
イントラネットとは、社内のメンバーだけがアクセスできるWebベースの情報共有システムです。本記事では、初心者向けにイントラネットの活用例と運用時の注意点をまとめました。
INDEX
- 1.イントラネットとは
- 2.イントラネットのクラウド化
- 3.イントラネットの構築状況
- 3.1.2000年時点で約4割の企業がイントラネットを導入
- 3.2.従業員数が多い企業ほど導入率が高い
- 4.イントラネットの役割
- 4.1.情報の共有
- 4.2.文書管理
- 5.イントラネットの活用例
- 5.1.社内規定の掲示
- 5.2.マニュアルや操作手順動画の共有
- 5.3.アプリケーションへのリンク
- 5.4.事例の共有
- 5.5.意見を交わす場
- 6.イントラネットとインターネット、エクストラネットの違い
- 6.1.イントラネットは社内限定の情報共有システム
- 6.2.エクストラネットは関連会社や取引先もアクセスできる情報共有システム
- 6.3.インターネットはだれでもアクセスできる通信網
- 7.イントラネットの利点
- 7.1.専用のソフトが不要
- 7.2.操作がかんたん
- 7.3.説明文を入れられる
- 8.イントラネット運用時の注意点
- 8.1.モバイル端末への最適化が必要
- 8.2.セキュリティ機能は自前で構築する必要がある
- 8.3.社外から利用するにはVPNの構築が必要
- 9.イントラネットを実装する方法
- 10.イントラネットをクラウドサービスで実装するメリット
- 10.1.機能が一通り揃っている
- 10.2.双方向のコミュニケーション機能がある
- 10.3.最初からモバイル端末に最適化されている
- 10.4.サーバーを管理する労力がかからない
- 10.5.VPNを利用しなくてよい
イントラネットとは
イントラネットとは、社内の情報共有を目的として構築されたWebシステムです。
イントラネットが大きく普及した2000年ごろ、多数のPC間で情報を共有するためには、専用のソフトウェアを用意する必要があり、その費用も高額でした。
ですがイントラネットは、かんたんにいえば社内LAN/WAN上にホームページを作成するだけなので、費用をほとんどかけずに構築できます。
さらに、クライアントPCに必要なのはWebブラウザだけです。
安いコストで社内の情報共有を行えるという点で、イントラネットは大きく普及しました。
イントラネットのクラウド化
従来のイントラネットは社内LAN/WAN上に構築されるものでしたが、クラウドで利用できるサービスが増えたことにより、クラウド上に構築されるケースも増えています。

<イントラネットのクラウドでの利用例>
- ・PaaSを利用してオンプレミスで構築済みのイントラネットをクラウドへ移行する
- ・機能が最初から搭載されているSaaSを利用する
従来のイントラネットも現代のイントラネットも、「組織のメンバーだけがアクセスできる情報共有を目的としたWebサイト」である点は変わりません。
ただし現代のイントラネットの定義には、インターネット上のWebサイトも含まれます。
イントラネットの構築状況
イントラネットは一般的な技術として定着しており、2023年現在、構築している企業の割合についての調査はされていません。
ここでは平成13年(2000年)の通信利用動向調査から、2000年当時のイントラネット利用状況を見ていきましょう。
2000年時点で約4割の企業がイントラネットを導入
2000年時点でイントラネットを利用している企業の割合は、44.2%です。

出典:平成13年版 情報通信白書 図表2 イントラネット構築状況
1998年の調査から2年でおよそ2倍に増加しており、イントラネットの普及が大きく進みました。
従業員数が多い企業ほど導入率が高い
299人以下の企業でイントラネットを構築している割合は24.4%であるのに対し、5,000人以上の従業員を抱える企業では、67.6%となっています。

出典:「平成 13 年 通信利用動向調査報告書 企業編」 図1-11従業者規模別イントラネットの構築状況
従業員規模が大きい企業ほど、イントラネットを構築している割合が大きいといえます。
イントラネットの役割
イントラネットの役割について解説します。
情報の共有
社員へ周知したい情報をイントラネット上に掲載しておくことで、社員が必要なときに必要な情報を見ることができます。
参照する情報を所属部門ごとにまとめて部門別にページを作成しておけば、社員にとっても見やすく便利でしょう。

文書管理
社員が参照すべき文書のポータルサイトとしての側面もあります。
申請書の雛形やマニュアル等へのリンクを貼ることで、社員がいつでも必要なときに、文書を取り出せます。
イントラネットの活用例
イントラネットの活用パターンの一例を紹介します。
社内規定の掲示
社員規定や就業規則など、従業員へ周知すべき文書の置き場として利用できます。
マニュアルや操作手順動画の共有

各種マニュアルの置き場としても活用できます。
誰が見てもわかるよう、ファイル名や更新日時などを整理して掲載しましょう。
また業務ソフトの手順動画の置き場所としても活用できます。
アプリケーションへのリンク
業務で利用するアプリケーションへのリンクをまとめて掲載することで、業務アプリのポータルサイトとして活用できます。
事例の共有
営業活動の成功事例やトラブル対処事例など、積極的に共有したい事柄を共有する場として活用できます。
社内の同種の部署に、水平展開するためのきっかけを作れます。
意見を交わす場
スレッドを建てられる掲示板のような機能があれば、意見を交わす場としても活用できます。
たとえばハウスメーカーの日野設計では、社内イントラ上に、デザイン戦略について意見を交わす場があります。
イントラネットとインターネット、エクストラネットの違い
イントラネットとよく似た言葉に、エクストラネットとインターネットがあります。
ここでは、上記3つの違いを解説します。

