DoRACOON NTTMEDIAS

企業の課題

企業の
課題

工場におけるWiFiの利用と導入手順

2024-3-22

「人材不足」「人的ミスによる品質低下」など、製造業が直面している課題の解決策としてデジタルトランスフォーメーション(DX)が注目されています。

生産性向上や作業効率の向上など、多くのメリットがあるため工場におけるWiFiの導入が進んでいます。

本記事では、工場でのWiFi利用の代表的な用途や導入手順、注意点について詳しく解説していきます。

 

工場の広い敷地をカバーするための無線ネットワーク構築や、遮蔽物が多い環境下での導入について、成功するポイントを探っていきましょう。

 

工場におけるWiFiの利用用途

まず、工場でのWiFiの主な使い道について見ていきましょう。

事務系ネットワークへのアクセス

WiFiを介してPCなどを事務系ネットワークに接続することで、グループウェアや電子メール、オフィスアプリケーションなどを利用できます。

事務作業を事務所へ戻らなくても行えるため、業務の効率が向上します。

製造系アプリケーションの利用

WiFiを通じて、製造業向けアプリケーションを利用できます。

 

タブレットやハンディターミナルで作業管理や在庫管理などのリアルタイム情報を移動しながら更新や確認することで効率化可能です。

生産プロセスの効率が向上し、柔軟かつ迅速な対応を実現できます。

屋外エリアでWiFiを使う

屋外エリアもWiFiでカバーすることで、屋外でのモバイル端末の利用やIPカメラのバックボーン回線として活用できます。

防犯カメラや生産設備のモニタリング等に利用することで、リアルタイムな映像やセキュリティアラートを素早く取得でき、安全性の向上と迅速なトラブル対応が可能となります。

ロボットやAGVの制御

 

 

産業用ロボットや、無人搬送車(AGV)を制御するための回線として利用できます。

制御系ネットワークでは通信の遅延や途絶が許容されないケースが多いため、高品質のネットワーク設計が必要です。

工場でWiFiを導入するメリット

工場でWiFiを導入するメリットを解説します。

設備や機器の柔軟な配置変更が可能

WiFiを活用することでケーブルが不要になり、製造ラインの組み替えやレイアウト変更にも簡単に対応できます。これにより、生産プロセスの変更や拡張がスムーズに行なえます。

モノや人が常に動く工場に適している

センサーなど新しいIoTのデバイスを増設する際もケーブルが不要なため、モノや人が絶えず動き回る工場に最適です。作業スペースや経路に制約がなく、効率的な業務を実現できます。

移動しながらの情報アクセスが可能

作業者はモバイルデバイスを通じて、移動しながらでもリアルタイムな情報にアクセスできます。現場での即座な情報共有や作業指示が可能になり、生産性の向上や迅速な対応が実現します。

工場におけるWiFi導入の課題

工場にWiFiを導入する際には、以下のような工場特有の課題に対処する必要があります。

金属製の遮蔽物

生産現場には多くの金属製のものがあり、これらが電波の通信を妨げる可能性があります。

金属製のものが存在することで電波の弱い場所ができ、通信の遅延や途切れが生じやすくなります。

 

無線アクセスポイントの設置に際しては、これらの遮蔽物を考慮して適切な設置場所を検討する必要があります。

レイアウト変更

生産設備の配置変更や新しい設備の追加など、工場のレイアウト変更が行われると、電波環境が変化する可能性があります。

 

無線アクセスポイントの設置場所を変更する手間を省くために、レイアウト変更を考慮した無線環境を構築することが必要です。

広大な敷地とコスト

工場は通常、広大な敷地を有しています。そのため、工場全体でWiFiを利用する場合、多数の無線アクセスポイントを設置し、それらを運用・管理する必要があります。

 

これに伴い、通常のオフィスに比べて設置や運用管理のコストがかかってしまいます。

過酷な環境条件

工場の環境はさまざまで、高温や低温、粉塵といった厳しい条件が存在するところもあります。

そのような過酷な環境においてもWiFiを稼働させるためには、工場向けの産業用WiFiの選定が必要です。

耐用温度や防塵性能、防水性能などを検討し、工場の厳しい環境条件に耐えられる製品を選定します。

管理システム

 

