
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)は、インターネットを利用するときに欠かせないものです。本記事では、ISPと回線事業者の違いや通信方式の種類、選ぶポイントについてわかりやすく解説します。
INDEX
- 1.ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)とは
- 1.1.ISPの設備同士を接続したもの=インターネット
- 1.2.ISPはインターネットの出入り口
- 2.ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)と回線事業者の違い
- 2.1.代表的な回線事業者
- 2.2.代表的なISP
- 2.3.回線とISPが一体となったサービス
- 3.ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)の契約パターン
- 3.1.ISPを個別に契約
- 3.2.ISPが指定されている回線を契約する
- 4.ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)の通信方式
- 4.1.PPPoE方式
- 4.2.IPoE方式
- 4.3.IPv4 over IPv6方式
- 4.4.IPoE方式と「IPv4 over IPv6」はVNE事業者が提供する
- 5.ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)を選ぶポイント
- 5.1.回線速度の安定性
- 5.2.サポート体制
- 5.3.ルーターレンタルの有無(フレッツ系回線の場合)
- 6.ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)のトレンド
- 6.1.PPPoE方式を提供しない回線が誕生
- 7.法人向けDoRACOONならプロバイダ契約なしで利用できる
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)とは
ISPとはインターネット・サービス・プロバイダの略称で、インターネット接続サービスを提供する事業者のことです。
インターネットを利用するためには、回線業者が提供しているインターネット回線を利用する必要があり、フレッツ光やドコモ光など多数存在します。
また他にも、携帯電話事業者やモバイルWi-Fiルーターの提供企業の中には、回線業者とプロバイダーが一体化している事業者もあります。
ISPの設備同士を接続したもの=インターネット
インターネットの実態は、ISPの設備を相互に接続したものです。
たとえばプロバイダがA社とB社、C社、D社とあったとき、この4社の設備は相互に通信回線で接続しています。
A社のユーザーがB社のユーザーとやり取りするとき、プロバイダ同士がつながる経路(インターネット)を通じて、通信できるというわけです。

プロバイダ同士は1対1でつながるか、IX(インターネットエクスチェンジ)というハブとなる設備を介して接続しています。
ISPはインターネットの出入り口
私たちが光回線でインターネットを利用するときの、回線経路の概略図を見てみましょう。
宅内ONU→回線事業者設備→プロバイダ設備→インターネット

端末から送信されたパケットは、光ファイバーケーブルなどを通って回線事業者の設備に届き、そこからプロバイダ設備を通ってインターネットに流れていきます。
インターネットへの橋渡しを行うのが、ISP事業者です。
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)と回線事業者の違い
ISPと回線事業者の違いは、次のとおりです。

ISPはインターネットへ接続する業務を担い、回線事業者は物理的な回線を提供します。
わかりやすく例えると、インターネットは線路でISPは駅、回線は駅までの道路です。
線路近くまで道路(回線)が伸びていても、駅(ISP)を利用しないと電車には乗れません(インターネットに接続できません)。
道路(回線)がないと、駅(ISP)までたどり着けないため電車には乗れません(インターネットに接続できません)。
道路(回線)と駅(ISP)の両方が揃っていることで、電車に乗る(インターネットに接続する)ことができます。

代表的な回線事業者
代表的な回線業者は次のとおりです。
- ・NTT東西
- ・KDDI
- ・電力系事業者
- ・ケーブルテレビ会社
代表的なISP
代表的なISPは次のとおりです。
- ・OCN
- ・ぷらら
- ・So-net
- ・BIGLOBE
回線とISPが一体となったサービス
回線とISPは本来バラバラに契約できますが、セットにして提供されるサービスも多いです。
回線とISPを一体として提供するサービスの例は、次のとおりです。
- ・ドコモ光
- ・ソフトバンク光
- ・auひかり
- ・NUROひかり
- ・電力系光回線
- ・ケーブルテレビ回線
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)の契約パターン
ISPを契約する方法は、主に2パターンあります。
それぞれのパターンごとに解説します。
ISPを個別に契約
1つ目は、回線とは別に、ISPを契約するパターンです。
たとえば、アクセス回線にフレッツ光ネクストを契約し、プロバイダにビッグローブを契約します。利用者は好きなISPを選択できますし、気に入らなければISPのみを変更することが可能です。
<個別に契約できる回線例>
- ・フレッツ光
ISPが指定されている回線を契約する
現在提供されている回線の多くは、回線料金にISPの利用料金が含まれており、利用するISPが指定されています。
回線を契約すると自動的にISPがついてくるため、個別に契約する必要はありません。
この場合、回線選び=ISP選びとなります。

<ISPが指定されている回線の例>
- ・NURO光
- ・ソフトバンク光
- ・So-net光プラス
- ・ケーブルテレビ回線
- ・電力系光回線
なお一部の回線では、一定範囲内でプロバイダを選択できます。
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)の通信方式
フレッツ光網を利用するISPの通信方式には、主に次の3種類があります。

