
ネットワークカメラは、セキュリティ監視やモニタリングなどの用途で活用されています。
本記事では、ネットワークカメラの基本的な情報から種類、ネットワークカメラを選ぶ際の重要なポイントを解説します。
INDEX
- 1.ネットワークカメラとは
- 1.1.Webカメラとの違い
- 2.ネットワークカメラの種類
- 2.1.①利用場所
- 2.2.②形状
- 2.2.②形状
- 2.4.④通信方式
- 2.5.⑤給電方式
- 2.6.⑥遠隔からのカメラ首振り操作(PTZ)
- 3.ネットワークカメラの種類
- 3.1.マイク内蔵
- 3.2.スピーカー内蔵
- 3.3.自動追尾
- 3.4.通知
- 3.5.AIによるインテリジェント機能
- 3.6.車両ナンバープレートの認識
- 3.7.来店顧客の属性分析
- 3.8.混雑の検知
- 4.ネットワークカメラの利用用途
- 4.1.防犯・監視
- 4.2.事故やトラブル時の記録
- 4.3.作業状況の確認
- 4.4.密集回避
- 4.5.マーケティング
- 4.6.モニタリング・見守り
- 5.ネットワークカメラを導入するポイント
- 5.1.目的を明確にする
- 5.2.撮影したいエリアの範囲を決める
- 5.3.映像の保存期間を決める
- 5.4.クラウドを利用する場合は暗号化されていることを確認
- 6.固定回線がない場所でネットワークカメラを利用する方法
- 6.1.SIMカードユニットをカメラに外付けする
- 6.2.ホームルーターを利用する
ネットワークカメラとは
ネットワークカメラとは、パソコンやスマートフォンなどと同じ通信方式(IP)を利用するカメラのことで、IPカメラとも呼ばれます。
本体内部にコンピュータが内蔵されており、機器そのものにIPアドレスが割り振られているため単独でインターネットに接続できる点が大きな特徴です。
カメラ用に別系統のネットワークを用意しなくてもよいため、効率的に管理・運用できます。パソコンやスマートフォンから映像を確認でき、AIなどの先端技術と組み合わせることも可能です。
遠隔地にいながらスマートフォンやパソコン・タブレットなどでカメラの映像確認や、インターネット経由でデータの保存ができます。
映像の閲覧以外にも、撮影する方向を変える、ズームなど操作も可能で制御機器を用意する必要も、基本的にはありません。
Webカメラとの違い
ネットワークカメラとWebカメラは、IPネットワークを利用する点では同じです。
2つの違いは次のとおりです。

ネットワークカメラは、カメラ本体が独立し、1つのコンピュータとして動作します。
利用目的は指定された範囲を録画するためで、コミュニケーションの用途では通常使われません。

一方Webカメラは、パソコンとケーブルで接続したものかデバイスに内蔵されたものとなっており、Webカメラ単体では動作しません。
Web会議やライブ配信などのリアルタイムでの双方向通信に用いられ、主にコミュニケーションを目的に利用されます。以上のように、ネットワークカメラとWebカメラは利用目的が異なります。
ネットワークカメラの種類
ここでは、以下6つの観点からネットワークカメラの種類を解説します。
- ・利用場所
- ・形状
- ・録画データの保存先
- ・通信方式
- ・給電方式
- ・遠隔からのカメラ首振り操作(PTZ)
①利用場所
ネットワークカメラは、利用場所に応じて以下2種類に大きく分類できます。
- ・屋内用
- ・屋外用
屋外用のネットワークカメラは屋内用に比べて防水・防塵性能が高く、雨や砂などに強い性能をもちます。
なお屋内用カメラであっても、ハウジングという頑丈な箱に収納し防水・防塵性能を高めれば、屋外へ設置することも可能です。
②形状
ネットワークカメラの代表的な形状は以下の2つです。
- ・ドーム型
- ・ボックス型
ドーム型のネットワークカメラは、半球体のカバーに覆われたものです。
カメラがあまり目立たないため、顧客へ威圧感を与えたくないときや、景観を損ねたくないときに適しています。
ボックス型のカメラは、長方体の形をした、いかにも監視カメラの風貌をしたものです。
非常に目立ち威圧感を与えるため、盗難など犯罪行為の防止を目的としたケースに適しています。