工場全体でWiFiを利用する場合、多数の無線アクセスポイントを管理する必要があります。

手動でひとつひとつ管理するのは手間がかかるため、一元管理できるシステムを導入し、効率的な運用を心がけましょう。

工場におけるWiFiの構築方法

工場の広い敷地をカバーするには、WiFiのエリアを拡張するための技術を選択することが必要です。

 

ここでは、WiFiのエリアを拡張するための3つの方法を解説します。

中継機

中継機は電波を増幅する装置で、電波が弱い場所に設置することで、WiFiの範囲を拡張できます。既存のネットワークにも簡単に追加でき、低価格で導入しやすい点がメリットです。

 

しかし、複数の中継機を数珠つなぎに設置すると、経路上の中継機が故障した場合、末端の機器がすべて繋がらなくなってしまいます。

よって多数の無線アクセスポイントが必要な大規模なネットワークには適しておらず、小規模な工場に向いている構成といえます。

無線LANコントローラー+複数の無線アクセスポイント

無線LANコントローラーは多数の無線アクセスポイントを集中管理するための装置で、有線LANで無線アクセスポイントと接続し、各機器の設定やトラフィックを管理します。

管理できる台数に応じて製品がラインナップされており、大規模なネットワークにも対応できます。

 

有線接続が基本となるため、それに伴う導入費用がかかる点がデメリットです。

メッシュWiFi

 

メッシュWiFiは複数の無線アクセスポイントが連携して、ひとつの広い網目状のネットワークを形成するものです。各無線アクセスポイントが最適な経路を自律的に選択し、通信を行います。

故障が発生しても他の経路で通信を継続でき、無線ネットワークを冗長化できます。

ただし、中継ポイントが多くなると速度が遅くなりやすいため、大規模なネットワークには適していません。

工場へWiFiを導入する手順

工場にWiFiを導入する手順を以下に解説します。

工場へのWiFi導入はオフィスと比べて難易度が高いため、できれば専門業者に依頼することをおすすめします。

①目的の明確化

まずWiFi導入の目的を整理します。アプリケーションの利用のためであれば、アプリの通信要件を確認しましょう。

②障害物の確認

工場のレイアウト図面を用意し、現地で環境確認を実施します。

障害物の高さや厚さ、材質などを確認し、図面に追記しましょう。

なお材質については、電波を遮断しやすいものと通しやすいものを把握しておくことが大切です。

③電波の計測

現状の電波状況を確認します。

WiFiと他の電波の計測を行い、電波干渉の可能性や利用可能なチャネル(※)を把握します。

 

(※)チャネルは周波数帯を細かく分割しラベル付けしたもの。無線通信を行う時は送信側と受信側で同じチャネルを利用する必要があり、関係のない機器が同じチャネルを利用していると不具合が発生するリスクがある。

④机上設計

計測結果をもとに、レイアウト図面に無線アクセスポイントの設置場所やWiFiエリアをマッピングします。無線アクセスポイントは見通しの良い高所に設置し、接続可能な端末数なども考慮します。

⑤実機によるテスト

無線アクセスポイントを仮設置し、電波状況を計測します。

高さを変えられる三脚などを用意して、見通しが取れる場所とそうでない場所のカバー範囲を確認します。

⑥設置工事

テストを元に無線アクセスポイントの最終設置場所を決定し、設置工事を実施します。

工事が難しい工場には法人専用DoRACOONがおすすめ

工事が難しい場合や、一部エリアでのみWiFiを利用したい場合は、法人専用のDoRACOONがおすすめです。

だれでも簡単に使える

DoRACOONは端末に電源を入れるだけでマルチキャリアを利用できます。回線の工事や複雑な設定は必要なくIT に詳しくない方でも簡単に利用でき、システム担当者の手間がかかりません。

使用量に応じた多彩なプランを用意

DoRACOONでは使用量ごとに複数のプランが用意されており、ご利用シーンに応じて最適なプランを選択できます。
さらに、最低利用期間や違約金はなく、柔軟な乗り換えが可能です。
使用しない時期がある場合は、休止プラン(月550円)もご利用できます。

NTT西日本のグループ会社が運営するから安心

DoRACOONはNTTメディアサプライ社が運営しています。
NTT西日本グループが運営しているため安心感があり、法人にとって信頼性の高い通信サービスといえます。

※記載している内容は、掲載日時点のものです

ページ上部へ戻る