イントラネットは社内限定の情報共有システム
イントラネットは、社内限定で利用できる情報共有システムです。
社内LAN・WAN上のWebサーバー、または社員だけがログインできるインターネット上のWebサイトを利用します。
エクストラネットは関連会社や取引先もアクセスできる情報共有システム
エクストラネットは、企業間で情報共有することを目的としたシステムです。
社内限定の情報共有システムであるイントラネットとは異なり、取引先や販売店なども利用します。
VPN等の技術を使用し、他社のネットワークからでもイントラサーバへアクセスできるようにしたものです。
インターネットはだれでもアクセスできる通信網
インターネットは世界規模の情報通信ネットワークで、だれでも利用できます。
イントラネットとエクストラネットはどちらも「情報共有システム」ですが、インターネットは「ネットワーク(通信網)」です。

イントラネットの利点
イントラネットを利用するメリットについて解説します。
専用のソフトが不要
イントラネットはWebブラウザさえあれば利用でき、特別なソフトは必要ありません。
クライアントPCをリプレイスする際もソフトをインストールする必要がないため、セットアップのコストが低いといえます。
操作がかんたん

イントラネットはインターネットを閲覧するときと同じ感覚で利用できるため、PCに詳しくない方でもかんたんに操作できます。
必要なファイルを探しやすい構造にさえなっていれば、利用者をフォローするコストはかかりません。
説明文を入れられる
イントラネットはホームページと同じしくみを利用するため、画面に任意のテキスト文書を入れられます。
文書を扱う上での注意点など補足事項を入れられる点で、単にファイルが置いてあるだけのファイルサーバーよりも、利用者にとって使いやすいシステムといえます。
イントラネット運用時の注意点
イントラネットを運用・管理する際に注意すべきことをまとめました。
モバイル端末への最適化が必要
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末も業務で利用される機会が増えたため、イントラネットにおいてもモバイル端末への最適化が必要です。
モバイル端末ではコンテンツが表示されなかったり、モバイル端末でアクセスしたときにPCサイズでしか表示されなかったりする場合は、イントラネットの更新・見直しが必要になるでしょう。
セキュリティ機能は自前で構築する必要がある
イントラネットは基本的に、社内LANやWAN上からであればだれでもアクセスできます。
もしサイバー攻撃などで第三者が社内ネットワークに不正アクセスした場合、イントラネット上の情報が漏洩してしまうでしょう。
「イントラネットへアクセスしたときにログインIDとパスワードを要求する」などの対策が有効です。
しかし、認証システムを構築する労力や管理・運用するためのコストが増大するでしょう。
社外から利用するにはVPNの構築が必要
イントラネットのWebサーバーの設置場所は企業内のため、社外から利用するにはVPN環境を構築する必要があります。
VPNルーターを用意し、アクセスする端末に設定を施す必要があります。

イントラネットを実装する方法
イントラネットを実装するには、物理的なサーバーを用意し、社内イントラ用サーバーとして利用します。
管理しやすいようにスマートフォンに最適化させたい場合は、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を利用するとよいでしょう。
テキストとリンクだけの簡素なイントラであれば、テキストエディタにHTMLタグを打ち込むことで構築できます。
イントラネットをクラウドサービスで実装するメリット
自前でサーバーを構築せず、クラウドサービスを使ってイントラネットを実装することもできます。
ただしクラウドサービスを利用する場合、Webサーバーの置き場所はインターネット上となり、社内ネットワーク上には設置しません。
ここでは、クラウドサービスを使ってイントラネットを実装するメリットについて解説します。
<クラウドベースのイントラネットサービスの例>
- ・Microsoft Share Point
- ・Workplace from Meta
- ・kintone
機能が一通り揃っている
クラウドベースのイントラネットサービスを利用する場合、ビジネスで利用できる機能が最初から備わっています。
一からシステムを構築する必要がないため、イントラネットの運用開始までの時間を短縮できます。
双方向のコミュニケーション機能がある
従来のイントラネットにはない、チャット機能やビデオ会議システムなどの機能が備わっています。
一方的に情報発信するトップダウン型ではなく、双方向でコミュニケーションできるイントラネットを構築できるため、従業員間のコラボレーションを促進できます。
最初からモバイル端末に最適化されている
モバイル端末用のアプリがあり、最初からモバイル端末に最適化されています。
モバイル端末用のイントラネットを構築する手間がかかりません。
サーバーを管理する労力がかからない
物理的なサーバーを設置する必要はないため、サーバーを運用・管理するコストがかかりません。サービスによっては設定で自動的でバックアップも行ってくれるためバックアップにかかるコストも不要です。
VPNを利用しなくてよい
Webサーバーがインターネット上にあるため、VPNを利用しなくても利用できます。
テレワーク利用者や外勤者向けに、端末をセットアップする必要がありません。

まとめ
従来のイントラネットは社内のローカル環境にイントラサーバーを設置しますが、クラウドで利用できるサービスが発達したことにより、ローカル環境にサーバーを置かないケースも増えています。 クラウドサービスであれば、サーバーを管理するコストが不要で、セキュリティやチャットなどのビジネスに必要なあらゆる機能が標準で搭載されています。 イントラネットをこれから構築する、または更新を考えるのであれば、ぜひクラウドベースのサービスも検討してみてください。

2023-9-20
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