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【初心者向け】Society 5.0(ソサエティ5.0)とは?わかりやすく解説!

2022-3-29

Society 5.0は、政府によって2016年に提唱された未来社会のモデルです。本記事ではSociety 5.0の内閣府における定義について、簡単にわかりやすく解説します。

Society 5.0とは

Society 5.0は、日本が将来めざすべきとされる社会モデルです。

 

簡単にいうと、AIをはじめとした最先端のテクノロジーが世の中に行き渡ることにより、社会課題の解決と経済発展を両立した社会です。

 

これまでの社会をSociety1.0~4.0と定義し、Society 4.0に続く新しい社会としました。

 

・狩猟社会(Society 1.0)

・農耕社会(Society 2.0)

・工業社会(Society 3.0)

・情報化社会(Society 4.0)

 

内閣府のWebサイトでは、Society 5.0を次のように定義しています。

 

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

 

引用:Society 5.0 – 科学技術政策 – 内閣府

 

ここでは上記の定義を以下の3つのパートに分け、くわしく解説します。

 

  • ・サイバー空間とフィジカル空間の高度な融合
  • ・社会的課題を解決しながら経済発展も実現
  • ・すべての人々が活き活きと暮らせる(人間中心)

 

「サイバー空間とフィジカル空間の高度な融合」とは

「サイバー空間とフィジカル空間の高度な融合」は、「情報収集・分析・フィードバックの送信」のサイクルが、分野や業種を超え、社会規模で行われる状態です。

 

ここでは、現在(Society 4.0)とSociety 5.0のしくみにおける違いから、Society 5.0のシステムについて解説します。

 

 

Society 4.0とSociety 5.0の違い

各分野のシステムが連携する

これまでの社会では、ユーザーは入手したい情報ごとにアプリを起動し検索する必要がありました。

 

なぜならサービスごとに、アプリが独立しているからです。

 

たとえば電車の運行情報を調べたいときは、鉄道会社のアプリを確認します。タクシーを手配したいときは、タクシー会社のアプリを起動する必要があるでしょう。

 

 

知りたい情報を得るために、いくつものアプリケーションにアクセスしなければなりません。

 

 

Society 5.0の社会では、業種や分野を超えてアプリが連携し、ユーザーはワンストップで情報を入手できるようになります。

 

たとえば、下記のような社会を支えるシステムが相互に接続され、連携します。

 

・物流

・防災

・金融

・教育

・医療

・交通

・行政手続

・社会福祉

 

社会を支えるあらゆる業界のシステムをつなぐことで、よりよい社会を築けるようになります。

 

たとえば災害時を考えてください。

これまではインフラの損傷状況や交通網、避難所などの情報が、自治体や民間企業等に分散されて管理されていました。

これらの分散されていた情報がサイバー空間で一元管理され、かつリアルタイムで更新されます。

災害復旧に関わる人たちや被災者などが、必要なときに必要な情報へアクセスできるようになります。

すべての人とあらゆるモノがつながる

Society 5.0では、すべての人とあらゆるモノがサイバー空間に接続します。

環境情報や機器の作動状況、人の情報などがセンサーを介して自動的に収集され、サイバー空間に蓄積されていくでしょう。

収集された情報はAIによって解析され、さまざまな形でフィードバックされます。

情報分析にはAIが使われる

Society 5.0では、多数のシステムとセンサーにより、サイバー空間に莫大なデータが蓄積されます。

 

これらのデータは、これまでのものに比べると非常に巨大なものなので、人間ではとうてい扱いきれません。

 

そこでAIが使われます。

 

収集されたビッグデータをAIが学習することで、将来のシミュレーションが行われ、全体最適となる新たな提案が生み出されます。

 

人は自分で判断することが少なくなり、AIから提案を受ける機会が増えるでしょう。

 

 

AIは人間が見落としがちな「つながり」を発見することに長けています。これまでにはなかったイノベーションが生まれるかもしれません。

 

多数の分野のデータを横断的にAIが分析することで、全体最適化された、超スマート社会が実現するでしょう。

「社会的課題を解決しながら経済発展も実現」とは

内閣府が掲げるSociety 5.0の定義のなかに、「社会的課題の解決と経済発展の両立」があります。

 

そもそも社会的課題の解決と経済発展を両立させることは、非常に難しいものです。この困難な問題をテクノロジーで達成しようとするのが、Society 5.0です。

 

主として次の2つの手段によって、課題の解決を目指します。

 

・それぞれの分野において関連するさまざまな情報をAIで解析し、全体を最適化

・ロボットの活用

 

なおロボットは、主に人手不足の解消のために活用されます。

 

課題解決の具体例

3つの分野について、AIが解析する情報とその効果、解決する社会的課題をまとめました。

 

AIが解析する情報と解決する社会的課題の例

エネルギー分野

エネルギー分野では、各発電所の運転状況や各家庭の電力の使用状況、天候情報などが収集され、AIが分析します。AIの分析に基づき、電力供給が最適化されます。

 

エネルギー分野のシステム全体が最適化することにより、安定的なエネルギー供給が実現し、温室効果ガスの削減も望めるでしょう。

食料(農業)

農業の分野では、市場情報や食のトレンドを分析することにより、消費者ニーズに合わせて収穫量を設定できるようになります。

 

消費者ニーズに合わせた生産が可能になり、食品ロスの問題が解消されるでしょう。

 

またドローンにより収集された生育情報と、天気や河川情報をAIが分析。さらにロボットトラクタやスマート田植え機などのロボットも活用されます。

 

人手不足の問題が解消され、経験が少なくても高品質な生産が行えるようになるでしょう。

長生き(医療・介護)

医療分野では、スマートウォッチを介し、患者の日々の健康データがサイバー空間に蓄積されます。病気を早期発見できるようになり、健康が促進されるでしょう。

 

また医療データが共有されることにより、救急車で運ばれたときも、医療者が過去の医療データにアクセスできるようになります。最適な治療を受けられるとともに、医療現場での人的な負担も減らせます。

医療・介護現場ではロボットによる支援を受けられるようになり、人手不足が解消されるでしょう。

健康が促進されるとともに、医療・介護費のコストも削減できるとしています。

「すべての人々が活き活きと暮らせる(人間中心)」とは

これまでの社会では、技術が社会を発展させてきました。

Society 5.0では、「人間が幸せな生活を送る」ことに焦点を置くとしています。

Society 5.0が実現した社会では、AIがあなたの代わりに情報を取得して分析し、最適な提案をしてくれます。

人は煩雑な作業から開放され、創造性のある仕事に専念できるようになるでしょう。

 

またこれまでよりも失敗することが格段に少なくなり、安全・快適に暮らせるようになります。

これらの恩恵は、年齢や性別に関係なく、等しくすべての人が受けられるとしています。

 

まとめ

Society 5.0の実現に向けて、政府や大学、民間企業等で、業種ごとにさまざまな取り組みがなされています。 分野ごとに開発が進み、将来はそれらのシステムが連携していくと思われます。

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