DoRACOON NTTMEDIAS

企業の課題

企業の
課題

「働き方改革実行計画」とは?重要なポイントをわかりやすく解説!

2021-8-25

テレワークなど様々な働き方を推進している働き方改革。

賃金や労働時間の改善・労働環境の改善など様々な取り組みが全国で行われているわけですが、そういった取り組みをまとめた働き方改革実行計画のことは把握しているでしょうか。

働き方改革という言葉があることを知っている人は多いと思いますが、働き方改革実行計画という言葉は耳慣れない方が多いと思います。

そんな働き方改革実現計画について詳しく解説していきます。

 

働き方改革実行計画とは?

働き方改革実現会議にて取り決められた、働き方改革を実現するための計画のことを働き方改革実行計画と呼びます。

働き方改革実行計画では働き方改革における様々な課題などが取り上げられており、情勢に合わせて随時更新されています。

実行計画に基づいて働き方改革のガイドラインの制定や推進、実行に移していきます。そのため、働き方改革の概要は働き方改革実行計画を読めば、なぜ働き方改革に盛り込んだのか、どのように働き方改革を起こしていくかについての全容がわかるようになっています。

働き方改革実行計画の12項目

働き方改革実行計画には、働き方改革で重要な要素がまとめられています。

ここでは働き方改革実行計画に定められている12の項目について概要を解説していきます。

働く人の視点にたった働き方改革の意識

低迷している日本経済を再生できるように、働く人の視点に立って労働制度の抜本的な改革を行って企業文化や風土も含めて変換を起こそうとするものです。

働く人の視点に立った働き方改革を行うことによって一人一人がより良い将来の展望を持てるようにすることが働き方改革実行計画の一番初めに定められています。

非正規・正規雇用の格差の改善

非正規雇用であるにも関わらず正社員と同じ労働を非正規雇用された方に要求しておきながら、給与は非正規雇用の方が低くなるということが問題視されています。

この問題について働き方改革実行計画は取り上げており、不合理な待遇差の解消を目指すこととして定められています。

こちらの問題は非常に重要度が高いため、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」および「労働契約法」「労働者の職務に応じた待遇の確保などのための施策の推進に関する法律」にて非正規と正規雇用における差別的扱いを無くすことに関する法律が追加されました。

賃金引き上げと労働生産性向上

こちらも非正規・正規雇用の格差の改善に関係している項目で、非正規・正規雇用かどうかに関わらず、同一の労働を求める場合は非正規であっても正規雇用者と同一の賃金を支払わなければならないということが定められています。

昇給に関しても非正規・正規どちらも同じ扱いをすることが求められており、ボーナスについても同様の扱いにするべきであることが求められています。

この同一労働同一賃金に関してはガイドラインが制定されており、ガイドラインに則った取り組みを企業に求めています。

長時間労働の是正

日本は主要先進国の中でもダントツで労働生産性が低いことが有名であり、その原因の一つに長時間労働があります。

長時間労働が続くことによって仕事とプライベートの両立が難しくなってしまうため、働き方改革実行計画では罰則付きの時間外労働の限度を具体的に定める法改正を進めていました。

現在は働き方改革の取り組みによって時間外労働の上限規制が法律によって認められ、労使協定を結んでいた場合でも超えてはならない厳しい制約になっており、違反した企業には罰則が課せられます。

柔軟な働き方がしやすい環境整備

最近急激に増加しているテレワークなどが当てはまります。

従来は「仕事はオフィスに出勤して行うもの」というように働く場所に 制約がありましたが、子育てや介護などを両立するためにテレワークなどのリモートワーク・副業の解禁を推進しています。

テレワークや副業の解禁によって長時間労働が悪化するリスクも想定したガイドラインも制定しており、柔軟な働き方がしやすい環境整備に取り組む企業に対する支援策(働き方改革推進支援助成金など)なども行っています。

女性や若者が活躍しやすい環境整備

今まで以上に女性や若者が活躍しやすい環境整備に関する取り組みも行われています。

こちらの取り組みに関しては主に以下の3つの取り組みを中心に行われています。

・ 個人の学び直し支援の充実

・ 多様な女性活躍の推進

・ 就職氷河期世代・若者の活躍

就職氷河期世代や正社員として雇用されていない若者や、アルバイトなどの非正規雇用を通して離転職を繰り返す方の正社員化の推進や、女性がもっと働きやすい環境づくりに関する様々なことが行われています。

