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ADSLとは?仕組み・問題点・必要な機器についてわかりやすく解説

2022-2-9

2024年にサービス提供が終了するADSL。本記事ではADSLについて詳しく知りたい方向けに、ADSLの通信の仕組みや問題点、必要な機器について解説します。

ADSLとは

ADSLとは、一般電話回線を使って高速なデータ通信を行う技術のことです。電話音声よりも、高い周波数の信号を使ってデータ通信を行います。

従来のインターネット接続方式よりも高速で大容量の通信が行え、定額・常時接続で提供されました。ADSLの登場により、多くの家庭でインターネットが一般化したといえるでしょう。

ただし電話局までの距離があると通信速度が低下するため、品質に大きなばらつきがあります。

ADSLの仕組み

ADSLでは、音声通話では使用しない高周波数帯を幅広く使うことで、高速なデータ通信を実現できます。

ここでは周波数帯を、わかりやすく「道路」に例えて説明します。なおモデルとするのは下り8Mbps/上り最大1MbpsのADSLです。

数百車線をインターネット通信に使う

周波数帯を道路に例えると、256車線に区切られたとても幅の広い道路と例えられます。それぞれの車線には、周波数が低い順に「0~255番」の番号が振られています。

そして最も周波数が低い0番目の車線は、「音声通話専用レーン」です。音声通話を行なうときは、0番目の車線を使って信号を送ります。

そして6~255番の車線は、インターネット通信に使われます。数百車線をインターネット通信に使うことで、高速なインターネット通信を実現しているのです。

上りよりも下りで使う車線数が多い

下りに使える車線数のほうが上りよりも多いです。また下りは番号が大きい(周波数が高い)車線を使います。

具体的には次のとおりです。

 

・上り:6~31番の車線

・下り:33~255番の車線

 

ADSLで上りよりも下りの最大速度が大きいのは、「下りにたくさんの車線を使える」ことが理由です。

電話局との距離が離れると車線数が減る

電話局と距離が離れているユーザーでは、実際に使える車線数は223車線よりもずっと少なくなります。

 

なぜなら大きな番号(高い周波数)の車線は距離が長くなると、使えなくなってしまうからです。一定の距離を超えると、225番の車線から順にゲートが閉じていくイメージです。

車線数が少なくなると一度に伝達できるデータ量も小さくなるため、通信速度も低下してしまいます。「電話局から離れると通信速度が低下してしまう」原因は、「下りに使う、高い周波数の信号が回線敷設距離に応じて弱まってしまう(減衰する)」ことにあります。

ADSLを利用するときに必要な機器・サービス

ADSLを利用するときに必要になる機器やサービスについてまとめています。

ADSLモデム

ADSLモデムは、お弁当箱くらいの大きさの装置です。パソコンから送信されるデジタル信号をアナログ信号に変調し、受信したアナログ信号をデジタル信号に復調してパソコンへ送ります。

スプリッタ

スプリッタの役割は、一般電話回線から信号が流れてきたとき、電話とADSLの信号を分けることです。

スプリッタの形状は小さな箱。壁から出ている電話線を接続し、電話機とADSLモデムにケーブルで分配します。

インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)

インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)とは、ユーザーにインターネット接続サービスを提供する事業者のことです。ユーザーはISPから送付されたIDとパスワードを入力することで、インターネットに接続します。

回線を提供する事業者とISPは異なるので注意してください。たとえばADSL回線はNTTの「フレッツADSL」でプロバイダは「OCN」というように、別々の契約になっています。

なおADSLに限らずどのタイプの回線においても、インターネット接続にはISPとの契約が必要です。

ADSLの通信速度

 

 

ADSLの通信速度は、下り最大50Mbps・上り最大5Mbpsです。ただしこの数値は理論値であり、電話局からの距離や他の電波による干渉、配線状況などにより大きくばらつきます。

