本記事ではドローン初心者向けに、ドローンに使われる通信方式について解説します。
ドローンの通信方式について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
INDEX
- 1.ドローンには無線通信が必要
- 2.ドローン無線通信の変調方式
- 2.1.FM方式
- 2.2.FH方式
- 3.ドローンで使われる無線通信の種類
- 3.1.小出力の電波
- 3.2.高出力の電波(無人移動体画像伝送システム)
- 3.3.アマチュア無線
- 3.4.モバイル通信網
- 4.ドローンでインターネット通信が必要になるシーン
- 4.1.機体・送信機のアクティベーション
- 4.2.機体・送信機のファームウェア更新
- 4.3.遠隔での操作・遠隔での飛行計画
- 4.4.遠隔操作と制御
- 4.5.地図データの読み込み
- 5.山間部でのドローン地図データ読み込みにはDoRACOONがおすすめ
- 5.1.クラウドSIMでつながりやすい
- 5.2.休止プランがあるから閑散期に節約できる
- 5.3.薄型だから持ち運びしやすい
ドローンには無線通信が必要
ドローンにはドローン機体と、ドローン機体の操作を行う送信機(コントローラー)の2つから構成されます。通信機能を備えたデバイスとしても使用されており、ドローンがデータを送信および受信するためにこの2つはペアリングされ、無線で通信を行います。
通信の主な用途は次の2つです。
- ・ドローン機体の操作
- ・ドローン機体からの映像・データ受信
ドローン無線通信の変調方式
ドローン無線通信の変調方式としては、以下の2種類が使われています。
FM方式
FM方式(周波数変調方式)は、ドローン機体からの映像送信時に使われます。
振幅(波の大きさ)は一定で、周波数(1秒間に発生する波のサイクル)を変化させます。
搬送波の振幅が一定なので、他の電波と容易に区別でき、ノイズに強いことが特徴です。
FH方式
FH方式(周波数ホッピング方式)は、送信機から機体を操作するときに使われます。
一定の規則で周波数を高速に切り替えながら通信し、受信側もまったく同じ規則で周波数を切り替えるため、通信が可能になるというものです。
同じ周波数帯を利用する機器が周囲に存在しても、その影響を受けにくいとされています。
ドローンで使われる無線通信の種類
ドローンで使われる無線通信の種類は、大きく次の4つのカテゴリに分けられます。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ドローン市場では、一般的に「小出力の電波を利用する」カテゴリの周波数2.4GHz帯(2400-2,483.5MHz)の製品が最も多く流通しています。
電波は国によって管理されているため、無線を利用するには原則として免許と届け出を必要としますが、一定の要件を満たせば免許や無線局の届け出なしで利用できます。
中でも2.4GHz帯は、他の周波数帯(73mHz帯、920mHz帯)に比べて利用できる周波数帯が非常に大きく、映像等のデータ伝送に向いているため有用です。
小出力の電波
細かく分けると、次の3つの無線局があります。
<届け出・免許なしで利用できる周波数帯>
73mHz帯は、ラジコンの操縦などのおもちゃに、920MHz帯は、電気やガス等のメーターをオンラインで取得するスマートメーターに利用されています。
2.4GHz帯は、無線LANルーターや電子レンジ等の身の回りの製品に多く利用されており、多くのドローンはこの2.4GHz帯に対応しています。
上記いずれの周波数帯を利用する場合でも、操縦者の免許や無線局の免許は不要です。
- ・操縦者の免許:不要
- ・無線局の開設:不要
しかし920MHz帯/2.4GHz帯の対応製品を免許不要で利用する場合、技適マークがついた無線設備(製品)を利用する必要があります。
高出力の電波(無人移動体画像伝送システム)
より長い距離でデータ伝送するニーズに応えるため、高い出力の電波を利用する周波数帯域が2016年に確保されました。
5.7/5.8GHz帯は、産業用ドローンで使用されることがあります。5.8GHz帯は遅延が少ないため、ドローンレース機のFPV※には5.8GHzの電波が使用されます。
※FPV(First Person View(ファースト・パーソン・ビュー))・・・ドローンの機体に取り付けられたカメラの映像をヘッドマウントディスプレイで見ながら、まるで自分がドローンに乗っているかのように操縦できるシステム
高出力の電波が利用される周波数帯は次のとおりです。
<無人移動体画像伝送システム>
- ・169MHz帯
- ・2.4GHz帯(2483.5-2494MHz)
- ・5.7GHz帯
メインの回線は2.4GHz帯と5.7GHz帯で、169MHz帯はバックアップ用の回線です。
これらの周波数帯は、ドローンだけではなく、地上で動作する産業用ロボットにも利用されます。
操縦者には第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要で、無線局の開設申請も必要です。
- ・操縦者の免許:第三級陸上特殊無線技士以上
- ・無線局の開設:必要
アマチュア無線
国が管理する電波の中には、アマチュア無線に利用できる周波数帯が確保されています。
アマチュア無線でドローン飛行に利用される周波数帯は次のとおりです。