それぞれの通信方法について解説します。
PPPoE方式
PPPoE方式は、電話回線を使ってダイヤルアップでインターネット接続したときの、「PPP」という仕組みを元にしたものです。
昔から使われているため、利用者数が多いといえます。
利用人数が増える時間帯では増大する通信量を捌き切れず、混雑の影響でインターネットの通信が非常に遅くなる現象が頻発しております。
PPPoE方式でインターネット接続する流れは次のとおりです。
<通信を始める前>
①プロバイダから割り当てられたユーザー名とパスワードをルーターに設定する
②回線事業者の設備にユーザー名とパスワードが送られる
③回線事業者の設備とプロバイダ設備の通信経路上にトンネルが作られる
④ルーターがTCP/IPの設定情報を受け取り自身に設定する
<通信する流れ>
①送信するパケットにPPPoEヘッダーが付加される
②回線事業者の設備がPPPoEヘッダー以後の部分を取り出す
③トンネリングの仕組みを使ってパケットを送信する

IPoE方式
「IPoE」と呼ばれる接続方式が最近では利用されるようになってきています。基地局内の「網終端装置」を経由しません。
また、インターネット黎明期から使われている「IPv4」ベースのIPアドレス体系ではなく、新しく制定された「IPv6」ベースのIPアドレス体系で通信を行います。
正確には、NTT基地局から「VNE事業者」と呼ばれる「IPv4」と「IPv6」のIPアドレスを変換する通信業者を介してインターネットに接続され、プロバイダーはその「VNE事業者」と連携し、契約者の認証のみ行います。
IPoE方式の通信の流れは次のとおりです。
①ルーターが設定情報をDHCPサーバーに要求する
②ルーターが設定情報を受け取り、自身に設定する
③データを送受信する
社内LANと同じ仕組みでTCP/IPを設定し、イーサネットのパケットをそのままやり取りするだけなので、PPPoE方式のように余分なヘッダーをつけることがありません。
IDやパスワードの設定も不要で、回線によって認証が行われます。
IPv4 over IPv6方式
「IPv4 over IPv6」は、IPv4ネットワークにアクセスするときも、IPoE方式で接続するための技術です。
IPv4へもIPoE方式を利用することで、IPv6へのアクセスと同様に、「混雑の影響を受けにくい快適な通信環境」を実現できます。
ユーザーの宅内にIPv4 over IPv6に対応したルーターを設置し、IPv4パケットをIPv6パケットでカプセル化して通信します。
注意したいのは、IPv4 over IPv6には複数の規格がある点です。
<代表的なIPv4 over IPv6規格>
- v6プラス
- クロスパス
- transix
- OCNバーチャルコネクト
利用する場合は、「ISPがどの規格に対応しているのか」を確認するようにしましょう。
利用するISPがv6プラスを採用しているのであれば、ユーザーが用意するルーターは、v6プラスに対応したものでなければなりません。

IPoE方式と「IPv4 over IPv6」はVNE事業者が提供する
IPoE方式とIPv4 over IPv6については、ISPと提携しているVNEと呼ばれる事業者によって提供されます。

VNEが一手にIPoE接続のための設備投資を引き受けることで、ISPは設備投資することなく、IPoE接続サービスをユーザーへ提供できるしくみになっています。
<代表的なVNE>
- ・JPIX
- ・インターネットマルチフィード
- ・アルテリア・ネットワークス
- ・NTTコミュニケーションズ
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)を選ぶポイント
ISPを選ぶポイントを解説します。
回線速度の安定性
最も大切なのは、回線速度の安定性です。
インターネットを利用する際は必ずISPの設備を経由するため、ISPの設備の状況によって通信品質が変わります。
設備状況が思わしくない場合、以下のようなことが発生しやすいでしょう。
- ・通信が途切れがちになる
- ・混雑しやすい時間帯に速度が低下する
- ・障害発生の頻度が多い
上記については、評判や口コミから判断する必要があります。
サポート体制
サポート体制がしっかりしたISPを選びましょう。
初期設定やトラブルなどで問い合わせする場合、サポート体制が良くないISPであれば、解決するまでに時間がかかってしまいます。
ルーターレンタルの有無(フレッツ系回線の場合)
フレッツ光回線や光コラボを利用する場合、ルーターをレンタルできるISPがおすすめです。
フレッツ系回線で最も快適に通信できるのは「IPv4 over IPv6」で通信したときです。
利用するには対応したルーターをユーザー宅に準備する必要がありますが、ルーターをレンタルできるISPであれば、ルーター選びに手間がかかりません。
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)のトレンド
ISPの新しい流れについて解説します。
PPPoE方式を提供しない回線が誕生
通信方式にIPoE方式とIPv4 over IPv6のみを利用し、PPPoEを使用しない回線が少しずつ増えています。
<PPPoE方式を提供しない光回線>
- @nifty光 WebLiko(2022年8月提供開始)
- ahamo光(2023年7月提供開始)
混雑しやすいPPPoE方式は、除外される方向にあるのかもしれません。
法人向けDoRACOONならプロバイダ契約なしで利用できる
ISP込みで提供される光回線は多いものの、回線工事に1~2ヶ月待たされることも少なくありません。
新たに回線を引くのであれば、法人向けモバイル通信サービス「DoRACOON」を検討してみてはいかがでしょうか。
回線工事の必要はなく、電源を差し込むだけで手軽に利用できます。
またDoRACOONは複数キャリアに対応したクラウドSIMを利用しているので、プロバイダ契約は不要です。
DoRACOONは、少人数の事業所や、特定の機器用でインターネット回線の開設を考えている方におすすめです。

2023-9-20
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