ADSLの問題・デメリット

電話局までの距離が長いほどスピードが落ちる

電話局とユーザーの利用場所が離れていると、通信速度が低速になってしまいます。伝送距離の影響を受けやすい、高い周波数帯の信号を使用することが原因です。

雑音に影響されやすい

雑音に影響されやすいのもADSLのデメリットです。下りに使われる高周波の信号が、ノイズに影響されやすいことが要因です。

たとえばラジオや電子レンジなど電波を発する家電によって、通信が途切れたり、遅くなってしまったりする可能性があります。

ADSL回線サービス提供事業者

ADSL回線サービスを提供した、主な事業者を一覧にまとめました。

 

ADSL事業者 ※()はADSLサービス名 備考
NTT東日本/西日本(フレッツADSL)
ソフトバンクBB(Yahoo!BB)
KDDI(DION) ※2015年にADSLサービスを終了
イー・アクセス ※ソフトバンクモバイルへ吸収合併
アッカ・ネットワークス ※イー・アクセスの子会社に
日本テレコム(J-DSL) ※イー・アクセスへ事業譲渡
東京めたりっく通信 ※ソフトバンクBBに吸収合併

 

2021年現在においてADSL回線サービスを提供している事業者は、NTT東日本/西日本とソフトバンクの2社となっています。

ADSL回線サービスの終了予定日

ADSL回線サービスはNTT東日本/西日本とソフトバンクによって提供されています。ですが各社とも、ADSLサービスの終了を発表しています。

NTT東日本/西日本(フレッツADSL):2023年1月31日に終了

NTT東日本・西日本が提供する「フレッツADSL」は、2023年1月31日にサービスが終了します。

ただしサービス提供終了までに「フレッツ光」が提供されないエリアでは、サービスが継続されます。

ソフトバンク(Yahoo!BB):2024年3月末に終了

ソフトバンクのADSLサービス「Yahoo!BB」は、2024年3月末に終了します。ただし2020年3月以降一部の地域から順次終了するとしているため、地域によっては予定日よりも早く終了する可能性があります。

ADSLと光回線の比較

ADSL回線の乗り換えで、最初に候補に上がるのは光回線でしょう。ここではADSL回線と光回線を比較してみます。

 

回線種別                                  ADSL                              光回線
物理的ケーブル

一般電話回線

光ファイバーケーブル

通信速度(※)

上り 最大5Mbps/下り 最大50Mbps

上り下り 最大10Gbpsまたは1Gbps

通信の安定性

電話局から離れると速度が落ちる

電話局からの距離を問わず安定

 

(※)技術上の最大値であり、実際の速度を表すものではありません

 

最も大きな違いは、通信速度です。最大1Gbpsの光回線では20倍、最大10Gbpsの回線では200倍ものスピードアップがはかれます。

また光回線では光信号を使って通信を行なうため、距離による信号の損失がありません。電話局から離れていても、安定して通信が行えます。

光回線を引けない・引きたくないときはモバイル系端末がおすすめ

前章で、光回線の有用性について触れましたが、

「光回線が提供されていないエリアだけど、どうしよう・・」

「引っ越し予定だから工事したくない」

「もっと簡単に乗り換えたい」

そういった悩みを抱えている方も多いかと思います。

そういった方には、モバイル系の回線がおすすめです。工事不要でプロバイダ契約も不要、届いたらすぐにインターネット接続できる手軽さも魅力でしょう。

 

個人向けにはさまざまなサービスが提供されていますので、ぜひ情報収集してみてください。法人向けのサービスであれば「DoRACOON(ドゥラクーン)」がおすすめです。

DoRACOONは法人専用のサービスで、マルチキャリア対応により利用しているキャリアに通信障害が起きても自動的に他のキャリアへ接続するため、シングルキャリアよりも通信が安定しています。

またマルチキャリア対応なので、利用しているキャリアに通信障害が起きても自動的に他のキャリアへ接続。

固定型回線に比べて不安定なイメージのあるモバイル系端末ですが、DoRACOONであればダウンタイムを最小限に抑えられ、安定して通信できますので一度調べてみてはいかがでしょうか。

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