病気の治療と仕事の両立

何らかの病気を治療しながら仕事をしている方は、全労働者のうち3分の1を占めています。

つまり、働いている多くの方は軽度か重度かに関わらず病気と闘いながら仕事をしているということであり、あまり良い状態とは言えません。

そのため、働き方改革実行計画では病気の治療と仕事を安心して両立できる環境構築に関する取り組みを実施しています。

がん・難病などの疾患ごとの治療方法や症状の特徴など企業が理解しやすいための疾患別サポートマニュアルを作成し、医療機関と企業が連携して治療情報を共有し職場かつ業務時間中でも安心して治療に取り組める体制づくりに力を入れています。

(出典:平成29年度 厚生労働白書 ‐社会保障と経済成長‐図表3-2-22)

子育てや介護と仕事の両立・障害者就労の改善

少子高齢化が進む関係で本来なら労働者として活躍しているはずの方が介護にまわって仕事をすることができないという方が大勢います。

そういった方たちが安心して子育てや介護と仕事を両立させる取り組みが働き方改革実行計画で取り決められています。

具体的には、男性の育児・介護への参加促進による女性負担の削減・女性も安心して働ける環境を構築すること、保育士や介護職員の処遇改善などが含まれます。

特に保育関係は保育士の待遇が問題視されているため、様々な処遇改善の取り組みが検討され、給与改善などを実際に行っています。

障害者就労に関しても同様に改善が求められており、障害者の法定雇用率の引き上げなど実行力のある取り組みが多数行われています。

雇用吸収力・付加価値の高い産業への転職・再就職支援

日本は終身雇用制によって再就職による社会復帰などが難しい状態になっており、そういった再チャレンジできない・社会復帰できない問題を改善するために、転職や再就職など新卒以外のシーンにおける採用機会の拡大を課題とした取り組みが行われています。

例えば、成長企業が転職者を受け入れて行う能力開発や賃金アップに関する助成、年功序列ではなく成果主義型の人事評価指標を導入している企業への助成などが実施されています。

また、転職や再就職向けのインターシップのガイドブック作成など幅広い取り組みを行っていて、少しでも社会復帰しやすい環境作りが行われています。

誰でもチャンスのある教育環境の整備

日本の義務教育は中学校までとなっていますが、社会で生きていくためには高校や大学にいかなければいけないのが現状です。

そのため、家庭の経済事情などに関わらず誰もが高校や大学・専門学校などに進学できる環境を整備するための取り組みが行われています。

進学に分ける大きな課題になっている学費に関して奨学金制度を大きく見直しており、返済義務がない給付型の奨学金制度の創設や、低所得世代の幼児教育費の無償化など教育関連にも力を入れています。

高齢者就業の促進

働き方改革実行計画では高齢者就労の推進も行っています。

少子高齢化によって高齢者が増加しているほか、定年を超えても収入や健康のために働きたいという方は少なくありません。そういった方々でも働ける環境づくりが働き方改革で求められています。

日本は65歳が定年とされていますが、あくまで定年であって65歳以上の方を働かせてはいけないという決まりではありません。

高齢者にとって大きな負担になる仕事を任せることは問題ですが、高齢者でもできる仕事・環境の整備などが重要になってくるでしょう。

外国人材の受け入れ

グローバル競争において、高度な技術・知識などのスキルを持つ外国人材を積極的に受け入れ、働き方改革実行計画にてイノベーションの創出などを促進する取り組みが行われています。

日本人にはない外国人ならではのスキルを活かすことで企業のみならず国全体の経済の生産性を向上させることを大きな課題としていますが、それと同時に移民政策と誤解されないような施策の実施・調査なども課題としてあげられています。

経営者と労働者双方の取り組みが必須

まとめ

働き方改革実行計画を成功させるためには企業努力だけでは達成できません。 例えば長時間労働の是正が必要な企業では業務効率化に取り組む必要があるので、 経営者 の鶴の一声だけで改善することはできません。 所属する従業員も共に考えて行動し、業務効率化を実行していく必要があります。 だからといって労働者任せにするわけにもいかず、 経営者 が先導して働き方改革に積極的に取り組み、従業員を含む労働者に評価される企業になるべきです。 働き方改革実行計画を参考にしてスムーズに働き方改革の実施を目指していくと良いでしょう。

ページ上部へ戻る