
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とAI(人工知能)を組み合わせることにより、業務の自動化がさらに進化しています。
本記事では、RPAとAIを活用した具体的な事例やその導入方法、最新の動向について詳しく解説します。
INDEX
- 1.RPAとは
- 1.1.RPAに向いている作業
- 2.AIとは
- 2.1.RPAにAIを組み合わせる効果
- 3.RPAとAIの導入パターン
- 3.1.AI機能付きのRPAを導入する
- 3.2.AIとRPAを別々に導入して連携させる
- 4.RPAにAIを組み合せることによって実現すること
- 4.1.手書き文字の読み取り
- 4.2.自然言語処理による高度な情報処理
- 4.3.動的な意思決定
- 5.RPAとの連携に適したAIの機能
- 5.1.AI-OCR
- AI-OCRの利用例
- 5.2.自然言語処理
- 自然言語処理の利用例
- 5.3.音声認識
- 音声認識の利用例
- 6.RPAとAIの組み合わせ事例
- 6.1.手書き申請書を文字データ化し審査業務を自動化
- 6.2.問い合わせメールの分類と要約
- 6.3.NGワードの自動チェック
- 7.RPAとAI連携の最新動向
- 7.1.自然言語でシナリオ作成できる機能を追加
- 7.2.OpenAIがタスクを自動化するソフトを開発
RPAとは
RPAとは、「ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)」の略称で、人間が行っていたデスクワークをAI(人工知能)などの技術を備えたソフトウェアロボットが設定に基づき代行・自動化する仕組みです。あらかじめ決められた手順(フロー)を登録しておくことで、従来は人が行っていた事務作業をソフトウェアロボットが代行してくれます。
これにより、「2025年の崖」問題である労働人口の減少による生産性低下や作業時間が短縮され、ミスも防ぐことができます。
RPAに向いている作業
RPAで自動化できるのは、手順が確立されている単純なPC作業です。具体的には、以下のような作業です。
- ・例外がなく、人間の判断や介入の必要がないルールが明確な事務処理
- ・処理量が多く、同じ作業内容を反復して繰り返す業務
- ・データ照合等や正確性が重要な業務
- ・複数のアプリケーションやソフトにまたがって検索、複製、入力、確認が必要な業務

AIとは
AIとは、人間の頭脳の機能をコンピュータによって実現する技術のことです。以下のような機能があります。
- ・認識:見たり聞いたりして、それが何であるかを理解する
- ・判断:複数の選択肢の中から最適なものを選ぶ
- ・推論:過去のデータから法則を導き出す
- ・予測:現在の情報や過去のデータを基に、将来の結果を見通す
- ・学習:訓練を通じて能力を向上させる
- ・出力:テキスト・音声・画像などの形で結果を提供する
RPAにAIを組み合わせる効果
RPAにAIを連携させることで、従来は定型的な作業を自動化するのにしかRPAに向かないとされていた業務も自動化の対象にすることができます。両者を組み合わせることで、イレギュラーな事態への対応や自律的な判断を要する作業などRPAの適用範囲が広がり、より多くの業務を自動化できるようになります。
RPAとAIの導入パターン
企業がRPAとAIを導入する方法は、次の2つがあります。
AI機能付きのRPAを導入する
1つ目は、AI機能が付属しているRPA製品を導入する方法です。RPAツールの中で設定を完結でき、窓口も一つになるため管理が楽です。ただし、RPA製品によってAIの機能やレベルが異なる点に注意してください。
導入を検討する際には、自動化させたい業務に利用できるかどうかをデモンストレーション等で確認しましょう。
AIとRPAを別々に導入して連携させる
2つ目は、AIとRPAを個別に導入し、それぞれを連携させる方法です。この方法は、RPA製品に搭載されているAI機能では物足りない場合や、個別にバージョンアップさせたい場合に便利です。
しかし、異なるプラットフォーム間でデータ連携する必要があり、システムが複雑になる点や、トラブルシューティングが煩雑になる点がデメリットです。
RPAにAIを組み合せることによって実現すること
RPAにAIを組み合わせることで、従来のRPAでは自動化が難しかった複雑な業務も効率的に処理できるようになります。

24時間休みなしに稼働ができ、人の手に頼らずにデータ入力や予測などを自動化することで生産性と効率性が向上します。それにより人手不足問題の解決にも寄与し、RPAとAIにルーチンワークを任せ、より高度な判断やコア業務に人が専念できます。
手書き文字の読み取り
従来のOCR技術では読み取れなかった手書き文書も、AI-OCR技術を用いることで高精度に読み取ることができます。手書きで記入された申請書や伝票を自動的にデジタルデータに変換し、業務システムへ入力することが可能です。
自然言語処理による高度な情報処理
AIを用いた自然言語処理により、テキストの文脈を理解して、分類や解析を高度に行えます。アンケートを解析して問題点を抽出したり、チャットボットが適切な対応を自動で行ったりすることができます。
動的な意思決定
AIによる機械学習を活用し、状況に応じた最適な選択を行えるようになります。たとえば、在庫状況に応じて最適な発注量を計算し、自動発注するしくみを構築することができます。人の判断が必要だった作業を自動化し、ビジネスプロセスを高速化できます。
RPAとの連携に適したAIの機能
RPAとの連携に使われるAIの主要な機能について紹介します。
AI-OCR
AI-OCRは、OCR(光学文字認識)技術にAIを活用したもので、画像内のテキストを機械で読み取り、テキスト形式に変換する機能です。従来のOCRでは難しかった手書きの文字や不鮮明な印刷文字も高精度で認識できます。
AI-OCRの利用例
- ・紙の書類から必要なデータを抽出し、業務システムに入力する
- ・複数枚あるスキャン書類から必要なページを抜き出す
- ・受信したFAXの担当者名を認識し、担当者宛にメール添付する
- ・受信したFAXの注文内容を自動的に抽出し、業務システムに入力する
- ・手書きのアンケートを読み取り、デジタルデータとして集計・分類する

