
現代社会では、AI(人口知能)と通信技術が日常生活から産業活動に至るまで、さまざまな場面で重要な役割を果たしています。
本記事では、AIと通信技術がそれぞれどのような役割を担っているのか、そしてどのように活用されているのかを解説します。
INDEX
AIとは
AIは、認識・予測・判断・推論といった人間の知的行動をコンピューターに行わせる技術です。特定の分野において、人間と同等かそれ以上の能力を発揮します。
AIを機能別に分類すると、次のとおりです。
- ・自然言語処理:言語データを理解し、言語を使って文章を生成するAI
- ・コンピュータビジョン:画像や動画データを解析し、理解するAI
- ・推論:論理的な推論を行い、意思決定をサポートするAI
- ・生成:文章や音声、画像・動画コンテンツを生成するAI
AIと通信を組み合わせた事例
他にもAIと通信技術を組み合わせて利用している例を紹介します。
ハウス内の環境をモニタリング
これは、ビニールハウスで野菜を栽培する農家の事例です。
ハウス内に各種センサーを取り付け、センサーから取得されたデータをクラウドに集積する環境を構築しました。このしくみにより、スマートフォンなどからリアルタイムでハウス内の環境をモニタリングできるようになりました。

環境モニタリングによって、以下の効果が得られるとしています。
- ・農薬使用回数の減少
- ・収量や品質の向上
- ・病害の早期防除
このケースで利用されている通信回線は、次のとおりです。
- ・センサー→通信機:LoRaWAN
- ・通信機→クラウド(インターネット):LTE回線
参考:プランテクト® | 病害予測機能搭載モニタリングサービス (bayer.jp)
アトラクションごとの混雑状況を発信
エンターテイメント施設を運営する事業者の事例です。
園全体にAIカメラや各種センサーを設置し、集めた情報をもとに混雑状況を可視化しました。
来園者は各アトラクションの混雑状況をあらかじめ把握できるため、特定のアトラクションへの集中を防ぎ、来園者のストレス軽減にも効果があるとしています。

このケースで利用されている通信規格はWi-SUN FANです。Wi-SUN FANはマルチホップ(多段中継)機能があるため、広域な通信エリアを構築できることが特徴です。
各機器から収集された情報はWi-SUN FANを介して中央のサーバーに集められ、その後インターネット回線を通じてクラウドへアップロードされます。
参考:遊園地・イベント会場での人流誘導・解析|日新システムズ (co-nss.co.jp)
AIにおける通信の役割
AIにおける通信の役割について解説します。
クラウド型AIとのデータ通信
近年、インターネットを通じてサービスが提供されるクラウドコンピューティングが一般的になり、多くのAIアプリケーションもクラウドサービスとして提供されています。
クラウド型AIを利用する際には、インターネット回線を介したデータのやりとりが必須です。通信回線は、ローカルデバイスとクラウドとの間でデータを送受信するために使われます。
センサーデータの収集
一部のAIでは、IoTデバイスやセンサーから周囲の環境や機器のデータを収集し、それを基に予測や意思決定を行います。これらのデータをサーバーに送信する際にも通信回線が利用されます。
センサーデータの例
センサーで収集されるデータの例は次のとおりです。
- ・環境データ(温度・湿度・水位・二酸化炭素濃度など)
- ・カメラによる画像・映像
- ・健康モニタリング(心拍・体温など)
- ・工場内の機器から収集されるデータ