③録画データの保存先
ネットワークカメラが撮影した映像の保存先は主に次の3種類があり、必要に応じて複数の保存先を組み合わせて利用します。

従来のネットワークカメラでは、撮影したデータをレコーダーに保存しておくのが一般的でした。
カメラとレコーダーをケーブルで接続することで、カメラで撮影した映像がレコーダーに取り込まれます。
レコーダーの設置スペースは必要ですが、大量の録画データを長期間保存できます。

最近活用されているのが、クラウド環境にデータを保存する方法です。
カメラで撮影された映像は、ルーターを介して、インターネット上にあるクラウドサーバーに保存されます。
社外からでも閲覧が可能になる点はメリットですが、従来のレコーダーに比べると、保存できる容量が少なめです。
また、クラウドサービスの利用料がランニングコストとして発生します。
他にはカメラ本体に挿入されたSDカード内に動画を保存するものです。
Webブラウザなどを通じてカメラ本体にアクセスし、動画を確認できます。
SDカード内に保存できる容量は上記2つに比べるとごくわずかであるため、予備系統としての利用が一般的です。
④通信方式
ネットワークカメラの通信方式は、次の2種類があります。

有線LANでは、ネットワークカメラの通信にLANケーブルを利用します。
ケーブルの配線は必要になりますが、映像がケーブルを通じて流れるため安定した通信が可能です。
無線LAN(WiFi)はLANケーブルを使わず、電波を使って通信する方式です。
電波は障害物やノイズに弱いため、ノイズの多い環境や広いエリアでの通信には向いていません。
ただしLANケーブルの配線は不要なため、設置は簡単です。
⑤給電方式
ネットワークカメラの給電方式は、次の2種類があります。

ACアダプタは他の電化製品と同様に、電源コンセントから給電する方式です。
ネットワークカメラの近くに電源コンセントがない場合は、電源工事が必要になるケースがあります。
PoE給電方式は、LANケーブルから給電する方式です。
電源ケーブルが不要なため、電源のない場所でも設置でき取り扱いも楽です。
PoE給電を利用するには、PoE規格に対応したスイッチを用意する必要があります。
⑥遠隔からのカメラ首振り操作(PTZ)
遠隔からカメラの首振り操作ができるカメラを、PTZカメラと呼びます。

PTZはパン(左右)・チルト(上下)・ズーム(拡大)のそれぞれの頭文字で、カメラを上下左右に操作できることが特徴です。
首振り操作を通じて広範囲のエリアをカバーするため、人による見回り業務を代替できます。
ただしカメラが見てるエリアしか記録されないため、複数の固定カメラや、人や車などを自動的に検出してくれる自動モーション検出機能と組み合わせて利用されます。
ネットワークカメラの便利な機能
ネットワークカメラに付加されている、便利な機能をまとめました。
マイク内蔵
ネットワークカメラ本体にマイクが内蔵されているものは、ネットワークカメラが設置されている場所の音声を取得できます。
スピーカー内蔵
スピーカーが内蔵されているものは、ネットワークカメラが設置されている場所への声がけが可能です。
自動追尾
センサーが搭載されているカメラでは、人や車など動くものを検知し、自動でカメラが被写体を追いかけて撮影します。

通知
通知機能があるものは、カメラの映像に変化があったときに、スマホアプリやメールで通知を出せます。
AIによるインテリジェント機能
ネットワークカメラとAIを組み合わせることで画像の分析を行えるようになり、これまで人が行ってきた作業の一部を自動化できるようになりました。
具体例としては、以下があります。
- ・車両ナンバープレートの認識
- ・混雑の検知
車両ナンバープレートの認識
ゲート付近に取り付けたネットワークカメラが通過する車両ナンバープレートを認識し、あらかじめ登録されている車両であれば、ゲートは自動で開きます。
未登録車両のみ保安員が対応するため、人の配置を効率化できます。
最近ではショッピングセンターの駐車場にも入出庫、駐車時間の管理に使用されています。
来店顧客の属性分析
カメラの映像から、来店顧客の性別や年齢などを判別します。
顧客がどの時間帯に多いのか、また見ている商品のカテゴリがわかり、マーケティングに活用できます。
混雑の検知
AIカメラによって混雑を検知し、メールやサイネージ、Webサイトなどで顧客にお知らせを表示できます。
混雑状況がわかるため、混雑回避ができ混雑によるストレスを軽減することで顧客満足度の向上が見込めます。
ネットワークカメラの利用用途
ネットワークカメラは防犯目的をはじめとして、さまざまな活用シーンがあります。
一般的な利用用途について解説します。
防犯・監視
ネットワークカメラは、防犯カメラやセキュリティとして活用されています。
店舗の場合であれば万引きや内引き対策に、駐車場であれば不審者などを離れた場所からもリアルタイムに監視できます。
主な設置場所は、次のとおりです。
- ・駐車場
- ・資材置場・倉庫
- ・建物の入口
- ・公共の場所
- ・事務所/店舗

