、設定ミスなどの心配も不要です。
テクノル/MRB-Cloud
株式会社テクノルの「MRB-Cloud」は、端末台数100台までの企業を対象としたクラウドUTMサービスです。VPNルーターのみを設置するだけで、UTM機器の導入は不要。故障や管理運用の工数を大幅に削減できます。
PC10台未満の事業所向けUTM比較表
PC10台未満の事業所に適したUTM機器の性能を比較しました。
UTMの基本的なセキュリティ機能は、ほぼすべてのサービスに盛り込まれているため、セキュリティ面のスペックを比較するのは困難です。
必要なスループットやLANポート数、無線機能等に応じて、費用とバランスが取れているサービスを選択しましょう。
PC10~50台の事業所向けUTM比較表
PC台数10~50台の事業所に適したUTM製品の性能を比較しました。
ファイアウォールやアンチウイルス、アンチスパム、IPS、アプリケーションコントロール、URLフィルタリングなど基本的なセキュリティ機能はほぼすべてのUTMに備わっています。
必要なスループットやポート数等から機種を選定し、デモンストレーションを通じて管理画面の使いやすさを比較するのがおすすめです。
UTMを選ぶときにチェックすべき3つのポイント
UTM製品を比較・検討するときに確認しておきたいポイントについてまとめました。
HTTPS通信のセキュリティチェックを行えるか
HTTPS通信では通信内容が暗号化されるため、通常のセキュリティチェックをすり抜けてしまう可能性があります。HTTPS通信のセキュリティチェック機能があるUTM製品を選択するのがおすすめです。
トラブル時の保守体制
専任のIT管理者がいない場合、UTM機器の運用管理にかかる時間や手間は、大きな課題です。
アプライアンス型のUTMの場合、現地対応してくれるものが最も望ましいでしょう。オンサイト保守があるのか、リモート保守や先出しセンドバックなどの保守体制なのかを確認しておきましょう。
運用管理に人員や時間を割けない場合、クラウドタイプのUTMサービスを利用するのもひとつの手です。
事前に負荷試験を行なう
UTM機器を設置すると大半のケースで通信速度が遅くなります。通信速度が遅くなるのは通信を逐次チェックしていることによるものですが、大幅に通信速度が低下すると業務効率に悪影響を及ぼしかねません。
ベンダーにデモ機の設置を依頼し、業務効率を妨げないか事前に確認しておくことがおすすめです。
UTM比較は保守体制や運用管理の手間も検討
UTMを導入する際は、予算はもちろん、運用管理の手間や保守体制をあわせて考える必要があります。運用管理に人員や時間を割けない場合は、UTM機器の導入が不要なクラウドタイプのものを検討してもよいでしょう。
※記載している内容は、掲載日時点のものです
2023-9-20
2023-5-16
2024-3-28
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