RPAとAI-OCRを利用することで、手作業でのデータ入力作業が自動化され、書類の分類作業もRPAに任せることができます。
自然言語処理
自然言語処理は、人間の言葉を理解し、適切に応答する技術です。これにより、機械が文脈や感情を理解し、正確に情報を提供することができます。
自然言語処理の利用例
- ・顧客からの問い合わせメールを自動的に分類し、適切な部署に振り分ける
- ・顧客の問い合わせに対し、適切な内容のメールを自動作成する
- ・Webサイトに不適切な投稿があった場合に表示されないようにする
- ・文書内の重要な情報を抽出し、要約を作成する
- ・チャットボットが顧客の要望を理解し、適切に対応する
自然言語処理を活用することで、これまで人間しかできなかった情報の理解や抽出、適切な対応を自動で行えるようになります。
音声認識
音声認識とは、音声データをテキストに変換し、その内容を理解する技術です。
音声認識の利用例
- ・会議議事録の作成
- ・通話内容をテキスト化して業務システムに自動入力する
- ・AIが顧客の通話音声を認識し、適切な回答をオペレーターに提示する
- ・多言語翻訳
音声認識とRPAを組み合わせることで、音声データを手軽に取り扱えるようになります。

RPAとAIの組み合わせ事例
RPAとAIを実際に組み合わせて利用している事例を紹介します。
手書き申請書を文字データ化し審査業務を自動化
とある自治体では、就学援助申請書の審査業務の自動化に成功しました。
まず、手書きの申請書をAI-OCRで文字データ化し、審査に利用できる状態に変換します。そして、RPAで審査業務のシナリオを作成し、自動化させました。この取り組みにより、申請書の処理時間を6割削減し、残業時間を2000時間減少させました。
参考:横浜市 | 小中学校における就学援助申請の審査にかかる一連の業務をRPA化したことで作業量が約6割減。業務の見直し・改善において波及効果も | WinActor NTTデータ
問い合わせメールの分類と要約
別の自治体では、RPAと生成AIを市民からの意見メールの対応業務に利用しています。
受信したメールは、RPAによって生成AIに投げ込まれ、生成AIが要約とカテゴリ分類を行います。これにより、大量に受信したメールの中で重要なメールが埋もれてしまうことを防ぎ、担当者の負担軽減にもつながっています。
参考:「生成AI」×「RPA」を試験的に使ってみました【BEPPU×AI vol.2】|別府市デジタルファースト推進室 (note.jp)
NGワードの自動チェック
とあるWebサイトでは、「検索エンジンに入力された上位キーワード」を1時間ごとに更新していますが、公序良俗に反するワードは排除する必要があります。その判定をAIに代行させることで、2人体制から1人+AIに少人化。判定がNGとなったデータはAIの再学習に活用され、判定の精度向上も期待されています。
RPAとAI連携の最新動向
RPAとAIの連携技術は日々進化しており、ますます多くの業務自動化が実現されています。ここでは最新の動向をいくつか紹介します。
自然言語でシナリオ作成できる機能を追加
RPAでのシナリオ作成作業がさらに簡単になります。マイクロソフトのRPAツール「Power Automate」に、生成AIアシスタント「Copilot」によるシナリオ作成機能が追加されました。「〇〇のときに〇〇して」などと入力するだけで、シナリオが自動作成されます。
複雑なコーディングが不要となり、自動化までの時間を大幅に短縮できます。
OpenAIがタスクを自動化するソフトを開発
2024年2月7日の「The Infomartion」による報道によれば、デバイス上のさまざまなアプリを操作し、タスクを自動化するソフト(AIエージェント)をOpenAIが開発中です。このAIエージェントは、経費報告書への記入や会計ソフトへの入力作業などを代行します。
AIエージェント自身が手順を考えてアプリを実行するため、RPAのように逐次フローを確定させる必要がありません。
これまでRPAでは、作業回数が少なく自動化のインパクトが小さい作業は、シナリオ作成の手間から自動化の対象外とされてきました。しかし、AIエージェントの登場により、1回限りの作業でも簡単に自動化できるようになるかもしれません。
参考:OpenAIは、デバイスを操作し、タスクを自動化するソフトウェアを開発しています – The Information |ロイター (reuters.com)
まとめ
RPAとAIを組み合わせることで、自動化できる業務の範囲が大幅に広がりました。また、生成AI開発企業による「AIエージェント」は、業務の自動化に大きな影響を与える可能性があります。企業の生産性を向上させたい方は、ぜひRPAとAIの連携を検討してみてください。
※記載している内容は、掲載日時点のものです
山岳でもストレスなしの通信環境を!山間部をカバーしているキャリアと対策を解説
2025-11-13
-
# お役立ち資料# トラブル# DoRACOON# お役立ち資料# リモートワーク# インターネット# テレワーク# WiFi# セキュリティ# 繋がらない# 繋がりにくい# 解説# メリット# デメリット# 仕組み# 快適# 回線速度# 目安# クラウドSIM# WiFiルーター









