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固定IPアドレスとは?活用シーンとメリット・デメリットをわかりやすく解説!

2023-9-20

グローバルアドレスを固定できる固定IPアドレスは、多くの企業にとって必要不可欠の機能です。

本記事では、固定IPアドレスの概要やメリット・デメリット、活用シーンをわかりやすく解説します。

 

固定IPアドレスとは

固定IPアドレスとは、パソコンやスマホからインターネットに直に接続する機器に振られるIPアドレスというインターネット上の住所ともいえる数字を持っています。自分専用に割り振ってもらうプロバイダーのサービスの1つで常に同じアドレスを保有できるものです。

通常、機器を再起動するタイミングなどでグローバルアドレスは変わりますが、固定IPアドレスを取得することで、常に同じグローバルアドレスを利用できます。

 

 

 

例えるなら、フィットネスジムで利用できる自分専用のロッカーのようなものです。

通常は他のユーザーとロッカーを共用するため、どの番号のロッカーが割り当てられるのかはわかりません。ですがお金を出すことで、特定の番号のロッカーを自分専用にできます。

固定IPアドレスと動的IPアドレスの違い

固定IPアドレスは、常に同じグローバルアドレスを利用できます。

 

一方動的IPアドレスは、インターネット接続が確立するたびに割り当てられ、機器の再起動のタイミングなどでアドレスが変わります。

ユーザーは通常、動的IPアドレスを利用しており、一般的な使い方であれば動的IPアドレスで問題はありません。

 

固定IPアドレスはISPのオプションサービスとして提供されます。

IPアドレス(Internet Protocol Address)は、ネットワークに接続された機器(PC、スマートフォン、ネットワークプリンタ等)を識別するために各機器に割り振られる番号です。簡単に言えば、通信の宛先を決定するための「ネットワーク上の住所」です。

IPアドレスには、規格の違いにより「IPv4」と「IPv6」の2種類があります。さらにIPv4のIPアドレスには「プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)」と「グローバルIPアドレス」があり、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスそれぞれについて「固定IPアドレス」と「動的IPアドレス」があります。

固定IPアドレス

専用のIPアドレスを割り当てる方式で、一度割り振られた識別番号がずっと変わらないタイプのIPアドレスです。

ネットに再接続しても常に同一のIPアドレスが使用できます。

動的IPアドレス

接続のたびにIPアドレスが変化し常に識別番号が変わっていくタイプのIPアドレスです。

 

動的IPアドレスは、不規則なタイミングで切り替わりますが、IPアドレスが変わるだけで、Webサイトの閲覧、メールの送受信に影響ありません。

 

固定IPアドレス・グローバルアドレス・プライベートアドレスの違い

固定IPアドレスとグローバルアドレス、プライベートアドレスの違いは次のとおりです。

一つずつ解説します。

グローバルアドレス

グローバルアドレスとは、インターネットに接続する際に使用するIPアドレスでインターネットに直に接続する機器がもつ、一意の(ふたつと同じものがない)IPアドレスです。

重複することがないようICANNとその下部組織によって世界的に管理されており、日本ではJPNICという団体が管理しています。

 

管理しているグローバルアドレスの中からISPが割り当てており、ユーザーが任意のアドレスを割り当てることはできません。

 

固定回線の場合、ルーターのインターネット側インターフェース(WAN側)に、1個のグローバルアドレスが割り当てられます。

割り当てられるアドレスは、機器の再起動などのタイミングで変化します。

プライベートアドレス

プライベートアドレスは、社内LAN(Local Area Network)や家庭内LANなどのローカルネットワークなどで使用する組織や家庭内ネットワーク内で利用されるアドレスです。

家庭内ネットワークなら「192.168.x.x」というプライベートアドレスとなっているケースが多いでしょう。

 

プライベートアドレスは、下記のいずれかの範囲です。

上記の範囲内であれば、アドレスを自由に割り当てられます。

 

プライベートアドレスはローカルネットワーク内でのみ有効なアドレスなので、プライベートアドレスのままではインターネットに接続できません。

インターネットに接続するには、プライベートアドレスをグローバルアドレスへ変換する必要があります。

アドレス変換は、ルーターやファイアウォール、サーバーのNAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)機能によって行われます。

固定IPアドレス

固定IPアドレスは、ISPに申請することで、常に同じグローバルアドレスを保有できるようにしたものです。

グローバルアドレスは通常、ISPの都合で変更されてしまいます。

 

外部から接続する必要がある機器を利用する際、アドレスが変化してしまうと接続できなくなり、困ったことになってしまうでしょう。

 

「外部から接続する必要があるもの」を利用するときは、固定IPアドレスの利用が欠かせません。

固定IPアドレスの活用シーン

固定IPアドレスが利用される場面を解説します。

自社内のサーバーをインターネット上に公開する

ローカル環境にあるサーバーをインターネット上に公開したいときは、固定IPアドレスが必要です。固定IPアドレスを設定することで、接続先が一定になり、いつでもアクセスできるようになります。

リモートアクセスVPNを利用する

テレワーク利用者など、外部から自社ネットワークへ接続する「リモートアクセスVPN」を利用するときも、固定IPアドレスが必要です。

VPNルーターに固定IPアドレスを設定することで、インターネット経由で社内ネットワークに接続できるようになります。

ネットワークカメラなどの機器を管理する

 