AIのセンシングに使われる無線通信技術
センサーを使ったデータ収集を行う際は、設置の簡便さやレイアウト変更のしやすさなどから、主に無線ネットワークが利用されます。
ここでは、センサーネットワークに利用されるワイヤレス技術について解説します。
LPWA
センサーを野外に設置する場合、電力供給が大きな課題となります。電力線を引くのが難しいケースでは、センサー機器にバッテリーや太陽光パネルを搭載し、長期間の通信を維持するために低電力で通信することが求められます。
LPWA(Low Power Wide Area)は、低消費電力で通信できる無線通信技術の総称です。一般的な通信回線よりも低速ですが、電力消費を抑えられることが特徴です。
長期間にわたってバッテリー駆動が必要な、IoT機器やスマートメーターに使われます。
LPWAの例
LPWAの具体的な通信規格には以下のものがあります。
- ・LoRaWAN
- ・NB-IoT
- ・Sigfox
- ・Wi-SUN
センサー機器によって対応している規格が異なるため、機器を選ぶ際には通信規格を確認することが重要です。
モバイル回線(5G、4G LTE)
携帯電話キャリアが提供する5Gや4G LTE回線も、センサーの通信回線として利用されます。
これらの回線はデータ通信速度が高速であり、通信事業者のネットワークを利用するため、ネットワークの保守管理が不要な点がメリットです。
IoT機器での利用を前提とした「上り専用コース」などの通信プランが提供されており、スマートフォン用のプランよりもコストを抑えて利用できます。
無線LAN(WiFi)
無線LAN(WiFi)は、LANケーブルの代わりに無線を利用する技術であり、家庭や企業のネットワーク構築によく使われています。
高速な通信が可能であり、多数のセンサーを1️つのネットワークに接続させることができるため、コストを抑えられる点がメリットです。
Bluetooth
Bluetoothは、短距離で少数の機器同士を接続できる無線通信規格です。
WiFiに比べると省電力で通信できる点がメリットです。
AIにおける通信の課題
AIが通信回線に与える影響について解説します。
トラフィックの増加
クラウド型のAIを利用する場合、インターネットを介したデータの送受信が頻繁に発生します。
センサーを設置するタイプのAIでは、ネットワークに接続する端末が増えるため、ネットワーク内を流れるデータの量も増加するでしょう。このようなパケットの増加は、ネットワーク全体の通信速度の低下や遅延(待ち時間)の増加を招く可能性があります。
その結果、ネットワークの増強や改善のためのコストがかかるでしょう。
通信の遅延
AIが導入される業種や分野によっては、通信回線の遅延が許されない場合があります。
たとえば、自動運転分野では、リアルタイムで道路状況や歩行者、他の車両を認識し、迅速に判断を下す必要があります。ブレーキや衝突回避などの判断が少しでも遅れると、重大な事故を引き起こしかねません。
低遅延が重要な分野でAIを活用する際には、次のような対策が求められます。
オンプレミス型のAIを利用する
1つ目の方法は、クラウドタイプのAIを使用せず、ローカルネットワークにAIサーバーを設置する方法です。
この方法では、クラウドサービスを利用する場合と比較して、端末からサーバーまでの物理的な距離を短くできるため、遅延が小さくなります。
また、クラウドへの依存も減るため、データの漏洩を防ぐ効果も期待できます。
エッジコンピューティングを利用する

2つ目の方法は、エッジコンピューティングを利用する方法です。
エッジコンピューティングとは、ネットワークの末端(エッジ)に設置される端末そのもの、またはその周辺のサーバーでデータの処理を行うシステムのことです。
クラウド型のAIでは、すべての情報をクラウドに送信するため、インターネットを通過するパケットが増加し、ネットワークの遅延が懸念されます。
一方、エッジコンピューティングでは、必要なデータのみをクラウドへ送信するため、ネットワーク内を流れるパケットの量を抑えることができ、ネットワークの遅延や負荷を低減できます。
まとめ
AIにおける通信回線は、クラウド型のAIを利用する際のデータ送受信や、各種センサーからのデータ収集に使用されます。低遅延が求められる場合には、エッジコンピューティングやオンプレミス型のAIの利用が推奨されます。また、センサーを利用する際は、機器ごとに対応している通信規格が異なるため、利用する機器を選ぶ際に通信規格を確認することが重要です。
※記載している内容は、掲載日時点のものです
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2025-11-13
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