- 5,690~5,725MHz
- 5,730~5,755MHz
- 5,757~5,760MHz
- 5,762~5,765MHz
- 5,770~5,810MHz
出典:アマチュア無線によるFPVドローン利用時の注意事項-総務省
用途としては、ドローンレース(FPV)に利用されます。
操縦者はアマチュア無線技士の資格を取得する必要があり、さらにアマチュア無線局免許を申請する必要があります。
- ・操縦者の免許:アマチュア無線技士
- ・無線局の開設:必要
なお、アマチュア無線は利益を目的とした業務には利用できません。
モバイル通信網
2020年12月、ドローン機体を4Gや5Gといった携帯電話通信網に接続するしくみが整備されました。
モバイルネットワークを経由して操作を行えるようになると、操縦者とドローン機体の距離がかなり離れている状態でも飛行が可能になり、より長距離で運用できるようになります。
災害発生時における遠隔地のリアルタイム映像伝送や、遠隔地への長距離物流など、幅広いシーンでの活用が期待されます。
ドローンがモバイル通信に利用する周波数帯は次のとおりです。
- ・800MHz帯
- ・900MHz帯
- ・1.7GHz帯
- ・2GHz帯
操縦者の免許は不要で、無線局の免許も不要となっています。
- ・操縦者の免許:不要
- ・無線局の開設:不要(携帯電話事業者の包括免許で運用)
通信キャリアに対応した通信モジュールを機体に組み込み、キャリアのドローン専用プランへ加入する必要があります。
またキャリアに対して上空利用手続きを行う必要があります。
ドローンでインターネット通信が必要になるシーン
ドローンの飛行にインターネット通信は必要ありませんが、以下のシーンではインターネット接続が必要です。
接続方法としては、インターネットに繋がっているデバイスとケーブルでつなぐ方法や、WiFi(無線LAN)で接続する方法があり、機種によって異なります。
機体・送信機のアクティベーション
購入したドローン機体と送信機を有効化する際に、インターネット接続が必要になります。
機体・送信機のファームウェア更新
機体と送信機それぞれのソフトウェアをアップデートする際にもインターネット接続が必要です。
ファームウェアをアップデートすることで、バグが解消されサイバー攻撃に遭うリスクを低減できます。
またドローンは大量のデータを収集し、それをクラウドストレージにバックアップしたり、リモートサーバーに定期的に送信します。これにより、データの保存とその後の解析が可能になります。
遠隔での操作・遠隔での飛行計画
オペレーターがドローンの動きを一時的に監視および制御するためにインターネット通信が使用されます。
また飛行計画や航空への通知は、オペレーターがインターネットを介して行われ、これにより飛行経路の安全性を確保し、法的要件を遵守できます。
遠隔操作と制御
リモートで制御する場合、インターネットを介して通信し、オペレーターのコマンドを送信受信する必要があります。これにより、遠隔からドローンを操作し、飛行中の制御が可能です。
またドローンの運用状況や飛行データ(位置、高度、速度など)を監視し、オペレーターや航空に手動で報告するために、インターネット通信は使用されます。
他にも複数のドローンオペレーターが、同じドローンミッションに協力して参加する場合にも、インターネット通信はコミュニケーションと協力の手段として利用されます。
地図データの読み込み
あらかじめドローンの飛行ルートを設定する場合、地図データを読み込み、飛行経路をセッティングする必要があります。
頻繁に映像をキャプチャする地図データの読み込みには遠隔地のオペレーターに送信するためにインターネット接続が必要です。
測量業務で飛行経路をセッティングする場合は航空画像を読み込む必要があるため、現場において電波の強いキャリアで通信することが必須になります。
山間部でのドローン地図データ読み込みにはDoRACOONがおすすめ
山間部など、電波が届きにくい場所で地図データを読み込むときには、DoRACOONがおすすめです。
クラウドSIMでつながりやすい
DoRACOONは、クラウドSIM技術を使った法人専用のWiFiルーターです。
複数のキャリアから、利用する場所に応じてつながりやすいキャリアが自動選択されます。
複数のキャリアのスマートフォンまたはモバイルルーターを持ち歩く必要はなく、荷物は最小限で済みます。
休止プランがあるから閑散期に節約できる
DoRACOONは休止プランを利用できます。
測量業務などの業種では繁忙期と閑散期がありますので、休止プランに変更することでランニングコストを抑えられます。
薄型だから持ち運びしやすい
DoRACOONのモバイルルーター「DOR03」は薄型でコンパクトなサイズです。
重さもわずか133gと軽く、現場のお仕事でも持ち運びが苦になりません。
まとめ
インターネット通信は一般的にドローン飛行には必要ありませんが、機体の有効化、一時更新、リモート操作、遠隔飛行計画、地図データの読み込みなど特定のシーンで必要です。 ドローンを飛行させるには通信だけでなく場所によって許可を取得する必要性がありますので確認してから飛行計画を立てましょう。
2023-9-20
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