 

ネットワークカメラなど、機器が直接インターネットに接続しているものを利用する際にも固定IPアドレスは有効です。

固定IPアドレスを設定することで接続先が一定になり、管理しやすくなります。

指定したIPアドレス以外からのアクセスを遮断してセキュリティを高める

セキュリティを高める目的で固定IPアドレスを利用するケースもあります。

 

機密情報や個人情報などを社外に保存する場合や、社員・委託先が利用する端末に固定IPアドレスを設定することで、クラウドサービスへのアクセスを限定すれば指定したIPアドレス以外のアクセスを防ぐことができ、セキュリティを確保され情報が漏れるリスクを低減できます。

固定IPアドレスのメリット

固定IPアドレスを活用するメリットを見ていきましょう。

外部からいつでも接続できるようになる

ネットワーク機器のIPアドレスを固定することで社外や外出先など、外部からのアクセスがインターネット経由でいつでもできるようになります。

具体的なメリットは以下のとおりです。

 

  • ・ローカル環境にあるサーバーを公開できる
  • ・リモートアクセスVPNを利用できる
  • ・ネットワークカメラなどのIoT機器の管理が簡単になる

セキュリティ強化に利用できる

接続先の機器に設定すれば、固定IPアドレス以外からのアクセスを遮断することができます。

指定されたIPアドレス以外のアクセスを制限することで、不特定多数のインターネット機器からの接続を遮断できるため、パスワード漏洩でセキュリティ面の不安は減少します。

 

固定IPアドレスのデメリット

固定IPアドレスのデメリットについても触れていきます。

利用には料金がかかる

 

 

固定IPアドレスサービスはISPの有料オプションとして提供されているため、利用するには費用がかかります。

取得したい固定IPアドレスの数が多いほど、負担する金額は大きくなるでしょう。

攻撃を受けるリスクが高まる

IPアドレスが固定されるため、悪意をもった第三者からサイバー攻撃を受けるリスクが発生します。IPアドレスの漏えいにより不正アクセスを受ける恐れがあります。

サイバー攻撃を受けてもサービスを提供できるよう、ネットワークセキュリティを確保する必要があります。

固定IPアドレスサービスを提供するプロバイダ

固定IPアドレスサービスを提供するプロバイダは、あまり多くありません。

これから固定IPアドレスを取得しようと考えている方は、以下を参考にしてください。

光回線の場合

光回線における固定IPアドレスサービスを提供する主なプロバイダは、次のとおりです。

 

  • ・ぷらら
  • ・OCN(法人向け)
  • ・Asahi Net
  • ・BIGLOBE
  • ・So-net
  • ・GMOとくとくBB
  • ・インターリンク

モバイル回線(携帯電話回線)の場合

SIMを使ってモバイル回線に接続する機器については、以下の事業者のサービスを利用することで、固定IPアドレスを利用できます。

 

  • ・NTT PC COMMUNICATIONS
  • ・楽天コミュニケーションズ
  • ・イプシム
  • ・インターリンクLTE SIM
  • ・BIGLOBE biz.
  • ・mineo M2Mアクセス

 

端末のIPアドレスを確認する方法

端末のIPアドレスの確認方法を、グローバルアドレスとプライベートアドレス、固定IPアドレスに分けて解説します。

グローバルアドレスを確認する方法

グローバルアドレスを最も簡単に確認するには、CMANへアクセスしましょう。

アクセスした画面に、「あなたの利用しているIPアドレス」が表示されます。

このIPアドレスが、あなたの利用しているグローバルアドレスです。

 

なおグローバルアドレスはルーターに割り当てられるため、ルーター配下の端末からアクセスする場合、同一ネットワーク内の機器はすべて同じグローバルアドレスとなります。

ブラウザを利用できない端末の場合は、管理画面へログインし、ネットワークの項目を参照しましょう。

プライベートアドレスを確認する方法

プライベートアドレスの確認方法を、利用されるOSごとに解説します。

 

・Windows10/11の場合

 

  1. 左下の検索に「cmd」と入力しEnterキーを押す
  2. 黒い画面に「ipconfig」と入力しEnterキーを押す
  3. 「IPv4アドレス」の項目を確認

 

・iOS(iPhone/iPad)の場合

 

  1. 「設定」>「Wi-Fi」と進む
  2. 接続中のSSID(ネットワーク名)の右にある「i」をタップ
  3. 「IPアドレス」欄を確認

 

・Androidの場合

 

  1. 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「インターネット」と進む
  2. 接続中のSSID(ネットワーク名)の設定ボタンをタップ
  3. 「IPアドレス」欄を確認

固定IPアドレスを確認する方法

固定IPアドレスは契約しているISPから発行されるため、ISPの管理画面にログインすることで確認できます。

個々の端末に設定した固定IPアドレスを確認したい場合は、各端末の管理画面へログインしましょう。

固定IPアドレスを活用しよう

リモートアクセスVPNや、インターネットに接続したネットワークカメラを利用する場合には、固定IPアドレスの活用が欠かせません。

またセキュリティを確保する上でも、固定IPアドレスの活用は有効です。

上記のような用途が想定される場合は、ぜひ固定IPアドレスを活用してみて下さい。

 

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