ネットワークカメラを設置することで犯行しにくい環境となり、犯罪を未然に防ぐ効果もあるでしょう。
事故やトラブル時の記録
顧客とのトラブルや事故などが起きた場合の記録や証拠としてもネットワークカメラは使われます。
小売店など接客業で多いのは顧客とのトラブルであり言った言わないといった議論にもなりがちですが、マイク内蔵のネットワークカメラがあれば、会話の内容も含め映像にきちんと残るため、トラブルが起きた原因などの追求がしやすくなります。
作業状況の確認
従業員の接客状況や、工場の作業員の状況をリアルタイムで確認できます。
製造現場などでは作業状態を映像でチェックすることで、さらなる効率化や品質向上につなげることも可能です。小型のネットワークカメラを使えば、従来では確認できなかった、機械の内部なども映像でモニタリングできます。
密集回避
ネットワークカメラの検知機能を応用することで、オフィス等における密集回避対策にも繋がります。
人数カウントが可能なネットワークカメラであれば、特定の場所や会議室などの入室人数をカウントし、一定人数を超えた時点でスピーカーなどを通じてアラートを出すことで密集を避けられます。
マーケティング
マーケティングに活用するケースも増えてきています。数カウント機能や、映像識別などの機能を使い、スーパーなどの来店客数や客層を把握できれば、POSデータと合わせてよりきめ細かな販売戦略を立てられます。
他にも来店者の行動を分析することで、売り場のレイアウト改善などにも役立ちます。
モニタリング・見守り
離れた場所から一人暮らしの高齢者、介護施設や保育園などの状況をモニタリングや外出する際のペットの見守り用に、ネットワークカメラが役立ちます。
モニタリングの例は、次のとおりです。
- ・別部屋からの赤ちゃんの見守り
- ・外出先からのペットの見守り
- ・人が容易に立ち入れない施設(発電所、ソーラーパネル設置場所等)
- ・畜産施設
- ・河川・交通状況

ネットワークカメラを導入するポイント
ネットワークカメラの導入には工事を伴うことが多いため、専門業者に発注するのが一般的です。
業者に発注する際の注意点をまとめました。
目的を明確にする
ネットワークカメラの導入目的を明確にしましょう。
目的によって、導入するカメラの機種や構成が異なります。
撮影したいエリアの範囲を決める
撮影したいエリアの範囲を決めておきましょう。
エリアの広さによっては、複数台のカメラが必要になります。
映像の保存期間を決める
映像の保存期間を決めておきましょう。
残しておきたい期間によって、映像の保存先のタイプが異なってきます。
クラウドを利用する場合は暗号化されていることを確認
録画データの保存先にクラウドを活用する場合は、カメラからクラウドまでの通信経路が暗号化されていることを確認してください。
通信経路が暗号化されていれば、インターネット上での通信傍受を防げるため、安全に利用できます。
固定回線がない場所でネットワークカメラを利用する方法
固定回線が引かれていない施設でも、ネットワークカメラを設置できます。
ただし遠隔から映像を確認するには、インターネット回線が必要です。
固定回線なしでインターネットに接続するには、以下の2つの方法があります。
- ・SIMカードユニットをカメラに外付けする
- ・ホームルーターを利用する
※カメラのメーカーによっては推奨回線が指定されていますので、業者やメーカーにご確認ください
SIMカードユニットをカメラに外付けする
ネットワークカメラには、通常SIMカードを挿入するためのスロットがありません。
ですがメーカーによっては、ネットワークカメラのオプションとしてSIMカードユニットを販売しているところがあります。
上記のオプションをカメラに取り付けることで、カメラ本体がモバイル回線に直接接続されます。
ホームルーターを利用する
LAN接続が可能なので、安定してインターネット回線が利用できるでしょう。

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